特集 次世代を支える産業の創出1

県内産業の特徴
群馬県は自然が豊かで災害も少なく、東京から約100km圏に位置しています。また高速道路や新幹線などの高速交通網が整備され、産業が発達する立地条件に恵まれています。
産業構造で見ると、本県は製造業が中心で、製造品出荷額に占める自動車などの輸送機器の割合が高いことが特徴です。これは、愛知県に次いで全国で2番目に高い割合です。
また製造業に関わる事業所の約98%は中小企業であり、県内経済は多くの中小企業に支えられています。これらの中小企業は、金型や鋳造、切削加工など「ものづくり」の基盤となる技術を持ち、それが群馬の産業の強みであるといえます。
26年県製造品出荷額構成比

- 輸送機器 37.7%
- 食料品 8.5%
- 業務用機器 7.0%
- 化学 6.5%
- プラスチック 5.9%
- 飲料・飼料 5.5%
- 金属製品 4.7%
- 電気機器 4.4%
- 鉄鋼 3.2%
- 電子部品 2.7%
- その他 13.9%
出典:工業統計調査(経済産業省)
成長が期待される産業分野
本県の産業を取り巻く環境は大きく変化しています。経済活動のグローバル化が進展する中で、国際的な競争が激しくなっています。併せて、企業の生産拠点の海外移転などによる国内産業の空洞化が進んでいます。
また地球温暖化が進む中、環境への負荷が少ない新エネルギーの需要も高まっています。さらに、本格的な人口減少や高齢化により、労働人口の減少や経済の縮小が懸念されています。
このような状況に対応するため、新たなニーズに対応した技術や製品を開発し、市場を開拓しようとする動きが広がっています。例えば、ロボットなどの先端技術や医療・介護分野での新製品・サービス、石油などの化石燃料に代わるエネルギーの実用化などは、今後成長が見込まれる産業分野といえます。
次世代産業の振興
県内産業の特徴や強みを生かしながら地域経済を成長させていくため、県は今後成長が見込まれる産業分野への参入を促進したり、新製品・技術の開発に取り組む企業を積極的に支援したりしています。
23年には、県内企業や研究機関、金融機関などと連携して「県次世代産業振興戦略会議」を立ち上げ、重点的に推進する産業分野を定めました。また25年に「県次世代産業振興戦略」を策定し、さまざまな施策を推進しています。
重点産業の中には、製造業を中心とした「ものづくり」に関する産業や豊かな自然・温泉など県の魅力を生かした観光振興、コンベンション関連産業があります。
県は、これらの産業への参入を目指す企業に対し、市場情報の提供や研究開発・販路開拓の支援などを行っています。
次世代産業分野における企業の取り組みや県の支援策を紹介します。