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特集 「絹の国ぐんま」~未来に引き継ぐ宝~3

製糸

碓氷製糸株式会社

 全国に2カ所しかない器械製糸場の一つで、昨年5月に碓氷製糸農業協同組合から組織変更し、株式会社として発足しました。
 高品質な生糸の生産により、蚕糸業と絹文化の継承に重要な役割を担っています。そのため県や富岡市、安中市、JA碓氷安中などが出資して経営基盤強化に取り組んでいます。

安中市にある碓氷製糸の高木社長(※注)にお話を伺いました。

(※注)「高」は「はしごのたか」だが、機種依存文字のため「高」と表記

高木賢(まさる)さんの写真
高木賢(まさる)さん

国産生糸を全国に

 「当社は、昭和34年に前身の碓氷製糸農業協同組合として設立し、以来60年近く製糸工場として営業してきました。
 主な事業は、生糸やその副産物であるきびそと呼ばれる節の多い糸、生糸を原料とする絹製品の製造・販売です。
 県産繭を中心に国内で生産された繭だけを生糸に加工し、北海道から沖縄県まで全国約90社の生糸問屋や絹織物工房などに販売しています。
県内の生糸は全て当社で製造しています。年間の生産量は約12・5トン(28年度)で、これは全国の約6割を占めます」

蚕糸業を継承していくために

 「生糸の等級にはDから6Aまであり、繊度偏差(太さのばらつき)や節点(節の多さ)、強度などの検査項目があります。最も高品質な6Aの生糸は、主に高級呉服などに使われます。
 当社では、昨年から高品質な生糸を製造するための繰糸機を実用化しました。6Aの生糸を製造できるのは国内で当社だけです。
 最近では海外から多くの生糸が輸入されていますが、これからも品質の良い国産生糸を作り、それに見合う価格を実現することで、経営の安定や養蚕農家の収益の増加を図っていきたいです。
 絹は吸湿性と透湿性に優れ、衣類にすると夏は快適で冬は暖かいという特長があります。多くの人に絹製品の良さを知ってもらい使ってほしいですね」

ぐんまシルク認定制度

 県は「ぐんまシルク」のブランド化を進め、市場競争力の向上を図るため、ぐんまオリジナル蚕品種を使った高品位の生糸や絹製品を認定しています。

ぐんまシルク認証マーク画像
ぐんまシルク認証マーク

【群馬シルク認定絹製品】

世紀二一(せいきにいち)の写真
世紀二一(せいきにいち)
世紀二一を使用した着物の写真
世紀二一を使用した着物
ぐんま黄金(こがね)の写真
ぐんま黄金(こがね)
ぐんま黄金を使用したよろいかぶとの写真
ぐんま黄金を使用したよろいかぶと

ぐんまオリジナル蚕品種

 県は特徴ある八つの蚕品種を育成・普及しています

  • 世紀二一(せいきにいち) 染色性に優れ、染め上がりが美しく、気品と風合いがあります
  • ぐんま黄金(こがね) 光沢があり、鮮やかな黄金色をしています

 この他「ぐんま200」「新小石丸」「新青白(しんせいはく)」「蚕太(さんた)」「上州絹星(じょうしゅうけんぼし)」「ぐんま細(ほそ)」があり、繭糸の太さや色、糸のほぐれやすさ、染色性の良さなどに特長があり、高級呉服や洋装品、ニット製品などに幅広く使われています。

絹製品

絹の新たな可能性

 絹織物だけでなく、独自の技術を生かして新たな絹の活用に取り組む企業もあります。
 桐生市にある刺しゅう会社の笠盛は、8年前に自社の刺しゅう技術を生かし、絹糸だけで作るアクセサリーブランド「トリプル・オゥ」を立ち上げました。
 28年度には県内の優れた工業製品などを県が選定・推奨する「グッドデザインぐんま」大賞を受賞しました。

大賞を受賞した「トリプル・オゥ」 ペアデザインの蝶タイとネックレスシリーズの写真
大賞を受賞した「トリプル・オゥ」 ペアデザインの蝶タイとネックレスシリーズ

 絹の新しい活用方法について、笠盛の笠原社長にお話を伺いました。

笠原康利さんの写真
笠原康利さん

時代に合った商品開発

 「当社は、明治10年に織物業として創業し、140年の歴史があります。
 着物や帯の需要が減ってきたため、昭和34年から業態を織物から刺しゅうへ転換しました。現在は主に着物や帯の他、洋服の刺しゅう加工をしています。
 『トリプル・オゥ』は、絹糸の特長である美しい光沢や軽さ、肌なじみの良さを生かして作ったアクセサリーブランドです。時代のニーズに合わせて、チャレンジする精神で自社製品の開発に取り組んでいます。
 自社製品は、付けた値段に対して消費者が認めてくれないと売れないという厳しい面もあります。しかし、アイデア次第で面白い商品が作れるところは、仕事をしていて一番楽しく、やりがいがあります」

絹の良さを感じてほしい

 「27年度から県の『校旗を作ろうプロジェクト』に協力しています。これは、子どもたちが飼育した蚕から取った生糸で校旗を作る事業です。
 当社は、校旗に校章や子どもたちが描いたイラストを刺しゅうしています。回を重ねるにつれて、凝ったデザインの依頼が増えてきました。大変な面もありますが、子どもたちが喜ぶ物を作りたいという思いでやっています。
 子どもたちが自分で蚕を育て、旗を作った経験を通して、絹布の手触りの良さや刺しゅうの楽しさを感じてもらえるとうれしいです。そのことは、将来の絹業にもきっと良い影響があると思います」

ジャガード機で校旗に刺しゅうをする様子写真
ジャガード機で校旗に刺しゅうをする

校旗を作ろうプロジェクト

 県内50の小学校で児童が育てた蚕の繭から校旗を作ります。
 碓氷製糸で繭を生糸にし、桐生市内の織物・刺しゅう業者が連携して校旗に仕立てます。
 今年で3回目となり、次世代を担う子どもたちに養蚕・製糸・織物の絹文化を体験してもらうことを目的としています。

1月に県庁で展示された新しい校旗の写真
1月に県庁で展示された新しい校旗

特集全体の問い合わせ先

  • 蚕糸業について…県庁蚕糸園芸課 電話 027-226-3092 FAX 027-243-7202
  • 「グッドデザインぐんま」について…県庁工業振興課 電話 027-226-3352 FAX 027-221-3191
  • 「校旗を作ろうプロジェクト」について…県庁世界遺産課 電話 027-226-2328 FAX 027-224-2812

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このページについてのお問い合わせ

総務部広報課
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FAX 027-243-3600
E-mail kouhouka@pref.gunma.lg.jp
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