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高崎競馬場跡地利活用有識者検討委員会 第5回委員会概要

更新日:2011年3月1日 印刷ページ表示

1 日時

平成21年12月15日(火曜日)9時50分~11時40分

2 場所

高崎市役所172会議室

3 出席者

(1)委員

(座長)大宮 登 高崎経済大学副学長

 大西 隆 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授

 小竹 裕人 群馬大学社会情報学部准教授

 原 浩一郎 高崎商工会議所会頭

 松野 仁 財団法人建築行政情報センター理事長(前独立行政法人都市再生機構理事)

 横島 庄治 NPO法人環境システム研究会理事長

(2)群馬県・高崎市

  • 県:中野企画部地域政策課長、高草木西部県民局西部行政事務所長、総務部管財課、農政部農政課、県土整備部都市計画課
  • 市:木部副市長、小川副市長、曽根市長公室長、白石市長公室企画調整課長、金井財務部財政課長、小林農政部農林課長、小林都市整備部都市計画課長

4 議事概要

(1)コメントペーパーの発表(資料1 コメントペーパー総括表参照)

これまでの議論を基に整理した論点について、各委員からコメントペーパーを提出していただき、発表していただいた。

〈論点〉

  1. 高崎競馬場跡地の利活用の基本的方向性について
  2. 導入機能候補について
  3. 現状利用も含めた暫定的な利用について
  4. 場外馬券所の取扱いについて
  5. 土地の整理について
  6. その他

(2)意見交換

各委員のコメントペーパーにおける意見や、11月及び12月に実施した導入機能に係る現地調査の結果も踏まえ、意見交換を行った。

主な意見

<1.高崎競馬場跡地の利活用の基本的方向性について>

 地域の高い拠点性を活かし市の発展、県全体の発展に役立つ利活用をということと、新幹線駅、高速バスターミナルに隣接して非常に立地条件が良く拠点性があり、非常に可能性の高い、県にとっても市にとっても重要なものであるというところは、基本的な理解として押さえておきたいと思う。

 (高崎駅から)1キロメートルが近いか遠いかは意見の分かれるところかと思うが、東口に10ヘクタールという土地が残っていて、それが、10年後、20年後、100年後の群馬県、高崎市を位置付けるためには、非常に有効で可能性の高い大切な土地であるということについては皆さん共通で、だからこそ、あまり短期的に箱物を造ったり、目先のところで簡単に方向性を出すべきではなく、じっくり議論を、という基本は共通と受け止めてよいと思う。

 10ヘクタールというのは、この種のものを考える時に、受け皿としてはものすごく大きい。例えば、コンベンション施設、あるいは田園ホールを造ったとしても、たっぷりまだ余っている訳で、何かを決めたら他のものが出来なくなるという択一性なのか、そこを徐々に埋めていく序の口的な、ファーストユースとして何から入るかという考え方とではずいぶん風景が違うと思う。

私は、ファーストユースが何であるのかという議論から入って、後に残る広大な土地を歴史的に継続的にやっていく、そのための最初のとっかかりが何であるのかを決めることが、有効な思想展開であると思っている。その意味では、コンベンションホールも音楽ホールも一緒にしたものでよいと思うが、先週、グランシップ(静岡市)を見てきたが、東海道沿線の浜松、静岡、名古屋、横浜まで含めたラインは、文化施設の競合地帯であり、自らその過当競争の渦に飛び込んだことの失敗を言われていた。

それに対して、今の高崎のこの地を、例えば、音楽センターとコンベンションホールにしたとすると、競合相手が意外とない。埼玉のコンベンション施設はあるが、音楽センターがない。長野県にもない。金沢まで行くとあるが、小さく1,200人位。その意味では、東京の次にここに2,000人クラスの音楽センターを造ることは、マーケット的には競合性がない。しかも、新幹線が上越、長野、北陸と三本通り、東北新幹線の大宮からもちょっとだと、そういう意味では、東日本の臍に文化施設の拠点をつくるというふうにも見え、ファーストユースとして音楽センター+コンベンションを造っても、何ら全体計画の次を阻害する要因にはならないと思う。

 県民、市民、行政などから、これにどうしても使いたいということが出てこないと、何を提案しても冷ややかな反応になってしまう気がする。そういう意見が出てくるまでは、今の暫定利用、ないしは次の段階を保留しておくという方向だと思っている。

 この場所は中途半端なところもあるように思う。駅の直ぐ近くではないので、例えば、駅の近くにビルを建てて、そこで収容できる機能だと、そんなに広大な余剰空間はいらないわけで、利便性が大事だという施設であれば、そういう手もある。また、住宅地にかかっているので、ものによっては周りと軋轢が起こる可能性もある気がする。そういう点では、ある方向で考えるとすれば、周辺のあり方を整理し、併せて整備を始めていかないと共存が図れないという面があると思う。

ここに何かないかと考えると色々なものが浮かんでくるが、その一つ一つを単体で考えた時に、何処がその施設にとって一番立地として相応しいかというと、必ずしもここが一番ではないかもしれない。例えば、音楽ホールを造るときの最適な場所というのは他にもあり得るかもしれない。この非常に狭い範囲の図面だけ見て考えると煮詰まってくる面もあるので、挙がった施設について、どういうところが最適なのかという議論は、少し整理をしないと危ない面があると思う。

<2.導入機能候補について>

 導入機能候補について、集客機能、コンベンション機能に拘るようであるが、金沢市と高崎市は友好交流都市ということで、商工会議所も2回行き、色々な話をしてきたが、我々が感じている以上に高崎を太平洋と日本海の中間の中核都市として、大変大きな期待を持っておられることに驚いた。その時、金沢と高崎だけではなく、将来は、長野や新潟などと新幹線駅サミットをやったらどうかと提案したところ、是非、高崎でやってくれという話があった。また、2年後の北関東横断道路の開通を踏まえて、茨城、栃木、群馬の三県の商工会議所で広域的な活性化を図るため、群馬、栃木、茨城の順で交流会議を開くということが決まっているが、そういう将来の広域的な動きなどを見ても、一番立地的にはコンベンション機能がどうしても必要だと思う。

 「ビッグパレットふくしま」のみ視察したが、「グランシップ」と比較してみると、「ビッグパレットふくしま」は必ずしも立地は良いわけではない(タクシーで10~15分位)が、運営管理費用を見ると、収入が施設利用料で2億6千6百万円、指定管理料8千万と利用料でかなりカバーしており、「グランシップ」の方は、逆に収益が14億円のうち指定管理料が10億円と、かなり県の財政に依存している。こちらの方が立地は良いはずだが、これは一体何なのかという分析も必要だと思う。

印象では、「ビッグパレットふくしま」も展示ホールは苦戦していると言っていたが、静岡の方が苦戦している原因はなにかと考えてみると、やはり音楽というのはなかなか難しい、東京でもクラッシックコンサートをやっても客がそんなに入らない。それをメインに考えるとなかなか経営は大変だろうということは、覚悟して入らなければいけないという感じがする。

 共通しているのは、両方とも会議系は人が入ると、「ビッグパレットふくしま」も会議系に関しては80%である。郡山駅からタクシーで10分位、決して便利だとは言えず、競馬場跡地よりはずっと遠いところにあるが、それでもほとんど大・中・小の会議室は満室で、色々な団体の人が来ている。

ただ、展示ホールというでかい空間のところは、50%を切っていて、最近の状況では稼働・利用率が減って、それをどうするかということで悩んでいた。逆に言えば、でかい部分が、天井も高く普通でない空間を作ったためにメンテナンス等が掛かるというところはあると思う。

 コンベンションについては、地域間競争になりかねないなというところが気になっている。「グランシップ」は、料金の決め方について、需要の拡大性や市価等を考慮せず、競合他施設と比べて料金を安く設定しており、結果的に収入が安くなっているのではないかと思う。

やはり、マーケティングがすごく重要であると思う。高崎は1時間で東京に行けるので、県内企業のニーズがあるのかどうか、また、東京の企業は幕張メッセなど他のコンベンションも選択可能である。交通面で有利な高崎ではあるけれども、他の地域のコンベンションと競合するので、それらと戦う局面を考えて計画しないといけない。

集客したいという地域の意向は非常によく判るが、同時にそのリスクも高いと思う。他地域との競争に巻き込まれた時にどうやってペイするのかについて自信が持てないので、コンベンションで良いという結論までは難しいと思う。

 2005年の日本の人口は、1億2千7百万人位であるが、2055年には、約9,000万人、100年後の2105年には、約4,500万人という推計で、ものすごい人口が減少する。

どうしても都市間競争となると、少ないパイの奪い合いという面もあるが、どこかで県も市も集客、交流人口ということが一つの大きなテーマだと思うので、10ヘクタールの中の一部ということになると思うが、コンベンション機能、あるいは文化的な機能を持つということを、一つの導入機能の候補として挙げておいて良いのかなと思う。

その際、本当にそこで良いのかというチェックをしっかりしないと、財政的に非常に逼迫している状況で、重荷にならないような形で考えていくことが必要だと思う。

<3.現状も含めた暫定的な利用について、4.場外馬券所の取扱いについて>

 暫定的な利用としては、着脱可能な太陽光パネルを設置してモデル事業を実施するというアイデアもあったが、皆さん共通しているのは、JRAと暫くは同時進行で、あれだけの収益性があって、土地を持っている人達も継続希望が多数ある中で、簡単には取り上げて直ぐに2~3年ではいかないであろうということで、同時並行的に、何らかの形で県民、市民開放の方法を行いオープン化していく、あるいは、実験的に少しずつ新たな使用に関しての試みを展開するというのが、共通なことと思う。

 着脱可能な太陽光パネルの設置場所として活用するというアイデアは、暫定的利用ということでは面白いと思う。そのアイデアに触発されて申し上げれば、太陽光パネルは駐車場の部分に屋根を付けて、そこに設置するという方法もあり、電力を何処かに売るということも可能になる。芝生の部分は覆う必要がないわけだから、そこは家族が遊べるスペースに整備しておけばよく、そういうアイデアはどうか。

 駐車場の屋根も良いが、ボイドスペース(余裕空間)のあり方論としては、防災空間、災害避難地という指定もある。その時に太陽光パネルの屋根が緊急テント村になる。それは駐車場の屋根の下の空間を使うという方法もあるし、三角屋根が並んでいて、その切れ目と切れ目をテントで覆うと巨大テント村が一挙に出来てしまう、というような意味で防災機能のある避難地として使える。そういう太陽光パネルの板の広さを活用した応用可能な暫定利用というのはあると思う。

太陽光パネルについては、家庭用電灯と工業用電力とは全然単位が違うわけであるが、その周辺だけ、例えば500世帯を全部電灯だけは面倒みるくらいの電力ならば、10ヘクタールで十分過ぎるくらいある。自分の家の屋根ではないが、その先にある空間の電力を周囲の家全体に配給電するモデルというのもあってもよいと思う。簡単なプロジェクトではないと思うが、全国にまだ例がない。

跡地は、一定の場所からの地産地消型の家庭用電力の給配電システムとしての太陽光パネルの有効な置き場所になると思う。

<5.土地の整理について>

 土地の整理に関しては、大きくは二つ、一体的に確保すべきで、その仕組みを考えるべきではという意見と、可能ならば一体的であればいいが、とにかく公有地化を少しでも進めるような取組を始めた方が良いのではという意見が出ている。

公有地化に向けて、一体的な利用ができるような条件を整えて欲しいというのは共通している。ただ、その方法や手法、現状をどうするかということは、なかなか難しいところがある思うが、そこに向けて可能なところを探って欲しいというのは、一つ言えるようだ。どういうことが本当に現実的に可能かどうかの議論は、今後やっていく必要があると思う。

(3)次回の日程について

  • 次回の委員会が、最終回となる予定。
  • 日程は、2月又は3月中の開催を目途に日程調整することとされた。

配付資料

資料1 コメントペーパー総括表(PDFファイル:30KB)

資料2 現地調査結果概要(PDFファイル:64KB)

-以上-

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