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自然産卵に寄与するヤマメ親魚の放流試験

研究のねらい

 渓流釣りの対象魚として人気のあるヤマメは、主に稚魚の放流により資源の増殖が行われています。しかし、近年の研究で、養殖された稚魚の生残率が自然繁殖魚より低いことがわかりました。
 稚魚放流以外のヤマメ増殖方法の1つとして親魚放流があります。親魚放流とは河川において自然産卵させることを目的に完全に成熟した養殖の親魚を放流する方法で、詳細は岐阜県河川環境研究所(現岐阜県水産研究所)が平成25年2月に発行したマニュアル「アマゴ・ヤマメの親魚放流の方法」に記載されています。
 今回は、このマニュアルに基づいて県内で平成26年に実施したヤマメの親魚放流試験の結果について紹介します。 

技術の特徴


  1. 10月8日に箱島養鱒センターで継代飼育しているヤマメ親魚(平均体重:826グラム)45尾を渡良瀬川支流(桐生市)の約430メートル区間に放流しました。
  2. 放流翌日の10月9日から10月23日のうちの8日間、調査区間を下流から上流に向けて踏査し、放流親魚、ペアリング、産卵床の有無を目視確認しました。ヤマメ親魚のペアリングが10月9日から確認され(写真)、放流後1週間以内に合計12箇所の産卵床を確認することができました。なお、新たな産卵床が確認されなくなった後も放流親魚は生残していました(図)。
  3. 11月4日に産卵床を掘り起こしたところ、発眼卵を確認することができました。この発眼卵の一部を川場養魚センターに持ち帰って養成したところ、稚魚まで順調に成長しました。
  4. 今回の試験では、使用したヤマメ親魚が箱島養鱒センター内で人工授精を繰り返して長期間継代飼育してきた養殖魚であり、河川で順調に産卵行動が行われるか懸念されました。しかし、放流翌日からペアリングが確認されたことから、親魚放流は比較的容易に普及に移せる増殖方法の1つである可能性が示されました。 
ペアリングするヤマメ親魚写真
写真 ペアリングするヤマメ親魚
産卵床数と放流親魚生存数グラフ
図 産卵床数と放流親魚生存数

今後の取り組み

 さらなる技術の改良を行うとともに、普及上の問題点を抽出し、漁業協同組合が主体となって親魚放流が行えるよう検討を重ねていく予定です。
 (執筆者:松原 利光) 

連絡先

 水産試験場 川場養魚センター (電話 0278-52-2007)

このページについてのお問い合わせ

農政部農政課
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-3028
FAX 027-223-3648
E-mail nouseika@pref.gunma.lg.jp