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平成25年度第35回群馬県公共事業再評価委員会議事録

更新日:2013年8月2日 印刷ページ表示

開催日時

平成25年8月1日(水曜日) 13時30分から14時50分

開催場所

群馬県庁7階 審議会室

議案

県審議事業

第1号議案 国道354号 玉村伊勢崎バイパス 社会資本整備総合交付金事業(道路改築)
第2号議案 国道354号 大泉邑楽バイパス 社会資本整備総合交付金事業(道路改築)
第3号議案 都市計画道路 渋川高崎線 社会資本整備総合交付金事業(街路)
第4号議案 都市計画道路 伊勢崎桐生線 社会資本整備総合交付金事業(街路)
第5号議案 林道 吾嬬山線 農山漁村地域整備交付金事業

審議議案

(委員長)
 本日の対象議案は県関係5事業です。
 本日の委員会の進め方は、重点審議事業を中心に審議していきます。
 重点審議事業につきましては、事前に委員の皆様に選定していただいた重点審議事業候補の中から、第1号議案 国道354号 玉村伊勢崎バイパス 社会資本整備総合交付金事業、第5号議案 林道 吾嬬山線 農山漁村地域整備交付金事業の2事業に決定させていただきました。
 本日は、この2事業を重点的に審議し、その他の事業は簡略な審議をしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 始めに、第1号議案 国道354号 玉村伊勢崎バイパス 社会資本整備総合交付金事業の説明を求めます。
 なお、説明にあたりましては簡潔明瞭にお願いします。

重点審議

第1号議案 道路改築事業 国道353号 金井バイパス

道路整備課 議案書により説明

【質疑・応答】

(委員)
費用便益分析について、平成19年度は2車線道路として40年評価、平成25年は4車線道路として50年評価としているのですか。

(道路整備課)
そのとおりです。

(委員)
その割には、走行時間短縮便益が大きいと思うのですが。評価時の単価が2/3程度に下がっていると思うのですが、前回に比べ倍くらいになっています。かなりの交通量が発生しているのだと思いますが、どの位の交通量になっていますか。

(道路整備課)
現在の推計交通量は、31,300台となっています。

(委員)
何年のデータですか。

(道路整備課)
平成17年センサスに基づき推計しています。

(委員)
平成19年の時の推計交通量はどの位だったのですか。

(道路整備課)
平成19年は、2車線で14,200台です。

(委員)
交通量が倍になっているため、便益も倍になっているということですね。
でも、時間価値は平成19年に比べ下がっているはずですが、それを考慮しても交通量の増加分が大きいと言うことですね。

(道路整備課)
そのとおりです。

(委員)
この道路が開通すると交通はスムーズに流れると思いますが、在来のまちの小さな道路では交通量は減少します。そのことによって被る損失も考慮すると、B/Cの中身として、どの位のマイナス点があるのか、教えてください。

(道路整備課)
国道354号の現道の状況は、館林市、大泉町、境町、玉村、群馬の森付近は相当渋滞していて、渋滞損失が高いという事実があります。
委員がおっしゃるとおり、市街地での交通量が減ることによって、市街地の商店街等が減収となるのではないかということですが、その分をマイナス要素として計算しておりません。
国道354号としてはこれまで相当に交通交雑しており、地域の移動性を阻害してきていました。それを考えれば、バイパス整備は、渋滞緩和により相当効果のある事業であると考えています。

(委員)
渋滞することがマイナスということではなくて、例えば渋滞するのがお昼時であれば、近所のコンビニとか食堂とかに昼食のため落とすお金があるわけです。そのことをもっと重視する必要があるのではないでしょうか。旧市街地がどんどん寂れて行くことを無視できないと思います。単に渋滞問題ではなくて地元に落とすお金が減少するのは間違いない訳で、沿線の商店の経営は厳しくならざるを得ないことになります。そういう意味でのマイナスをどの程度換算しているのでしょうか。

(道路整備課)
繰り返しになりますが、伊勢崎・太田・館林地域は、県内の製造業を牽引する地域で、大型車の通行が多い地域であります。そのドライバーがコンビニ等に立ち寄って弁当を買っている現状はありますが、それよりもこの道路については、片側1車線で狭くて渋滞しているマイナス効果の方が相当大きいと認識しています。元々この道路は生活道路としての性格ではなくて、渋滞を大幅に改善するバイパス計画だと考えています。
道路によっては、委員がおっしゃるような性格の道路もありますが、東毛広幹道につきましては、元々、県の経済を牽引する工業地帯の中の道路であるため、既存道路が大型車で渋滞するのを解決する手段と考えており、さらに県経済を牽引するためのネットワークを作る道路であると考えています。

(委員)
その基準だけでは問題ではないかと指摘しているのです。もう一つ新しい基準として旧市街地の衰退というのも考慮しなければならないと思います。
もう一点ですが、今回の全体事業費に対して借入金の占める依存割合はどの位でしょうか。

(道路整備課)
この事業は、社会資本整備総合交付金事業で、55パーセントが国費、残り45パーセントが県費となっています。県費は一般財源と県債となっています。県債の占める割合は、県の財政課でバランスを考慮して決めています。

(委員)
県債分はどれくらいですか。

(道路整備課)
それは財政当局が税収を見ながら決めているのでわかりません。

(委員)
現在国全体で1,000兆円を超える借金があります。他の国と比べてもかなり深刻な状況です。いつパンクしてもおかしくない状況です。
そのような状況の中、群馬県の財政は他の県から比べるとまだいい方ですが、いつ巻き込まれるかわかりません。
借金がどの位なのか、金利コストはどの位なのかを考慮しないと、単純に渋滞が解消するからB/Cが高く出たということにはならないと思います。もう一つ突っ込んだ評価基準などを考慮する必要があるのではないかと思います。
これからは、県債という形での金利コストの問題を、データとして出していただければと思います。

(道路整備課)
今のご質問に回答になりませんが、借金をして何もなくなる訳ではなく、建設国債的なものでありますから、社会資本として資産が残ります。借金といっても、それに担保すべき資産・財産が残ります。委員がご指摘する意味は理解できますが、借金であっても、将来にわたり利用できる社会資本を作っているのです。

(委員)
建設国債と言っても、金利コストがかかっていますから、継続的に返済しなくてはならないのです。整備したインフラは売却できません。有料道路なら別ですが、単純ではありません。やはり金利コストは踏まえる必要があると思います。
それはそれとして数字で出すことが必要です。それによる波及効果(例えば税収の自然増とか)も出してもらえば一番いいのです。

(委員長)
データが無いのでこれ以上は議論しても仕方ありません。
事業費などは、その内訳などを明示できればもう少し議論が進むのではないかと思います。

(道路整備課)
国費の部分は明確でありますが、それ以外の部分については年度により変わっています。

(委員長)
おおざっぱでいいと思います。

(道路整備課)
財政と相談してみます。
また、既存市街地対策としての取り組みを示した資料を作成しました。
群馬県ではまちづくりビジョンを策定し、道路の性格が、都市間を結ぶ大きな道路もあれば、まち内の病院や買い物に行くための道路もあるということで、まち全体として施設をどの様に整備していくのかを、昨年から検討を始めたところです。
決して県が車の流れをバイパスに全て誘導して、郊外型開発を行い、中心市街地の空洞化を黙認しているわけではなく、既存市街地の対策の取り組みについても行っております。

(委員)
調書の説明の中で、雇用の確保とあったが、それは工事に関わる雇用ですか。

(道路整備課)
平成24年度の工業立地面積は群馬県が全国一位となっております。件数でも全国で3番目です。社会インフラである道路を利用して、製造業や流通系の団地などを誘致することにより雇用を確保するという意味です。

(委員)
この道路は群馬県の幹線道路であり、産業道路的な形で、産業の振興に大きく貢献する道路だと考えています。完成すれば沿線にいくつか工業団地等できるはずですが、産業界はこれを待っています。現在は産業を立地する用地が不足しているのが現状です。一日でも早く完成していただきたいと思います。

(委員)
開通している区間の道路は、暫定的な開通ですか。

(道路整備課)
一部4車線で整備している区間はありますが、現在は暫定2車線で平成26年度の開通を目指しています。平成29年度までに全線4車線化する予定です。
今回の区間につきましては、暫定2車線で整備を進めてきておりましたので、引き続き4車線化事業に着手するものです。

(委員)
地域によって交通量に違いがあると思いますが、交通量はどこを基準に計測しているのですか。

(道路整備課)
交通量調査は5年に一度、全国的な調査を行っています。路線ごとにポイントを決めて計測しております。今回の玉村伊勢崎バイパスでは、利根川にかかる五料橋の玉村側にポイントがあり、交通量を計測しています。
そのデータを用いて、将来交通量を推定しています。

(委員長)
事業費の内訳に関しては、次回から対応することで少しずつ内容を進化させ、よりよくしていきたいと思います。

(道路整備課)
どのようなものができるか、検討したいと思います。

(委員長)
それでは1号議案国道354号玉村伊勢崎バイパス社会資本整備総合交付金事業)の対応方針を決めたいと思います。原案としては、事業継続となっています。原案通り決定してよろしいでしょうか。

【異議なしの声】

(委員長)
それでは原案通り、決定することとします。

第5号議案 林道 吾嬬山線 農山漁村地域整備交付金事業

林政課 議案書により説明

【質疑・応答】

(委員長)
木材生産等便益については、何年間に渡る便益なのですか。

(林政課)
 便益が発生する期間は、工事期間中と、事業の完成後40年間の便益を計算しております。

(委員長)
かなり長期間ですね。また、維持管理費というのは、1年間の費用ですか。

(林政課)
 維持管理費につきましては、毎年完成した部分の維持管理費を累積してゆき、事業完成後は全線における維持管理費を40年間計上しています。

(委員長)
 40年間の管理費としては、ずいぶん安いような感じですが。

(林政課)
林道を利用すればするほど、草等が生えなくなり維持費用は安く済みます。また突発的な災害等については、見積もっていません。

(委員)
 森林資源は水を含めて、今後ますます重要な資源となると思います。そういう意味では、単純にB/Cが1.51ということで低すぎるという評価はしたくありません。
 木材生産等便益のなかの、木材の利用・生産増進便益というのは、木材チップ等を一般家庭等でエネルギーとして利用するのを後押しするようなものは、数字として現れないのですか。

(林政課)
 木材生産等便益というのは、大きく分けて3つあります。
 まず、林道ができることによって、木材の生産コストが縮減される便益があります。それから、森林整備を実施しても、林道がなければ木材の運び出しができず、切り捨ててしまうことになりますが、林道ができることによって、木材が利用できる便益が発生します。最後に、林道ができることによって、これまで伐採の対象とならなかったものが伐採できるようになり、木材の生産が増進される便益があります。

(委員)
 さらに、もう一つ先に、たとえば民間の企業とかベンチャーとかが、発生する便益を有効利用することで、企業が立ち上がったような事例はありますか。

(林政課)
 企業というわけではありませんが、林道ができたことにより木材が搬出できることによって、生産コストが縮減されて、一般的な市場価格よりも安くでき、利益が出せるようになります。木材はチップを始めいろいろな利用方法がありますが、運搬経費がかかるため利用されず捨てられていた木材が多く発生していましたが、林道ができることによって、運搬効率が格段に上がり、本来捨てられていた木材も安く運搬でき、利用効率が上がることになります。
その増進された木材生産の受け皿として、渋川県産材センターを新たに開設しました。建築材等に使われない、捨ててしまうような木材を、チップ化して、製紙用の原料として販売することで利益を得られるようになりました。
渋川県産材センターを開設したことで、木材の利用増進の気運が高まってきています。

(委員)
 森林は、水源の涵養、災害防止、温暖化防止等の機能を持っていると思いますが、この機能を発揮させるためには、道路を作ることによって具体的にどう展開していくのですか。

(林政課)
 森林は年々成長していきますが、とりわけこの地域は利用区域の85パーセントが人工林となっています。人工林の場合は、定期的な間伐が必要となります。間伐しないと木が細く根張りが弱くなり、災害に弱い森林となってしまいます。そこに道路がなければ、定期的な間伐は不可能ですが、道路ができることによって、それが可能となります。その結果、森林整備が進むことによって森林が元気となり、水源涵養便益とか、山地保全便益等が高まっていきます。
 木材を搬出するだけでなく、枝線となる林業作業道が整備され、更に森林の整備が促進されていくということが期待されております。

(委員)
 森林の便益の中に、水源の涵養、災害防止、温暖化防止等の便益を全部含めて計算しているのですか。

(林政課)
 それは、森林の公益的便益に含まれていまして、大きく分けると3つあります。一つが水源涵養便益で、その中を細かく分けると、洪水を防止する便益と健全な森林が水を貯める便益と水質を浄化する便益があります。次に山地保全便益で、土砂流出や土砂崩壊を防止する便益があります。最後に環境保全便益という、二酸化炭素を固定する便益で、これらを含めて森林の公益的便益として評価しています。

(委員)
 平成19年と平成24年を比べると、森林の公益的便益が減少していますが、どうしてですか。

(林政課)
 森林を整備する代替として、砂防ダムを建設した場合の建設コストに係わる原価償却費の単価が減少したため、このような結果となりました。

(委員長)
それでは第5号議案 林道 吾嬬山線 農山漁村地域整備交付金事業の対応方針を決めたいと思います。原案としては、事業継続となっています。原案通り決定してよろしいでしょうか。

【異議なしの声】

(委員長)
それでは原案通り、決定することとします。

(委員長)
 以上で、重点審議事業の審議は終了しました。
つづきまして、重点審議事業以外のその他の事業について審議することとします。

その他事業

 事前に資料を配付しており、ひととおり見ていただいているものと思いますので、説明は省略し、簡略な審議としたいと思いますので、よろしくお願いします。
はじめに、第2号議案 国道354号 大泉邑楽バイパス 社会資本整備総合交付金事業についてです。

第2号議案 国道354号 大泉邑楽バイパス 社会資本整備総合交付金事業(道路改良)

【質疑・応答】

(委員)
この議案は1号議案と関連はないのですか。

(道路整備課)
この区間についても、東毛広域幹線道路の一部分をなしており、現在2車線で工事中です。引き続き4車線化工事を追加するものです。

第3号議案 都市計画道路 渋川高崎線 社会資本整備総合交付金事業(道路改築)

【質疑・応答】

特になし

第4号議案 都市計画道路 桐生伊勢崎線 社会資本整備総合交付金事業(道路改築)

【質疑・応答】

(委員長)
全体的に何か質問等ありますか。

(委員)
全体的にコストに対してシビアな意識を持つべきだと思います。
費用便益の問題の中に、既存市街地衰退や金利コストについても、組み入れることを、要望としてお願いしたいと思います。

(建設企画課長)
再評価委員会にかける際には、今までのやり方を最大限改善し、コスト縮減がどれくらい図れるかをすべての事業について必ず検討するようにしております。
今回の案件につきましては、大きくコスト縮減している案件もありますが、事業計画の変更により、事業費が増加している案件もあります。内部ではコスト縮減を図っておりますが、数字として表に出て来ませんでした。今回は削減できる事業費は示すことができませんでしたが、事務局としましては、再評価委員会は、できる限りコスト縮減も図る場として考えています。

(委員長)
他に何かございますか。

(委員長)
以上で、その他の事業の審議が終了しました。
それでは、対応方針を決定したいと思います。

原案では、全事業 継続 となっています。
原案通り決定してよろしいでしょうか。

【異議なしの声】
それでは、全事業、 事業継続 とします。

(委員長)
 以上で議案審議を終了します。
群馬県公共事業再評価委員会運営要領第14条により、名簿以外に公表を差し控える資料はございますか。

【特になしの声】

(委員長)
それでは、本日の委員会資料のうち、公表を差し控える資料はなしとさせていただきます。

以上で、次第3の 議事 は終了いたしました。
進行を、事務局に返します。

4 その他

(事務局)
 ご審議ありがとうございました。
 最後に、次第4 その他 です。
今年度はあと1回、委員会の開催を予定しております。
日程等につきましては、詳細が決まり次第お知らせいたしますので、よろしくお願いしいたします。
以上をもちまして本日は閉会といたします。
委員の皆様には、長時間にわたりご審議を頂きまして誠にありがとうございました。

5 閉会

閉会時刻 14時50分

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