群馬県がん対策推進条例

 がんは、群馬県民の死亡原因の第1位であり、県民の健康及び生命にとって重大な問題となっています。 本県では、すべての県民が、がんに関する理解と関心を深め、互いに支え合いながら、県民が一体となってがん対策を進めていくことを目的として、平成22年12月に議員提案により「群馬県がん対策推進条例」が制定されました。また、平成26年第1回県議会で本条例の一部改正が議決され、平成26年4月1日に施行されました。

<群馬県がん対策推進条例の特徴>

  • 条例の立案に当たった議員の思いを込めた前文を設けています。
  • 条例の実施状況について、3年ごとに検討し、必要な見直しをすることを定めています。

<群馬県がん対策推進条例の概要>

 群馬県がん対策推進条例はこのような内容になっています。

  1. 県、保健医療関係者、県民、事業者の責務(役割)を定めています。
    ・県の責務 
     国、市町村、医療機関、医療関係団体、事業者、がん患者会等と連携し、本県の特性に応じた施策を策定し、実施します。
    ・保健医療関係者の責務 
     県、市町村が講ずる施策に協力するよう努めます。
    ・県民の役割 
     がんの予防意識を高め、積極的にがん検診の受診に努めます。
    ・事業者の責務 
     従業員ががんを予防し、早期発見することができ、本人や家族ががんとなった場合でも、働きながら治療や看護等ができる環境整備に努めます。
  2. 県は、がん検診の普及啓発等、がんの予防及び早期発見を推進するための施策を実施します。
  3. 県は、医療機関の整備や医療従事者の育成等、すべての県民に適切ながん医療を提供するための施策を実施します。
  4. 県は、地域がん登録の精度の向上を図るなど、本県のがんの実態を把握、分析するために必要な施策を実施します。
  5. 県は、相談支援体制の整備等、がん患者及びその家族の療養生活の質の向上や不安等を軽減するための施策を実施します。
  6. 県は、がんに関する理解や関心を深めるための県民運動が幅広く展開されるよう必要な施策を実施し、県民主体の活動を支援します。

以下では、群馬県がん対策推進条例の全文を掲載しています。

 群馬県がん対策推進条例(平成二十二年十二月十六日条例第六十三号)

 すべての県民の命が等しく尊重され、県民が、県民の疾病による死亡の最大の原因となっているがんに対して正面から向き合い、互いに支え合いながら、がんに負けないという強い信念を持って、安心して暮らすことができる群馬を目指し、この条例を制定する。

(目的)
第一条 この条例は、がんの予防及び早期発見の推進、がん患者がその居住する地域にかかわらず等しく科学的知見に基づく適切ながんに係る医療(以下「がん医療」という。)を受けることができることの実現並びにがん患者の置かれている状況に応じ、本人の意向を十分尊重してがんの治療方法等が選択されるようにがん医療を提供する体制の整備等をするため、がん対策に関し基本的な事項を定めることにより、がん対策を県民と共に総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

(県の責務)
第二条 県は、国、市町村、医療機関、医療関係団体、事業者、がん患者及びその家族等により構成される民間団体その他の関係団体と連携を図りつつ、本県の特性に応じたがん対策に関する施策を策定し、実施するものとする。

(保健医療関係者の責務)
第三条 がんの予防及び早期発見を推進し、並びにがん医療に従事する者(以下「保健医療関係者」という。)は、県又は市町村 が講ずるがん対策に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(県民の役割)
第四条 県民は、喫煙、食生活、運動その他の生活習慣が健康に及ぼす影響等がんに関する正しい知識を持ち、がんの予防に必要な注意を払うとともに、積極的にがん検診を受けるよう努めるものとする。
2 県民は、がんに関する理解と関心を深め、互いに支え合うことにより、一体となってがん対策の推進に努めるものとする。

(事業者の責務)
第五条 事業者は、従業員ががんを予防し、又は早期に発見することができ、本人又はその家族ががん患者となった場合であっても働きながら治療を受け、療養し、看護し、又は介護することができる環境の整備に努めるものとする。
2 事業者は、県又は市町村が講ずるがん対策に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(がんの予防及び早期発見の推進)
第六条 県は、がんの予防及び早期発見に資するため、市町村、医療機関、教育機関その他の関係機関と連携し、次に掲げる施策を講ずるものとする。
 一 がん検診の受診率の向上のための普及啓発
 二 喫煙、食生活、運動その他の生活習慣が健康に及ぼす影響等がんに関する正しい知識の普及啓発
 三 がん検診に携わる保健医療関係者の資質の向上のための研修
 四 がん検診の評価及び精度の管理のための市町村等に対する専門的な見地からの助言
 五 受動喫煙を防止するための多数の者が利用する施設における禁煙の推進
 六 未成年者の喫煙防止のための社会環境の整備
 七 女性に特有のがん及びそのがんの発生しやすい年齢を考慮したがんに関する正しい知識の普及啓発
 八 がんに関する正しい理解及び関心を深めるための教育
 九 前各号に掲げるもののほか、がんの予防及び早期発見のために必要な施策

(がん医療の充実)
第七条 県は、がん患者がその居住する地域にかかわらず等しくそのがんの状態に応じた適切ながん医療を受けることができるようにするとともに、より質の高いがん医療を提供するため、専門的ながん医療を提供する医療機関その他の医療機関と連携し、次に掲げる施策を講ずるものとする。
 一 がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院及び特定領域がん診療連携拠点病院(それぞれ専門的ながん医療等の提供を行う医療機関として厚生労働大臣が指定する病院をいう。)並びに群馬県がん診療連携推進病院(がん診療連携拠点病院に準じたがん医療等の提供を行う医療機関として知事が指定する病院をいう。)(以下「がん診療連携拠点病院等」と総称する。)の整備及び機能の強化
 二 がん診療連携拠点病院等その他の医療機関及び研究機関の間における連携協力体制の整備
 三 小児がん医療の充実及び小児がんに関する医療機関の連携協力体制の整備
 四 重粒子線治療等高度で先進的ながん治療の推進
 五 前各号に掲げるもののほか、がん患者がその居住する地域にかかわらず等しくそのがんの状態に応じた適切ながん医療を受けることができるようにするとともに、より質の高いがん医療を提供するために必要な施策

(専門的な知識及び技能を有する医療従事者の育成及び確保)
第八条 県は、手術、放射線療法、化学療法その他のがん医療に携わる専門的な知識及び技能を有する医師、歯科医師、薬剤師、看護師等の医療従事者の育成及び確保を図るために必要な施策を講ずるものとする。

(緩和ケアの充実)
第九条 県は、がん患者の身体的若しくは精神的な苦痛又は社会生活上の不安の軽減を目的とする医療、看護、介護その他の行為(以下「緩和ケア」という。)の充実を図るため、医療機関等と連携し、次に掲げる施策を講ずるものとする。
 一 緩和ケアに携わる専門的な知識及び技能を有する医療従事者の育成
 二 がんと診断された時からのがん患者の状況に応じた緩和ケアの推進
 三 緩和ケアに必要な病床の確保
 四 がん患者が居宅において緩和ケアを受けることができる体制の整備
 五 前各号に掲げるもののほか、緩和ケアの充実を図るために必要な施策

(在宅医療の推進)
第十条 県は、医療機関等と連携し、がん患者の意向により住み慣れた家庭、地域等でがん医療を受けることができる体制の整備のために必要な施策を講ずるものとする。

(がん登録の推進)
第十一条 県は、効果的ながん対策の立案に資するため、地域がん登録(県が行うがん 登録(がん患者のがんの罹(り)患、診断、治療、予後(診断後の経過及び消息をいう。以下同じ。)その他の情報を登録することをいう。以下同じ。)をいう。以下同じ。)を実施するものとする。
2 県は、地域がん登録の精度の向上に資するため、次に掲げる施策を講ずるものとする。
 一 地域がん登録に登録されたがん患者に係る予後調査の実施
 二 地域がん登録に情報を提供する医療機関に対する地域がん登録に基づく情報の提供その他の院内がん登録(医療機関が行うがん登録をいう。)の促進及び精度の向上のために必要な支援
 三 前二号に掲げるもののほか、地域がん登録の精度の向上のために必要な施策
3 県は、がん医療の水準の向上に資するため、地域がん登録の情報を分析し、罹患率、生存率その他の結果を公表するものとする。
4 県は、地域がん登録に登録された情報がその利用目的の達成に必要な範囲を超えて用いられることがないようにするなどがん患者に係る個人情報の保護に配慮しつつ、前三項の施策を講ずるものとする。

(がん医療に関する情報の提供)
第十二条 県は、県民に対し、がん医療に関する情報を提供するために必要な施策を講ずるものとする。
2 県は、がん診療連携拠点病院等が県民に対して行うがん医療に関する情報の提供の充実のために必要な施策を講ずるものとする。

(がん患者及びその家族等に対する支援)
第十三条 県は、がん患者及びその家族等の療養生活の質の維持向上及び精神的又は社会生活上の不安その他の負担の軽減のため、がん診療連携拠点病院等と連携し、次に掲げる施策を講ずるものとする。
 一 がん患者及びその家族等に対する相談支援体制の整備
 二 がん患者及びその家族等により構成される民間団体が行う活動に対する支援
 三 前二号に掲げるもののほか、がん患者及びその家族等の療養生活の質の維持向上及び精神的又は社会生活上の不安その他の負担の軽減のために必要な施策

(骨髄移植の促進)
第十四条 県は、骨髄移植に携わる者と連携し、骨髄バンク事業の普及啓発等白血病その他の血液がんに対して有効な治療方法である骨髄移植の促進に資するために必要な施策を講ずるものとする。

(群馬県がん対策推進協議会)
第十五条 県は、総合的ながん対策の推進及び評価に関し必要な事項を協議するため、群馬県がん対策推進協議会(以下「協議会」という。)を置く。
2 協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、知事が規則で定める。

(県民運動の推進)
第十六条 県は、がんに強い地域社会を構築するため、市町村、医療機関、医療関係団体、事業者、がん患者及びその家族等により構成される民間団体その他の関係団体と幅広く連携し、がんに関する理解及び関心を深めるための県民運動が主体的に行われるよう、広報活動その他の必要な施策を講じ、支援するものとする。

(財政上の措置)
第十七条 県は、がん対策に関する施策を推 進するために必要な財政上の措置を講ずるものとする。

 附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(検討)
2 知事は、この条例の施行後三年を経過するごとに、この条例の実施状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な見直しを行うものとする。

 附則
この条例は、平成二十六年四月一日から施行する。ただし、第十一条第三項の改正規定は、公布の日から施行する。

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