本文へ
表示モードの切替
印刷

人工授精および受精卵移植への新型注入器(モ5号)の利用による受胎率向上

研究のねらい

 酪農では雌子牛を安定的に確保するため、雌選別精液の利用が進んでいます。しかし、雌選別精液は、1本のストローに封入される精子数が通常精液より少ないため、人工授精の受胎率が低下することが知られています。
 雌選別精液や受精卵移植では、精液や受精卵を子宮の最深部へ注入すると受胎率が向上することが明らかになっています。しかし、一般的なシース管式注入器を使用した場合には注入器の長さが短いため、最深部への注入には経験と技術が必要です。
 そこで、初心技術者でも容易に精液や受精卵を深部注入できる深部注入器(モ5号)をミサワ医科工業(株)と共同開発しました。

技術の特徴


  1. シース管式注入器は、人工授精(AI)用(0.5mlストロー用)と、受精卵移植(ET)用(0.25 mlストロー用)でストローの容積が異なるため2種類の注入器が必要でしたが、モ5号はどちらのストローにも対応しています。また、チューブが15cm伸び押し出す方式なので、誰でも容易に子宮角最深部に注入できます。
  2. 雌選別精液を用いたホルスタイン種経産牛への人工授精で、モ5号を利用すると例数は少なく有意差は認められませんが、受胎率はシース管式の20%に比べ75%と高い成績が得られています【表1】。
  3. ホルスタイン種を受卵牛とした受精卵移植の受胎率も、例数は少なく有意差は認められませんが、シース管式の49.5%に比べモ5号の利用で76%と高くなっています【表2】。
画像:モ5号の特徴
【図】 モ5号の特徴
【表1】 ホルスタイン種経産牛人工授精成績
試験区 精液 授精数 受胎数 受胎率(%)
モ5号 選別 75.0
シース管式 選別 25 20.0


【表2】 ホルスタイン種受精卵移植成績
試験区 移植数 受胎数 受胎率(%)
モ5号 25 19 76.0
シース管式 99 49 49.5

今後の取り組み

 畜産試験場では、さらに信頼度を高めるためモ5号による人工授精・受精卵移植試験を継続実施中です。
 今後はホルスタイン経産牛に黒毛和種の雄選別精液を利用したF1雄の生産や、黒毛和種、ホルスタイン種経産牛の長期不受胎牛への利用も期待できます。

 (執筆者:加藤 聡)

連絡先

畜産試験場 肉牛係(電話027-288-2222)

このページについてのお問い合わせ

農政部農政課
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-3028
FAX 027-223-3648
E-mail nouseika@pref.gunma.lg.jp
迷惑メール対策のため、メールアドレスの一部(@pref.gunma.lg.jp)を画像化しております。