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台風21号に対する農作物の技術対策

平成29年10月18日
技術支援課普及指導室

 台風21号は10月18日6時現在、フィリピンの東に位置し、北東へゆっくりとした速度で進んでいます。日本近海の海水温が高いため、今後さらに発達することが予想されます。
現在、秋雨前線が日本付近に停滞し、そこへ南からの暖かい空気が流れ込み、向こう一週間はぐずついた天候が予想されます。
関東地方に接近するのは来週前半となる見込みですが、県内でも激しい雨と強風が予想されますので、農作物や施設管理の徹底を図りましょう。

共通事項

  • 事故防止の観点から、台風接近に伴うほ場の見回りは早めに行い、通過後は大雨や強風がおさまってから行うこと。
  • 局地的な大雨によるほ場の浸冠水対策として、速やかな排水ができるように事前に備えること。これまで浸冠水したことのある地域については、前例を参考として重点的な対応を図ること。
  • 河川及び用水の増水並びに土砂災害の恐れがあるところでは、作業安全を第一としつつ、適切に対応すること。
  • 薬剤散布にあたっては、農薬ラベルに記載されている使用基準や注意事項を必ず守り、正しく使用すること。

普通作物

1 水稲

(1)事前対策

  • 用排水路の点検・整備を行い、浸水・冠水時の速やかな排水に備える。

(2)事後対策

  • 浸水や冠水の被害を受けたほ場は、速やかな排水に努めるとともに、土砂が流入した場合は速やかに排出し、埋没した稲の回復を図る。
  • 倒伏した場合は、速やかに排水し、成熟状況を確認のうえ早めに収穫して、品質の低下を防ぐ。また、収穫期に品質の状況を確認し、品質低下が認められる場合は、倒伏部分の刈り分けを行う。

2 大豆

(1)事前対策

  • 水田では用排水路の点検・整備を行い、ほ場への水や土砂の流入を防止する。また、排水溝の整備や畔を切るなど排水対策を講じておく。

(2)事後対策

  • 冠水及び滞水したほ場は、速やかに排水対策を講じ、根の機能回復を図る。

工芸作物

1 タラノキ

(1)事前対策

  • 倒伏が予想される風当たりの強いほ場では、あらかじめ杭やロープ等で固定する。
  • 土砂の流出入防止のために排水溝の手直しを行うとともに、必要に応じて土のうなどを設置する。

(2)事後対策

  • 滞水、土砂の流入があったほ場は、速やかに排水対策を講じる。

野菜

(1)事前対策

  • ハウスの被覆資材など傷んでいる箇所は、風雨が吹き込むので修復しておく。また、ゆるんでいるマイカー線の張り直しや基礎の杭等の補強を行う。
  • 雨水がたまりやすいほ場は、事前に排水溝を掘っておく。また、ハウス内に雨水が流入しないように土のう積み等の防水対策を図る。
  • 露地野菜の支柱や誘引線、ほ場まわりの防風網はあらかじめ補強しておく。
  • 果菜類等で収穫期に達しているものはやや早めに収穫し、被害を最小限に抑える。
  • ほ場周辺で飛ばされる恐れがあるものは片付けておく。

(2)事後対策

  • ハウス内やほ場に浸水した場合は、速やかに排水させる。
  • ハウスや支柱・防風網を点検して、損傷箇所があれば早めに補修する。
  • 茎葉の損傷、湿度の高まりにより、病害の発生が助長されるので適用農薬を散布する。なお、薬剤散布にあたっては使用基準をよく確認して、使用時期の収穫前日数に注意する。
  • 天候回復後、草勢回復のために追肥の施用や液肥の葉面散布を行う。
  • 排水後、土壌表面が固結しているほ場では、土壌が乾燥して、ほ場に入ることが可能になったら土壌表面を浅く中耕する。
  • 果菜類では、被害を受けた果実を摘果して草勢回復を図る。
  • ネギが倒伏した場合はできるだけ起こし、軟白部が曲がるのを防ぐ。
  • 育苗中や生育中の果菜類などでは、台風通過後に天候が急激に回復すると、ハウス内が高温となるので、速やかに天窓や側窓の換気を行う。また、遮光ネット等を利用し、強光による葉焼けを防止する。
  • 台風通過後に収穫した野菜は、流通中に発生する荷傷みや腐敗の発生を防止するため、傷みがないか良く確認しながら調製作業を行う。
  • 露地野菜で、播種直後から生育初期で被害が大きく回復の望めないほ場は、まき直しを行う。

果樹

(1)事前対策

  • 多目的防災網や防風ネットの張りを点検し、緩んでいるワイヤ-や紐は張り直して、ネットがずれたり、飛ばされたりしないよう補強する。また、ネットが破れている部分は補修する。
  • トレリスは隅柱、中柱の横ぶれ、架線の張り等を点検し、必要に応じ締め直す。
  • 雨除け施設は、ビニールが飛ばされないように補強するか、場合によっては除去する。
  • 幼木やわい性台リンゴ樹は、支柱や添え木を点検し、不備な場合は支柱や紐を取り替えるなどの補強をする。また、成り枝(結果枝)は台風襲来の直前に支柱や吊り紐を外して風になびくようにする。
  • 高接ぎした樹では、接いだ部分から折れやすいので添え木で保護する。
  • 収穫期に達しているものは事前に収穫を完了し、被害を最小限に抑える。
  • 園内に水が溜まらないように排水溝を掘る等、十分な排水対策を行う。

(2)事後対策

  • 果実のすり傷、葉の裂傷等から病害発生のおそれがある場合は、速やかに適用薬剤を散布する。なお、薬剤散布にあたっては使用基準をよく確認して、使用時期の収穫前日数に注意する。
  • 浸水・滞水している園では、速やかに排水溝を掘るなどして排水に努める。
  • 倒伏や傾いた樹は、回復可能なものは出来るだけ早く起こし、盛土、支柱で固定し、地下部とのバランスをとるために適宜枝の切り詰めを行う。
  • 枝が裂けた場合は、針金、ボルト等で固定する。回復不能な場合は切り落とし、切り口は塗布剤で保護する。
  • 枝の損傷や落葉が甚だしい樹では、果実肥大や品質が低下するので再度着果数の見直しを行う。
  • 落葉が激しい場合は、幹や太枝に石灰乳等の白塗剤を塗布し、日焼けを防止する。
  • 樹勢回復を目的とする追肥は、被害直後には行わず、礼肥の時期に樹勢に応じて施用する。

花き

(1)事前対策

  • 湿害の発生しやすいほ場では、周囲に排水溝を設け、速やかに排水できるようにしておく。また、ハウス内に雨水が流入しないように、必要に応じて土のう積み等の防水対策を図る。
  • ハウスの被覆資材で傷んでいる箇所は、風雨が吹き込むので修復しておく。また、緩んでいるマイカー線の張り直しや基礎の杭等の補強を行う。

(2)事後対策

  • ハウス内に冠水、浸水した場合は、速やかな排水に努めるとともに、病害予防・肥培管理を的確に行い生育の回復に努める。
  • 切り花類の倒伏したものは、できるだけ早く起こし、茎や花穂の曲がりを防ぐ。
  • 枝物類・切り花類では、強風によって折損した茎葉の整理と薬剤散布を的確に行い、病害の発生を防止する。

畜産

1 飼料作物

(1)事前対策

  • 降雨により、草地や飼料畑に水や土砂が流入する恐れがある場合は、防水や排水対策を実施する。
  • 飼料イネについては水稲の項を参照。

(2)事後対策

ア 飼料イネ
  • 水稲の項を参照。
  • 倒伏した場合、サイレージとしての品質が落ちるので、ほ場の状態を確認しながら収穫を行う。収穫は、土砂の混入を避けるため高刈りとし、乳酸菌等を添加しながら良質なサイレージ調製を行う。

2 畜舎及び付属施設等

(1)事前対策

  • 畜舎の風雨被害を防止するため、屋根や窓、入り口の点検を行い、必要があれば補修や補強等を実施する。雨や風が畜舎内に吹き込まないように戸締まりを行う。
  • 堆肥舎やハウスかく拌処理施設への風雨被害を防止するため、施設の事前点検を実施し、窓や入り口は戸締まりを行う。雨水の施設内流入や尿汚水が流出しないよう施設及び堆肥の管理を行う。
  • 飼料庫、農業機械・器具格納庫
    風雨被害を防止するため点検を行い、必要があれば補修や補強を実施する。飼料、農業機械・器具は、雨にさらさないよう管理する。

(2)事後対策

  • 雨が畜舎内に吹き込んだ場合は、敷料等の交換を行って畜舎内を乾燥状態に保つ。
  • 飼料養分の低下した飼料作物を給与する場合にあたっては、栄養価、嗜好性にも配慮し、家畜の生産性が低下しないように注意する。

このページについてのお問い合わせ

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