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魚の引きの強さを計測するシステムの開発

研究のねらい

 釣り人にとって魚の引きの強さは重要な評価ポイントですが、その度合いは釣り人の主観により判断されています。一方、評価の高い魚を育種するには、その強さを客観的に判定することが必要です。そこで、引きの強さを引力として数値化する計測システムの開発を試みました。

技術の特徴

1 計測システムの構築

 引力の計測システムは、工業分野で荷重を測る際に使用されているデジタルフォースゲージ(日本電産シンポ製FGP-5:定格容量±50N、表示分解能力0.01N)に、ノートパソコンを接続して構築しました(図1)。

図1 計測システムの概略図のイメージ画像
図1 計測システムの概略図

 ノートパソコンには日本電産シンポ製のFGPシリーズ用データ取込みソフト「とりえもんUSB」をインストールし、デジタルフォースゲージからのデータを経時的にパソコン内部に記録しました。

2 釣獲試験の方法

 川場養魚センターで飼育したニジマス4系統{箱島(旧箱島養鱒センター系)雌とスチールヘッド(降海系)雄の交配(箱スチ)、箱島、スチールヘッド(スチール)、早期採卵}の1年魚を試験に用いました。
 川場養魚センターの屋外コンクリート池(4.2メートル×5.5メートル×水深0.7メートル)に標識として鰭の一部を切除した4系統を各100尾混ぜ、釣獲後に標識の確認と体重等を測定しました。

3 試験の結果

 各系統の最大瞬間引力と体重との相関係数は、箱スチが0.59、箱島が0.42、スチールが0.74、早期採卵が0.68で、すべての系統で正の相関が認められました(図2)。また、系統間の単位魚体重あたりの最大瞬間引力値を比較したところ、有意に差が認められました。よって、魚の引きを数値化するとともに、引きの強さはニジマスの系統間で差があることを明らかにしました。

図2の画像:最大瞬間引力と体重の関係グラフ画像
図2 最大瞬間引力と体重の関係

今後の取り組み

 今後はこの計測システムを利用して、釣り人の求める引きが強い魚の育種を行います。
 特に、食用対象のギンヒカリに続くブランド化も念頭に、引きが強く、姿形が綺麗な遊漁対象ニジマスの開発を目指します。
 (執筆者:新井 肇)

連絡先

水産試験場 川場養魚センター (電話0278-52-2007)

このページについてのお問い合わせ

農政部農政課
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-3028
FAX 027-223-3648
E-mail nouseika@pref.gunma.lg.jp