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平成22年度精度管理結果

1. 目的

 本精度管理は、「群馬県水道水質管理計画」に基づき、水道試験機関における測定値の信頼性を確保し、自己の技術の客観的な認識及び全体的な技術の向上を図ることにより、水道水質の安全性に寄与することを目的に実施するものである。
 平成22年度は、対象項目を「クロロホルム」(水道水質基準値:0.06mg/L)および「ブロモホルム」(水道水質基準値:0.09mg/L)として実施した。

2. 参加機関

 今年度の参加機関は、水道事業者6機関、水道用水供給事業者2機関、水道法第20条に基づく登録検査機関16機関の、計24機関であった。

3. 配布試料

 クロロホルム1000mg/L標準原液(関東化学製)及びブロモホルム1000mg/L標準原液(関東化学製)をメタノールで希釈しそれぞれ100mg/L溶液を調製した。この100mg/L溶液からクロロホルム12mL及びブロモホルム18mLをそれぞれ分取しメタノールで100mLに定容し混合溶液を調製した。これを2mL容アンプル瓶に封入し配付試料とした。測定時にこれを各機関で通常使用している希釈水で1000倍に希釈して測定することとした。設定濃度は1000倍希釈液で、クロロホルム0.012mg/L及びブロモホルム0.018mg/Lとした。

4. 実施方法

 試料の配布は、群馬県衛生環境研究所において平成22年11月16日に行った。また、希望する機関には、翌日到着の宅配便(4度保存)で発送を行った。各参加機関は5回の試料測定を行い、測定結果並びに測定条件を報告した。

5. 測定結果の集計

  各機関の測定結果から、平均値、回収率、変動係数、Zスコア注1)等を算出した。
 注1)Zスコアは下記により算出した。
        Z=(x-μ)/σ  
                  [x:個別のデータ、μ:母集団の平均値、σ:母集団の標準偏差]
    なお、Zスコアによる評価の基準は、次のとおりとした。

  • |Z|≦2  :測定結果は合格
  • 2<|Z|<3:測定結果は疑わしい
  • |Z|≧3  :測定結果は不合格

5-1測定結果について

  各機関の5回測定結果の平均値の分布を図1に、回収率について図2に示す。
<クロロホルム>
  全機関の平均回収率は103%であり、70~130%を超える機関はなかった。各機関の変動係数は0~7.2%と10%以内であり、機関間の変動係数は9.4%とこれも10%以内であった。また、Zスコアから「測定結果が合格(|Z|≦2)」と評価された機関は23機関、「測定結果が疑わしい(2<|Z|<3)」と評価された機関は1機関であった。「測定結果が不合格(|Z|≧3)」とされる機関はなかった。
<ブロモホルム>
  全機関の平均回収率は97%であり、70~130%を超える機関はなかった。各機関の変動係数は0~8.8%と10%以内であったが、機関間の変動係数は10.5%であり、クロロホルムに比べ機関間のばらつきはやや大きかった。また、Zスコアから「測定結果が合格(|Z|≦2)」と評価された機関は22機関、「測定結果が疑わしい(2<|Z|<3)」と評価された機関は2機関であった。「測定結果が不合格(|Z|≧3)」とされる機関はなかった。

  Zスコアが2<|Z|<3となった3機関に注目すると、クロロホルムの回収率が127%、ブロモホルムの回収率がそれぞれ70%、123%となった3機関であった。いずれも2化合物のうち一方の測定結果は合格範囲となっていること、また今回の試料は2化合物の混合液であることなどから、希釈操作段階で一方の化合物のみに何らかの不具合が生じたとは考えにくい。検量線用標準液の調製精度の問題や、機器測定段階に関連する要因等が推測されるが明確な原因は不明であった。

クロロホルムの測定結果の分布
ブロモホルムの測定結果の分布

      図1 クロロホルムおよびブロモホルムの測定結果の分布

クロロホルムおよびブロモホルムの回収率

      図2 クロロホルムおよびブロモホルムの回収率

5-2分析経験について

  分析担当者の揮発性有機化合物についての経験年数は、0.5~16.7年と幅広く、中央値約2.8年、平均値約4年であった。また分析のべ検体数は、160~50,000検体とこれも幅広く、中央値約1,200検体、平均値約6,000検体であった。

5-3希釈方法について

 今回の精度管理は各機関でアンプル瓶試料原液を希釈し、これを測定する形式で行った。希釈方法の内訳をみると、試料原液から一定量分取し、希釈水で所定倍率の試料水1L程度を調製し、これを測定した機関が14機関、また希釈水入りの測定用バイアルに試料原液をマイクロシリンジ等で直接添加し所定倍率に希釈し測定を行った機関が10機関と、2パターンに分かれた。なお、希釈試料水をあらかじめ調製して測定した機関の中には至適濃度で測定を行うため、2回希釈を行った機関が5機関あった。
  あらかじめ希釈試料水を調製して測定した機関とバイアル直接希釈により測定した機関の測定結果の平均値をみると、クロロホルムでそれぞれ0.01243mg/Lおよび0.01230mg/L、ブロモホルムでそれぞれ0.01714mg/Lおよび0.01780mg/Lであったが、いずれにおいても希釈法の違いによる測定結果の有意差は認められなかった(t検定、p>0.01)。
  また、あらかじめ希釈試料水を調製して測定した機関の中で1回希釈および2回希釈で測定した機関の測定結果の平均値をみると、クロロホルムでそれぞれ0.01240mg/Lおよび0.01244mg/L、ブロモホルムでそれぞれ0.01740mg/Lおよび0.01700であったが、測定結果に有意差は認められなかった(t検定、p>0.01)。

5-4希釈水について

 試料希釈に用いた希釈水の内訳をみると、市販のミネラルウォーターを使用した機関が13機関、超純水精製装置の水を使用した機関が10機関、市販の揮発性有機化合物測定用希釈水を使用した機関が1機関であった。またそれぞれのグループの内訳をみると、ミネラルウォーターで5種の銘柄が、超純水精製装置も4種のメーカーの精製水が使用されており、機関によって使用される希釈水が多岐にわたっていた。

5-5測定方法について

  今回の参加機関の測定方法は、パージトラップGC/MS法が11機関、ヘッドスペースGC/MS法が13機関であった。両測定方法による測定結果の平均値は、クロロホルムがそれぞれ0.01254mg/Lおよび0.01218mg/L、ブロモホルムがそれぞれ0.01754mg/Lおよび0.01727mg/Lであったが、測定法の違いによる分析結果の有意差は認められなかった(t検定、p>0.01)。

5-6まとめ

  揮発性有機化合物のクロロホルムおよびブロモホルムについて精度管理試験を実施したところ、クロロホルムが平均回収率103%、変動係数9.4%、ブロモホルムが平均回収率 97%、変動係数10.5%であり、いずれも許容範囲の結果となった。

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