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平成29年5月22日(月曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
笠原寛教育長、天田清之助教育長職務代理者、小池啓一委員、藤原重紀委員、平田郁美委員、青木章子委員
北爪清教育次長、小笠原祐治教育次長(指導担当)、野村晃男総合教育センター所長、飯塚裕之総務課長、田谷昌也管理課長、津久井裕美福利課長、上原永次学校人事課長、鈴木佳子義務教育課長、村山義久高校教育課長、上原篤彦特別支援教育課長、船引忠雄生涯学習課長、古澤勝幸文化財保護課長、小林信二健康体育課長、阿部誠総務課次長、根岸政彦総務課行政係長、宇津木牧子総務課副主幹
午後1時00分、笠原教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は1名、取材者は1名であることを報告。
笠原教育長が今回の会議の会議録署名人に藤原委員を指名。
議案審議に先立ち、笠原教育長から、第10号議案から第12号議案は議会に提出すべき案件であることから、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
まず1点目は、文部科学省による教員勤務実態調査結果について報告させていだく。
4月28日に文部科学省から小中学校の教員を対象とした勤務時間に関する調査結果が公表され、報道等でも周知されているところである。前回、平成18年度調査と比較して、勤務時間が小学校・中学校ともに増加し、厚生労働省が過労死ラインとする週60時間以上の勤務をしている教員が中学校で57.7%、小学校で33.5%となった。勤務時間の増加の背景には学習指導要領の改定による授業時間の増加、土日の部活動の従事時間の増加があるのではないかと報道されている。
本県においても、これまで教育現場の負担軽減に取り組み、教職員が児童生徒と向き合える時間を確保し、質の高い教育活動と、やりがいのある職場環境づくりを推進してきたが、残念ながら多忙化を解消できているとは言えない状況にあると考えている。
そこで、本県の独自の取り組みとして、本年度から市町村教育委員会の代表や、関係団体の皆さんを構成員とした、教員の多忙化解消に向けた協議会を設置することとした。第1回の会合は6月30日に開催する予定である。県教育委員会では、今後の協議会での議論を踏まえ、市町村教育委員会や関係団体と連携し、より実効性のある取り組みを進めてまいりたいと考えている。
2点目は、出席した行事について報告したい。
まず、5月12日に群馬県高等学校総合体育大会の開会式が開催され、私が出席してきた。昨日まで各競技で熱戦が繰り広げられていたところである。
教育委員の皆様には、5月11日から12日にかけて、千葉県で開催された1都9県教育委員会全委員協議会に参加いただいた。文部科学省の行政説明の後、4つの分科会に分かれて「新学習指導要領を踏まえた取り組み」「児童生徒の問題行動」の2つのテーマについて活発な議論をいただいたと報告を受けている。
また、5月15日に県の総合表彰が行われ、教育関係者からは6名の方が表彰を受けられた。表彰式には私が参加してきたところである。
5月20日には、県立高崎高校創立120周年記念式典があり、天田委員に出席いただいた。
それぞれ出席いただいた行事について、委員から一言ずつお話いただきたい。まずは1都9県教育委員会全委員協議会について、お願いしたい。
私は、分科会の「新学習指導要領を踏まえた取り組み」に参加し、小学校の英語教育について議論させていただいた。1都9県でも、立地条件によって問題意識も置かれている状況もまったく違うということがよく分かった。本来であれば、小学校の教科としての英語教育にどのように取り組むか、どう準備するかといったことを議論するはずであった。
しかし委員からは、なぜ今、小学校で英語教育をやらなければならないのか目的が分からない、手段に対する目的がはっきりしないままでは、現場の先生が積極的に取り組めないのではないか、教育委員も先生に導入の目的をしっかり認識していただけるよう、もっと努力が必要ではないかという意見がたくさん出た。
1時間20分という大変短い時間でしたが、自由に議論することができ、有意義な時間であった。
私は「児童生徒の問題行動」の分科会に参加し、管理職を含む教員研修の在り方、問題行動に適切に対応できる学校の体制づくり等について、議論を行う予定であった。
各県の委員から、いじめや不登校をどうすればなくせるのかということについて、それぞれの思いを熱く語るうち時間になってしまい、研修や体制づくりについてまで議論が至らなかった。
いろいろな話があったが、家庭・地域・学校が三位一体となった連携が必要であり、特に家庭のしつけが重要だという点は各県の共通した認識であった。
問題意識を共有するところで分科会は終了となったが、今後もこのことについて議論する機会があると良いと思う。また、本県の中でも十分に議論していきたい。
私も英語教育の分科会に出させていただいた。小池委員とは同じテーマだが別のグループであった。
参加した分科会では、カリキュラムマネジメント、英語指導者の育成、教材の3点について議論が行われた。他県の委員と意見交換ができて、大変参考になった。中でも英語指導者の育成での議論が心に残った。
現在、小学校の英語教育は担任を中心に行う方針で進められているが、その発音はアメリカともイギリスとも異なるがそれでよいのかという意見が出された。この点について議論を進めるなかで、英語というものは、アジアやアフリカなど様々な国の人が、訛っているかもしれないが自信をもって発音している。日本人に欠けているのはそういうことであって、子どもたちに堂々と英語を話す習慣を身につけさせることこそが大事なのではないかという意見が出された。教育委員会として、小学校の英語教育は話そうとする姿勢を身につけるもので、コミュニケーション教育の一環なのだという考えを折に触れて教員や子ども、保護者に発信していくことが必要である。そのことが教職員の精神的プレッシャーを解放する一つの手段になるだろうという話になった。
私は確かにそのとおりであると思い、これからの教育委員の役割の大きさを感じた。
私は、藤原委員と同じ分科会に参加させていただいたので、内容は報告のあったとおりである。会議の中では、結論や解決先は見いだすことができなかったが、各県の委員の熱い想いを知ることができて大変良かった。
2日目は千葉県立博物館を視察した。時間に追われてしまい、少し残念だったが、博物館スタッフの説明は大変解りやすく、また笑顔で対応してくださった。博物館には暗いイメージも持っていたが、とても明るく楽しい場所だった。また、視察した博物館は学校の利用が多く、年に3~4回来場する学校もあると聞いた。群馬の子どもたちにも、群馬のすばらしい博物館をたくさん利用していただいて、歴史や自然のことにもっと興味を持ってもらえるようになるとよい。
高崎高等学校創立120周年記念式典に出席してきた。式典の司会や進行など、全体を高校生が取り仕切っていたことが印象的だった。これまでの卒業生が3万1千人余ということで、著名な方も含め、多くの方が卒業生として出席していたこともあり、式典は厳かに行われた。
記念講演会では、日本総合研究所会長の寺島実郎氏の話を聞いた。「変動する世界をどう見るか、高校生として踏み込むべきところは何か」という内容であった。その中で、皆さんもご存じと思うが人口減少と高齢化について、2017年の総人口1億2,600万人、そのうち、65歳以上が25%、80歳以上が8.2%、100歳以上も7万人いる。これが今の高校生が定年となる2055年頃には、人口は1億人を割り、65歳以上が38%、80歳以上が19%、100歳以上も48万人になっている。人口が変動すれば社会も変わる。例えば高校生が選挙権を持つようになったが、この時代には選挙の在り方も大きく変わっているだろう。今の高校生が将来どういう責任を持つようになるのか、これから日本全体で考えなければいけないという話だった。これまで高校生の立場になって考えたことが無かったので、非常に良い講演だった。
最後に、私が出席した高校総合体育大会の開会式について報告したい。
今、高校再編が佳境に入っているが、富岡高校・富岡東高校、中之条高校・吾妻高校、それぞれ単独での行進は今回が最後となった。それぞれの生徒が素晴らしい姿を見せてくれた。
男子の総合優勝は前橋高校だった。この後も関東大会、全国大会と続くので、多くの生徒たちに活躍してほしい。
それでは、次に各所属長からの報告をお願いする。
平成29年度市町村立学校児童・生徒及び実学級数について、資料1により報告。
平成29年3月公立高等学校等卒業者の進路状況について、資料2により報告。
小中学校の児童生徒数の減少が、今後より顕著になってくる。付随して、いろいろな課題が発生するだろうと考えている。
教育長事務報告については以上とする。
義務教育課長、原案について説明
異議なく原案のとおり承認
総務課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
総務課長、原案について説明
異義なく原案のとおり承認
総務課長、原案について説明
異議なく原案のとおり承認
福利課長、原案について説明
異議なく原案のとおり承認
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
午後1時50分、笠原教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。