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平成23年度精度管理結果

1. 目的

  本精度管理は、「群馬県水道水質管理計画」に基づき、水道試験機関における測定値の信頼性を確保し、自己の技術の客観的な認識及び全体的な技術の向上を図ることにより、水道水質の安全性に寄与することを目的に実施するものである。
  平成23年度は、対象項目を「カドミウム」(水道水質基準値:0.003mg/リットル)および「鉛」(水道水質基準値:0.01mg/リットル)として実施した。

2. 参加機関

  今年度の参加機関は、水道事業者6機関、水道用水供給事業者1機関、水道法第20条に基づく登録検査機関18機関の、計25機関であった。

3. 配布試料

  認証標準物質TMDA-51.4(カナダ環境省)を50 ml容ポリビンに封入し配布試料とした。測定時にこれを各機関で使用する測定機器及び測定方法に準じた酸溶液で10倍に希釈して測定することとした。設定濃度は10倍希釈液で、カドミウム0.00256mg/リットル及び鉛0.00689mg/リットルである。 

4. 実施方法

  試料の配布は、群馬県衛生環境研究所において平成23年11月14日に行った。また、希望する機関には、同日発送の宅配便(4度保存)で配布した。各参加機関は5回の試料測定を行い、測定結果並びに測定条件を衛生環境研究所あて報告することとした。また、配布試料中にコバルト、ガリウム、タリウムが含まれているため、誘導結合プラズマー質量分析法を用いて、内部標準法で定量する場合は、内部標準元素を、ベリリウム、イットリウム、インジウムの中から選択することとした。 

5. 測定結果について

5-1 測定結果の集計

  各機関の測定結果から、平均値、回収率注1)、変動係数、Zスコア注2)等を算出した。
  注1) 回収率:平均値 / 設定濃度×100
  注2)Zスコア:Z=(x-μ)/σ
          [x:個別のデータ、μ:母集団の平均値、σ:母集団の標準偏差]
    なお、Zスコアによる評価の基準は、次のとおりとした。
 

  • |Z|≦2     :測定結果は合格
  • 2<|Z|<3 :測定結果は疑わしい
  • |Z|≧3     :測定結果は不合格

5-2 各機関のZスコアによる評価について

  各機関の評価は、5回の測定データの平均値を用いた。各機関の平均値の分布を図1、回収率を図2および変動係数を図3に示す。

<カドミウム>

  全機関の平均回収率は97%であり、24機関が80~120%の回収率であった。各機関の変動係数は0~6.5%と10%以内であり、機関間の変動係数は9.8%とこれも10%以内であった。また、Zスコアから「測定結果が合格(|Z|≦2)」と評価された機関は24機関、「測定結果は不合格(|Z|≧3)」と評価された機関は1機関であった。

<鉛>

  全機関の平均回収率は104%であり、23機関が80~120%の回収率であった。各機関の変動係数は0~6.6%と10%以内であったが、機関間の変動係数は16%であり、カドミウムに比べ機関間のばらつきはやや大きかった。また、Zスコアから「測定結果が合格(|Z|≦2)」と評価された機関は23機関、「測定結果が疑わしい(2<|Z|<3)」と評価された機関は1機関、「測定結果が不合格(|Z|≧3)」とされた機関は1機関であった。

<設定濃度から外れた原因>

  カドミウムおよび鉛の2項目の測定結果が不合格となった機関については、2項目とも測定結果が設定濃度より低くなっていた。原因については、希釈方法、検量線溶液濃度や計算などの間違いが考えられるが詳細は不明であった。また、鉛の回収率が80~120%の範囲外であった2機関の測定結果は、変動係数が厚生労働省の求める精度の10%以内であったが、他機関に比べバラツキが大きかった。この2機関は、フレームレス原子吸光法で測定する際にモディファイヤの添加をしなかった。モディファイヤの添加をしないと、マトリクスに影響を受けやすい事から、この事がバラツキの原因の1つに考えられたが詳細は不明であった。

<改善策>

  不合格となった機関については、機関内で原因の考察を行った。測定時にモディファイヤを添加するように変更したところ、良好な添加回収試験結果が得られたと報告があった。今後の対策については、後日、衛生食品課水道係あて報告することとなった。

測定結果の分布
             図1.カドミウムおよび鉛の測定結果の分布
回収率
             図2.カドミウムおよび鉛の回収率
変動係数
             図3.カドミウムおよび鉛の変動係数

6. 測定について

6-1 分析経験

  分析担当者の重金属類についての分析経験は、2~150ヶ月と幅広く、中央値は24ヶ月、平均値は約42ヶ月であった。また、分析のべ検体数も、150~25000検体と幅広く、中央値は1400検体、平均値は約4900検体であった。 

6-2 測定機器

  本精度管理で平成14年度に鉛を対象項目とした時の使用測定機器の内訳は、フレームレスー原子吸光光度計が12機関、誘導結合プラズマ発光分光分析装置が4機関、誘導結合プラズマー質量分析装置が5機関であった。本年度の使用測定機器の内訳は、フレームレスー原子吸光光度計が4機関、誘導結合プラズマ発光分光分析装置が3機関、誘導結合プラズマー質量分析装置が18機関であった。 

6-3 機器条件

  参加機関の誘導結合プラズマ発光分光分析装置は全てマルチタイプであり、測定時間は、3~25秒であった。誘導結合プラズマー質量分析装置を用いた機関のうち、コリジョン・リアクションガスの使用は、12機関でみられた。元素ごとの積分時間については、カドミウムでは1秒未満が3機関、1秒以上3秒未満が14機関、3秒以上が1機関あり、鉛では1秒未満が10機関、1秒以上3秒未満が5機関、3秒以上が2機関であった。 

7. まとめ

  重金属類のカドミウムおよび鉛について精度管理試験を実施したところ、カドミウムについては、平均回収率97%であり、24機関の測定結果が合格、1機関が不合格となった。鉛については、平均回収率104%であり、23機関の測定結果が合格、1機関が疑わしく、1機関が不合格となった。
  なお、結果が不合格となった機関は、改善策により良好な添加回収結果が得られるようになった。
  より水道資質の安全性を高めるため、本精度管理を検査作業の見直し等にお役立てください。

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