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平成24年度精度管理結果

更新日:2018年9月21日 印刷ページ表示

平成24年度精度管理結果報告書 (PDFファイル:455KB)

1.目的

 本精度管理は、「群馬県水道水質管理計画」に基づき、水道試験機関における測定値の信頼性を確保し、自己の技術の客観的な認識及び全体的な技術の向上を図ることにより、水道水質の安全性に寄与することを目的に実施するものである。

 平成24年度は、対象項目を「有機物(全有機炭素(TOC)の量)」(水道水質基準値 3mg/L〈ミリグラム毎リットル〉)として実施した。

2.参加機関

 今年度の参加機関は、水道事業者6機関、水道用水供給事業者4機関、水道法第20条に基づく登録検査機関18機関の計28機関であった。

3.配付試料

 120度で1時間乾燥させたフタル酸水素カリウムを2.763グラムとり、超純水1リットルに溶解させた。さらにこの原液を超純水で100倍に希釈し、配付試料とした。この配付試料を各参加機関において10倍希釈後に分析することとしたため、TOC設定濃度(10倍希釈後)は、1.30mg/L〈ミリグラム毎リットル〉である。

4.実施方法

 試料の配付は、群馬県衛生環境研究所において平成24年11月12日に行った。また、希望する機関には、同日発送の宅配便(4度保存)で配付した。各参加機関は配付された試料を10倍希釈後、同一条件で5回繰り返し分析を行い、分析結果および分析条件等を衛生環境研究所あて報告することとした。

5.結果の集計

 各機関の結果(5回のデータの平均値)の分布を図1、回収率および変動係数(機関内)を図2に示す。各機関の結果(5回のデータの平均値)は1.21~1.44mg/L〈ミリグラム毎リットル〉で、中央値、平均値はともに1.32mg/L〈ミリグラム毎リットル〉であった。各機関の設定濃度に対する回収率は93~111%で、平均101.5%であった。機関内変動係数は0~4.55%と全て10%以内であり、機関間の変動係数は3.75%であった。また、Zスコア(*注)から、「合格(|Z|≦2)」と評価された機関は26機関、「疑わしい(2<|Z|<3)」と評価された機関は2機関、「不合格(|Z|≧3)」と評価された機関はなかった。

 *注 Z=(x-μ)/σ

  • x:個別のデータ
  • μ:母集団の平均値
  • σ:母集団の標準偏差

 [評価の基準]

  • |Z|≦2:合格
  • 2<|Z|<3:疑わしい
  • |Z|≧3:不合格

画像1:図1 結果の分布
図1 結果の分布

画像2:図2 回収率及び変動係数(機関内)
図2 回収率及び変動係数(機関内)

6.分析

6-1. 分析経験

 分析担当者のTOC分析経験は、6~103ヶ月と幅広く、中央値は32ヶ月、平均値は約35ヶ月であった。また、分析のべ検体数も、50~48000検体と幅広く、中央値は1800検体、平均値は約10000検体であった。

6-2. 分析機器

 分析機器は、燃焼式酸化法が23機関、湿式酸化法が5機関であった。燃焼式酸化法の機器を使用している機関の分析値(平均値±標準偏差)は1.32±0.050mg/L〈ミリグラム毎リットル〉、湿式酸化法の機器を使用している機関の分析値(平均値±標準偏差)は1.32±0.048mg/L〈ミリグラム毎リットル〉と、有意な差はみられなかった。

6-3. 検量線

 参加機関の多くが、最高濃度を2~3mg/L〈ミリグラム毎リットル〉とする5点程度の検量線を作成しており、適切な検量線が作成されていた。また、検量線の直線性(r2)について、すべての機関で0.999程度は確保されていた。

6-4. 分析日

分析開始日は、配布後1日以内が19機関、2~3日後が7機関、その他が2機関であった。なお、水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法(平成15年厚生労働省告示第261号)においては、試料は採取後速やかに試験し、速やかに試験できない場合は冷暗所に保存し72時間以内に試験することとしている。

7. まとめ

有機物(全有機炭素(TOC)の量)について精度管理試験を実施したところ、設定濃度に対する回収率は93~111%で、平均は101.5%であった。機関内および機関間の変動係数は全て10%以内であり、分析値のばらつきは小さかった。Zスコアから、「合格」となった機関は26機関、「疑わしい」となった機関は2機関、「不合格」はなかった。

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