1 道路交通事故の現状等

第1節 道路交通事故のない社会を目指して

 高齢者、障害者・子どもを含む全ての人々が、相互理解と思いやりをもって行動する安全で安心な社会の実現を目指します。
 人命尊重の理念に基づき、究極的には、交通事故のない社会を目指すことが必要です。
 したがって、積極的に交通安全対策を推進し、死者数の一層の減少に取り組むとともに、交通事故そのものの減少を目指した取り組みが必要です。
 特に、交通安全は地域社会と密接な関係を有することから、地域の交通事情等を踏まえ、それぞれの地域における活動を強化し、交通安全に関する新たな仕組みづくりや施策を生み出していくことが重要です。
 人の生命・身体・財産を脅かす身近な危険である交通事故の防止に向けて県民の理解と認識を深め、地域の交通事情を踏まえ、家庭、職場、警察、学校、団体及び企業等の役割分担と連携を図り、県民総参加の交通安全活動を推進していくことが必要です。
 

1 道路交通事故の現状

(1)道路交通事故の推移

 県内の交通事故による死者数は、昭和47年(351人)にピークに達しました。その後は、自動車交通の増加に反して下降線をたどり、昭和53年までの6年連続減少を含め、昭和57年の152人まで減少傾向で推移しました。その後増加傾向となり、平成6年に256人となった後は再び減少傾向に転じ、平成19年からは4年連続で100人以下となっています。
 交通人身事故発生件数、負傷者数は概ね同様な傾向で推移しています。昭和46年(人身事故発生件数12,336件、負傷者数16,703人)まで一挙に増加した後は減少傾向に転じ、昭和56年(人身事故発生件数6,594件、負傷者数8,127人)まで推移しましたが、昭和57年は急激な増加傾向を示し、平成16年には、交通人身事故発生件数23,910件、負傷者数30,777人と、過去最悪を記録しました。
 しかし、これをピークに減少に転じ、平成22年まで6年連続で減少しています。

 

交通事故の推移


 なお、平成18年から平成22年までの第8次群馬県交通安全計画(以下「8次計画」という。)期間中における本県の人口10万人当たりの交通人身事故発生件数、負傷者数は常に全国ワースト上位で、交通人身事故発生件数は全国平均の約1.6倍、負傷者数は約1.7倍と高い水準で推移しています。

人口10万人当りの交通事故発生状況
  平成18年 平成19年

平成20年

平成21年

平成22年

人身事故発生件数

22,758

21,649

20,315

19,127

19,080

10万人当たり件数

1,126.3

1,073.8

1,009.6

953.0

1950.7

全国ワースト順位

2位

2位

3位

3位

5位

全国平均

694.1

651.5

600.0

578.4

569.2


 

人口10万人当りの負傷者数
  平成18年 平成19年

平成20年

平成21年

平成22年

負傷者数

28,820

27,273

25,614

24,022

23,970

10万人当たり人数

1,426.3

1,352.7

1,272.9

1,196.9

1,194.3

全国ワースト順位

2位

3位

3位

4位

4位

全国平均

859.5

809.6

740.5

713.8

702.9




(2)最近の道路交通事故の現状

 本県における最近の交通人身事故の状況は、概ね次のとおりです。

  • 死者数が4年連続で100人以下となっている。
  • 交通人身事故発生件数、負傷者数は6年連続で減少している。
  • 人口10万人当たり交通人身事故発生件数、負傷者数は全国ワースト上位が続いている。
  • 子どもの関係する交通人身事故件数は減少傾向で、全事故に占める構成率はほぼ横ばいである。
  • 高齢者が関係する交通人身事故件数は増加傾向で、全事故に占める構成率も増加傾向となっている。
  • 自転車の関係する交通人身事故件数は減少傾向にあるものの、全事故に占める構成率は僅かに増加傾向である。

 交通死亡事故についてみると、全国の状況は、次のとおりとなっています。

  • 高齢者の死者数が高水準で推移しており、全死者数の約5割を占めている。このうち、高齢者の歩行中及び自転車乗用中の死者数が6割以上を占めている。また、近年高齢運転者による死亡事故件数が増加している。
  • 16歳から24歳までの若者の死者数が大きく減少しており、特に自動車乗車中の減少が顕著である。
  • 全死者数に占める歩行中及び自転車乗用中の死者数の割合が48.8%と高い。
  • 最高速度違反及び飲酒運転による死亡事故件数が減少している。


 また、本県の平成22年中の交通死亡事故の状況は、

  • 死者の年齢層別では、子どもの構成率が低下し、高齢者の構成率が高まり、全死者数に占める高齢者の割合は53.2%となっている。
  • 死者の状態別では、最も多いのが歩行中(41.5%)、次いで四輪車運転中(21.3%)、自転車乗用中(18.1%)であり、歩行中及び自転車乗用中の死者の割合が全死者数の約6割を占め、うち高齢者が約8割を占める。また、高齢者の歩行中及び自転車乗用中死者数が高齢者の死者数の9割を占める。
  • 事故類型別では、人対車両が全体の43.8%、次いで出会い頭が22.5%となっている。
  • 時間帯別では、午後6時台が12人と最も多く、全員が高齢者で、全死者数の12.8%、高齢者の死者数の24%を占める。
  • 歩行中死亡した高齢者30人うち、8割以上が自宅から500m以内で事故に遭っている。

などが挙げられます。

 本県での交通死亡事故が減少している理由としては、道路交通環境の整備、交通安全思想の普及徹底、安全運転の確保、車両の安全性の確保、道路交通秩序の維持、救助・救急体制の充実等の諸対策の効果が挙げられますが、定量的に示すことができる主な要因としては、

  • 道路の拡幅、バイパスや歩道整備による事故の減少
  • 飲酒運転等悪質・危険性の高い事故の減少
  • シートベルト着用率向上に伴う致死率(自動車乗車中)の低下
  • 危険認知速度(車両の事故直前速度)の低下
  • 法令違反の歩行者の減少
  • 車両の安全性の向上

を挙げることができます。
 これらについての8次計画での各種対策の結果は、次のとおりです。

 

1 道路交通環境の整備の促進(道路の拡幅、バイパス整備や歩道整備)
  平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年
道路の改良(%) 49.5 49.9 50.3 50.7 51.1
歩道設置道路延長(km) 2,893.8 2,925.5 2,971.3 3,015.4 3,052.2

(資料提供:道路管理課)

 

2 悪質・危険運転の減少(飲酒運転罰則強化などによる指導取締り)
死亡事故原因(単位:件) 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年
飲酒運転 11
信号無視

 

3 シートベルト着用率の向上に伴う自動車乗車中の致死率の低下
  平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年
シートベルト非着用死者(単位:人) 35 19 14 19 12
運転席着用率(%) 92.2 93.0 94.6 93.7 96.0
助手席着用率(%) 73.4 88.7 92.3 89.9 92.4
後部席着用率(%) 7.7 9.4 40.0 37.4 47.9

シートベルト非着用死者数:交通企画課資料
シートベルト着用率:日本自動車連盟資料


 

4 交通管制(信号制御)等による速度抑止効果による危険認知速度の低下による高速度・無謀運転の減少
(単位:人) 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年
50km/h未満での事故 19,360 18,580 17,632 16,654 16,593
  (平成12年16692件を100とした指数) 116 111 106 100 99
50km/h以上80km/h未満での事故 2,344 2,178 1,841 1,689 1,732
  (平成12年2857件を100とした指数) 82 76 64 59 61
80km/h以上での事故 71 50 38 43 29
  (平成12年148件を100とした指数) 48 34 26 29 20

※ 「危ない」と感じた時の速度が80km/h以上の指数が減少

 

5 法令違反の歩行者の死者数の減少
  (単位:人) 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年
全体 52 37 35 32 39
法令違反あり 37 24 18 18 33

 

 6 車両安全性の向上 致死率の高い正面衝突事故の減少
  (単位:人) 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年
正面衝突事故による死者 15 18 11

※ 上記2~6項目の統計資料は、県警交通企画課提供

(3)道路交通を取り巻く今後の展望

 人口当たりの運転免許保有率にあっては昭和44年以来、人口当たりの車両保有率にあっては昭和48年以来、双方とも全国1位であり、県民の多くが日常的に自動車を利用する機会が多く、交通事故がいつどこで起きても不思議ではない状況となっています。
 また、北関東自動車道の全線開通により、本県は日本海から太平洋、東北から首都圏と日本全国につながる高速道路網の結節点、交通の要衝地・物流拠点として、さらに大きな役割が期待されますが、高速道路網の発達に伴う高速度での重大事故の発生や県外車両による交通量増加などが懸念され、交通環境を取り巻く情勢は、益々厳しいものとなっています。
 さらに、高齢化の進展に伴い、交通死亡事故の当事者比率の高い高齢者人口の増加、中でも運転免許保有者数の増加は道路交通に大きな影響を与えるものと思われます。
 急速に進行する少子高齢化への対応や、本県の道路交通事故の現状等を考えると、今後は「高齢者及び子ども」「歩行者及び自転車」「生活道路及び幹線道路」を重視した対策が重要となってきます。






 

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