高校教育改革の推進についてー少子化に対応した特色ある高校教育と再編整備ー(平成30年4月)
群馬県教育委員会では、社会の大きな変化や少子化の進行を踏まえ、本県の教育水準の維持・向上を図り、これからの時代を切り拓いていくことのできる人材を育成するため、高校教育改革推進計画(計画期間:平成24年度~平成33年度)を策定し、高校教育改革を推進しています。
生徒急減と公立高校の小規模化
本県の中学校卒業者数は、平成元年をピークに、以後大幅に減少してきています。これに伴って、公立高校全日制の1学年学級数は、平成元年度に506学級、1校平均約7学級であったのが、現在は318学級、1校平均5学級と、公立高校の小規模化が進んできています。今後、中学校卒業者数は一段と減少し、平成44年には1万4千人程度となる見込みであり、公立高校の小規模化が進んできています。これらを踏まえ、高校教育改革推進計画では、特色ある高校教育と県立高校の再編整備を推進することとしています。

区分 | 平成元年度 | 平成30年度 |
---|---|---|
学校数 | 73校 | 64校 |
1学年学級数 | 506学級 | 318学級 |
(1校平均) | (6.9学級) | (5.0学級) |
1 特色ある高校教育の推進
【高校教育の質的充実】
- 学力の向上
- 学ぶ意欲態度を育成する教育の充実
- 豊かな心と健やかな身体の育成
- 学校の組織力と教職員の資質向上
- 高等教育機関、地域や産業界等との連携
- 信頼される学校づくりの推進
<主な取組>
- 授業改善の組織的推進
群馬県高校生ステップアップサポート事業 - 英語教育の充実
外国語指導助手招致事業、国際交流促進事業 - 専門教育の充実
次代を担う職業人材育成事業 - 教育相談体制の充実
スクールカウンセラー全校配置 - 入学者選抜制度の改革
前期選抜に学力検査導入(平成29年度入学者選抜から)
2 県立高校の再編整備
【学校規模の適正化】
- 1学年当たり4~8学級(1学級40人を標準)を適正規模とし、統合を推進
(統合が適当でない場合は、学級減や1学級定員の引下げを検討) - 統合の検討に当たっては、地域住民や学校関係者等との懇談会等を開催
【学校・学科等の適正な配置】
- 県内を8地区に分けて、学校・学科等の適正な配置を検討
- 全県的な視野に立って、各地区に一定規模の中核となる学校の配置を推進
【男女共学の推進】
- 高校教育改革に関わる再編整備に併せて男女共学を推進
<主な取組>
- 地区別再編整備計画の策定
富岡・甘楽地区 富岡高校・富岡東高校→新高校「富岡高校」(平成30年開校)
吾妻地区 中之条高校・吾妻高校→新高校「吾妻中央高校」(平成30年開校)
桐生・みどり地区 桐生高校・桐生女子高校→新高校(平成33年開校予定)、桐生南高校・桐生西高校→新高校(平成33年開校予定) - 学科・コース等の改編
沼田女子(平成25年)、伊勢崎(平成27年)、藤岡中央(平成27年)、吉井(平成27年)、富岡実業(平成27年)、大泉(平成28年)、館林女子(平成28年)、高崎工業[定](平成29年)、桐生女子(平成30年) - 学級減の実施
公立高校全日制募集定員(学級数) 339学級(平成24年)→318学級(平成30年)→290学級程度(平成33年予定)
地区別再編整備計画の策定
富岡・甘楽、吾妻、桐生・みどりの3地区では、中学校卒業見込者数の減少が著しいことから、公立高校の在り方について、地元関係者との懇談会や検討会を重ね、子どもたちのためにより良い教育環境を目指し、それぞれ再編整備計画を策定しました。
学級減の今後の見通し
本県の中学校卒業者数は、平成30年から県内全ての地区で大きく減少し、大幅な学級減を連続的に行っていく必要があります。公立高校全日制募集定員については、平成33年度までの3年間で、28学級減程度を予定しています。
具体的な対応については、本県の教育水準の維持・向上を図る観点から、全県的・長期的視野に立って検討・実施してまいります。
地区 | 中学校卒業見込者数 | 公立高校募集定員(全日制) | ||
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平成30年3月 | 平成33年3月 (平成30年比) | 平成30年入学者 | 平成33年入学者*注 | |
前橋 | 3,179 | 2,885 (-294) | 58学級(9校) | 54~51学級 |
伊勢崎・佐波 | 2,551 | 2,301 (-210) | 33学級(6校) | 33~30学級 |
高崎・安中 | 4,119 | 3,870 (-249) | 61学級(11校) | 58~55学級 |
藤岡・多野・富岡・甘楽 | 1,300 | 1,202 ( -98) | 24学級(7校) | 22~19学級 |
沼田・利根 | 773 | 653 (-120) | 18学級(5校) | 15~12学級 |
渋川・吾妻 | 1,478 | 1,334 (-144) | 28学級(7校) | 22~19学級 |
太田・館林・邑楽 | 3,960 | 3,782 (-178) | 64学級(12校) | 64~61学級 |
桐生・みどり | 1,491 | 1,280 (-211) | 32学級(7校) | 27~24学級 |
県全体 | 18,811 | 17,307 (-1,504) | 318学級(64校) | 290学級程度 |
*注 平成33年度の各地区の学級数は、高校教育改革推進計画の予定数であり、今後の状況の変化により変更する可能性があります。