ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織からさがす > 健康福祉部 > 健康福祉課 > 県内における「退院調整ルール」策定の取組と成果について

本文

県内における「退院調整ルール」策定の取組と成果について

更新日:2024年1月24日 印刷ページ表示

病院とケアマネジャーとの連携による入退院時の切れ目のない支援体制の構築

1 退院調整ルールとは

 介護等の支援が必要な患者が、病院から在宅生活へスムーズに移行できるよう、病院とケアマネジャーが連携を深めるための仕組みです。
 病院とケアマネジャーが連携するために、それぞれの役割や手順などを定めています。
 平成27年度から順次、各地域において、地域の実情に応じた「退院調整ルール」策定事業に取り組んできた結果、平成29年度末で、全12地域(各保健所単位)において、ルール策定が完了しました。

2 取組の背景

 医療と介護との連携については、これまで、多職種間の研修は行われてきましたが、相互理解や連携が十分ではなく、介護等が必要な患者が、病院からケアマネジャーに引き継がれないまま退院し、患者や家族が困る、また、ケアがうまくいかず、具合が悪くなり再入院となることがあるという課題がありました。
 また、平成26年度の介護保険法改正により、平成30年4月までに市町村で在宅医療・介護連携推進事業の実施が求められていたことから、円滑な実施に向けた取組支援の一環として、県全体で事業を進めました。

3 事業の実際

(1) 経過

 平成27年度:国のモデル事業(医療介護連携調整実証事業)として、渋川地域で策定作業を実施。
 平成28年度:5地域(前橋市、藤岡、利根沼田、太田、館林)で策定。
 平成29年度:6地域(高崎市、伊勢崎、安中、富岡、吾妻、桐生)で策定。

(2) 方法

 ア 病院への事業説明
 イ ケアマネジャーへの事業説明
 ウ ケアマネジャー間の協議
 エ 病院とケアマネジャー等の協議
 オ 退院調整ルール策定(手引き作成)
 カ (翌年度以降)メンテナンス会議の開催

 各地域で、保健福祉事務所・市町村・地域包括支援センターが連携して事務局となり、病院関係者とケアマネジャーが協議を重ね、約1年かけて策定しました。旧県地域包括ケア推進室(現:健康長寿社会づくり推進課)は、病院への事業説明会の開催や、地域包括ケア推進室内の各地区担当が事務局に対して、伴走型支援を実施しました。
 また、ルール策定後は運用状況の確認、ルールの定着、見直しのため、年1~2回程度、メンテナンス会議を実施しています。

(3) 「退院調整ルール」(手引き)の主な内容

ア ルールのねらい、ルールを使用する機関
イ 退院調整の手順
 A 入院前にケアマネジャーがいる場合
 B 入院前にケアマネジャーがいない場合
ウ 居宅介護支援事業所、地域包括支援センター一覧
エ ケアマネジャーの業務や役割についての説明
オ 病院相談窓口一覧
カ 様式(入院時情報提供シート、退院時情報提供シート) 等

4 事業の成果

 各地域で関係者がこのルールを適切に運用することにより、要介護状態でケアマネジャーへの引き継ぎがないまま退院する患者が減少し、利用者の円滑な在宅生活への移行が進んでいます。また、策定作業を通じて、関係者が顔の見える関係となり、日常的な連携がしやすくなったなどの声も聞いています。
 ケアマネジャーに行った調査(退院調整状況調査)によると、病院から退院調整の連絡がなかった割合(退院調整漏れ率)は、取組をはじめた平成27年度と今年度を比較すると、県全体で、要介護の患者で24.2%から12.3%に改善し、要支援の患者で53.7%から22.8%に改善しました(図1)。同じく、ケアマネジャーが、担当している利用者が入院した時に、病院に入院時情報提供を行わなかった割合(入院時情報提供書未送付率)を比較すると、要介護の患者で59.9%から31.3%に改善し、要支援の患者で85.9%から60.6%に改善しました(図2)。
 また、「医療機関からの情報をケアプランに反映できたか。」との問いに、90.8%が「非常にそう思う」「そう思う」と回答しており、ケアマネジャーは、病院からの情報を利用者のために有効に活用していることがわかりました(図3)。

5 課題と今後の取組

 成果の一方で、病院内での周知やケアマネジャーへの普及が不十分であるとの声や、様式の県内統一を望む声があります。また、退院時調整漏れ率や入院時情報提供書未送付率には、地域差も見られています。
 こうしたことから、関係者隅々への周知や、ルールをより使いやすいものに改善していくため、各地域で行うメンテナンス会議や、ケアマネジャーに実施している退院調整状況調査を今後も継続し、ルールの定着を図る必要があります。
 多くの関係者の協働による取組で、県内全12地域(各保健所単位)で退院調整ルールの策定が完了しました。
 病院、ケアマネジャーが、『患者、利用者のより良い療養生活を目指す。』という共通目的のため、相互の連携を深められるよう、今後より一層の取組を実施していきます。

退院調整漏れ率の推移グラフ画像
図1

入院時情報提供書未送付率グラフ画像
図2

ケアプランへの反映グラフ画像
図3

令和5年度退院調整状況調査結果の概要

 令和5年度退院調整状況等調査結果概要 (PDF:83KB)
 集計表 (PDF:743KB)

※在宅医療に関係する医療機関等については第8次群馬県保健医療計画の別冊1 求められる医療機能・医療機関の掲載基準・医療機関一覧・指標一覧4(PDFファイル:720KB)をご覧ください。在宅医療に関しては、その127ページ(ファイルのページとしては10ページ目)からの「11 在宅医療」に記載があります。

介護サービス情報の公表については、

介護サービス情報の公表についてをご覧ください