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【平成25年7月】海外展開事業者インタビュー第2弾 海外にチャレンジ!(株式会社キャニオンズ代表取締役 マイク・ハリス氏)

第2回 みなかみを世界のアウトドアスポーツのメッカに!~森と水と大地の恵みに感謝!ニュージーランドから来たマイクさんの飽くなき挑戦~

 第2回目は、みなかみ町でラフティング・キャニオニングといったアウトドアスポーツの普及に取り組み、海外からの誘客(インバウンド)に成功している、株式会社キャニオンズ代表取締役マイク・ハリスさんにインタビューをしました。

 世界のアウトドアを知り尽くしたマイク代表が描くみなかみの未来とインバウンドの今後に迫りました。

みなかみで活動を始めたきっかけは?

 日本に来て、最初は白馬に住んでいましたが、そこで出会ったニュージーランド人にみなかみのことを教えてもらい、95年の春に初めてみなかみに来ました。電車から降りたら、山に囲まれて、川が流れていて、ここでラフティングを体験したら、すごい!と、ここは世界的レベルだなと思ったのです。

 また、みなかみは利根川など川が本当に素晴らしいと思いました。原生林も多くバイオ・ダイバーシティ(生物多様性)に富んでいる。他の地域は杉が多く植えられており、そのままの森の姿は実は少ないのです。多様な動植物があるため水もとてもおいしいです。四季すべて存分に味わえ、山も最高。資源はワールドクラスだと思います。

マイクさん1:写真

キャニオンズとは?

 アドベンチャースポーツを体験してもらう場所として、私がスタートさせました。現在、スタッフの半分は外国人です。夏場はラフティング、キャニオニングといったウォータースポーツを、冬場はスノーシューやスノーモービル、英語でのスキーレッスンなどをしています。2000年より本格的なキャニオニング・ツアーをスタートさせ、現在では水上エリア、草津エリア、赤城エリア、奥多摩エリア、白馬エリア、山梨エリア、新潟エリア、四国エリアと日本全国各地にてコースを開拓し続けながら営業展開しています。また国内外を問わずプロガイド達に対するレスキュー講習会やフィールドに特化した救急救命講習会などを開催しています。

 安全で、かつ世界最高レベルのアドベンチャースポーツを体験してもらいたいと思っています。

外国人のお客さんはどのくらいですか?

 現在、夏のお客さんの約2割、冬のお客さんの約8割が英語圏からのお客さんです。夏はアメリカ、ヨーロッパ、オセアニアから、冬はスキーを目的にシンガポールや香港、タイなどのアジア圏からのお客さんが多い傾向にあります。特に、タイは増加傾向にあります。

 東日本大震災直後、お客さんは激減しましたが、現在だいぶ戻ってきています。昨今の円安で海外のお客さんは増加傾向にあります。

来てくれた人たちの反応はどうですか?

 みなかみの自然や雪質にはとても満足してくれています。みなかみはアクセスも良く、雪質も良いですし、天気も安定しています。また近辺には数多くのスキー場があるので、雪のコンディションでスキー場が選べることも大変ありがたいです。

 しかし、まだまだ尾瀬や旅館には英語表記や英語での情報等が少なく、個人で旅行を手配するにはハードルが高いと感じています。

キャニオンズ:写真

海外のお客さんへの広報はどのようにされているのですか?

 海外へはインターネット、そしてFacebookを使った広報をしています。ホステルウェブサイトなど英語のウェブサイトなどにも掲載しています。

 また、海外からの取材もあります。海外にはアドベンチャースポーツ専門の雑誌があり、なるべく広告ではなく、取材に来てもらいたいと思っています。

 国内の外国人にはぜひFacebookに今日の体験をシェアして下さいとお願いしています。SNSを利用し、どんどん広げていきたいと思っています。

 またロンリープラネットやラフガイドといった旅行雑誌への掲載や取材も積極的に依頼しています。

 更に、もう一つ力を入れているものとして東京からの観光誘客があります。東京駅にTIC(Tourism Information Center)ができ、海外のお客さんがたくさん行くようになっています。現在、そこで、キャニオンズの映像を流してもらっています。

 海外からの旅行客の多くは、東京で大体3~4日を過ごします。そうすると1日位郊外の自然と温泉を体験したいという方がいます。現在、日光やバスツアーで富士山というものがありますが、その中にみなかみもオプションとして入れたいと思っています。多くの海外旅行客はジャパンレールパス(JR各社の鉄道・路線バスが乗り降り自由で利用できる特別企画乗車券)を持っていますので、みなかみは東京から近い自然としてチャンスがあります。

 また、東京の5つ星ホテルに集中的にセールスを行っています。5つ星ホテルにはコンシェルジュがおり、予定の決まっていない旅行客、急に一日空いてしまったような東京滞在のビジネス客は、コンシェルジュに相談し、予約までしてもらう人が多いからです。やみくもにパンフレットをホテルに置いてもらうだけでは、そこで終わってしまいます。コンシェルジュが関わり、手配までしてくれることで、実際の誘客につながる確率は格段に上がると思っています。

海外のお客さんの特徴はどのようなものがありますか?

 冬のスキー教室は雪が降らない暖かい地域からのお客さんに大変人気があります。

 特徴としては、シンガポールや香港は比較的スキーを覚えたいという人が多いです。タイはアクティブな体験はあまり好まず、雪を見たいと思って来てくれる人が多いと感じています。

 インターネットで検索して来てくれる個人客も多いですが、その多くは湯沢などに行き、みなかみの認知度はまだまだ高くないと感じています。

 そのため、みなかみではインターナショナルスクールの教育旅行をターゲットとして、多く受け入れています。

マイクさん2:写真

なぜインターナショナルスクールなのですか?

 インターナショナルスクールからの誘客はとても魅力的なマーケットだと感じています。現在、東南アジアのインターナショナルスクールは主に修学旅行先としてヨーロッパに行くか、日本に行くかという選択が一般的なようです。

 時期も夏は6月や10月、冬は12月初旬、2月から3月に多く来ており、一般のお客さんの繁忙期からはずれて来てくれているので、その点からも大変ありがたいです。

 最近は東南アジアの経済力の高まりとともに、各地でインターナショナルスクールも増加しています。日本と同じように、東南アジアでも都市部では外国人だけでなく、インターナショナルスクールで英語を学ばせたいと思うその国の親も入学させる傾向にあります。そのため、年間に5%の割合でそのマーケットは拡大しています。子供達が教育旅行で体験したことを親に伝え、そこから、より多くの人にみなかみの魅力を知ってもらい、家族旅行での誘客にもつながればと思っています。子供が来たことのあるみなかみに、今度は家族旅行で来て、高級旅館に泊まってもらう。そこからみなかみ地域全体に経済効果が広がって行くことも考えられます。将来的にも大きな可能性があると感じています。

 インターナショナルスクールの多くが、ただアクティビティを体験するだけでなく、日本の文化交流や、川の清掃といったCSR(企業の社会的責任)のようなコミュニティサービスプログラムも体験の中に入れることも希望しています。現在は、和太鼓ワークショップを開催するなど、主に当社の宿泊施設で実施していますが、今後、例えば田植えや稲刈り、植樹、尾瀬散策など、この豊かな自然環境や文化環境を生かしたプログラムや、地域の学校との交流など、地域の協力も得ながら、広げていけたらと思っています。 

インターナショナルスクールへのアプローチはどうされていますか?

 インターナショナルスクールの先生はいろいろな地域の学校を回っている人が多いので、まず、日本のインターナショナルスクールを訪問し、知り合いを紹介してもらうところからスタートしました。教育旅行は通常のツアーとは異なり、どの地域も厳しい手続が必要とされるため、実績のあるところに信頼が寄せられます。一度有名な学校の実績を作ると、先生同士のネットワークで噂が広まり、他校にも広がっていくという印象を持っています。

長年の海外誘客のご経験から、今、心掛けていることは何ですか?

 アドベンチャーをしながら日本とみなかみの文化を知ってもらうことを大切にしたいと思っています。日本に来る外国人の多くは、日本の文化を知りたいというのが一番の理由だと思います。

 ワールドクラスのアドベンチャーをしながら、この地域の歴史や文化を知れる形にしていくことが望ましいと思っています。

キャニオニング:写真

自然という資源とみなかみの文化、そしてアドベンチャーにどのような可能性を感じていますか?

 まず、夢としてはラフティングの世界大会をいつか開きたいと思っています。本当にすばらしい資源がみなかみにはあります。世界大会をすると、自然が好きな人が世界中から集まります。自然を守りながら、楽しむ文化を更に深めたいと思っています。

 しかし、まだ実現には遠いと感じています。まず、自然保護団体等の調整もありますし、実現には行政の協力が不可欠ですが、意思決定には時間がかかると感じています。ニュージーランドも環境面では規制がすごく厳しいのですが、今は実現しています。

 行政は一年単位で物事が動いており、20年後、30年後のビジョンを描きにくいと感じます。コンサルタント等に依頼し自然と文化等を徹底的に調べ、住民の意見を組み入れながら、政策を作り上げていくような、意思決定プロセスが理想です。

 私がここで始めた20年前と比べ、だいぶ周りの反応も変わってきました。これからも、地域の人に理解を得ながら進めていきたいと思っています。

今後の展望を教えて下さい。

 資源はワールドクラスなので、みなかみをアドベンチャーツーリズム「日本一」ではなく、「世界一」にしたいと思っています。モデルとしては私のニュージーランドにあるクイーンズタウンのような形です。それをみなかみの文化に合わせた日本のバージョンで作りたいです。課題はいろいろありますが、このすばらしい資源があり、この資源を有効に使った町になって欲しいです。

 また、群馬県の人にもっとみなかみを知ってもらいたいと思っています。現在、お客さんは東京、神奈川、埼玉、千葉が多いですが、今年から「群馬リフレッシュキャンペーン」を始めました。もっと群馬の人に地元へのプライドを持ってもらいたい、そしてそれをもっと外に発信してもらいたい、その思いから6月~7月にかけて、群馬県民向けの特別割引も実施しました。

 多くの人にリフレッシュできるものを広め、みんなに開放感を与えたいです。そうすれば、みんなのやる気につながるし、体験後、現実社会に戻った時に、周りの人たちに、「あっ、リフレッシュしているな」と思われれば、周りにも気持ちが伝わると思います。

 水を、自然を大事にしましょうと、50年後、100年後も同じ場所で同じように、次の世代が遊べるようにしていきましょうということを広めるため、まだまだ挑戦していきます。

 (平成25年7月取材)

マイクさん3:写真

プロフィール

マイク・ハリス
 1973年、ニュージーランド生まれ。大学にて日本語と会計学を学ぶ。
 大学在学中に初めて来日し、卒業後、群馬県みなかみ町のアウトドア会社に就職。勤務先会社内にキャニオニング部門を設立し、全国に先駆けて本格的なキャニオニングツアーを開始。2004年に独立し、株式会社キャニオンズを設立した。
 仕事以外でも、まだ誰も下ったことのない渓谷を探してはキャニオニングアドベンチャーをしている。
 日本人の妻と2男、1女の5人家族。

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