リポータートレードマーク(ゆうまちゃん)群馬県民リポーターのページ

リポーター番号19 八田信江さん(伊勢崎市)のページ18


◇ のこぎり屋根のアトリエから[4] 画家・児島新太郎さん、造形作家・守亜和由紀さんの場合(10月18日 桐生市)

のこぎり屋根のアトリエから[4] 画家・児島新太郎さん、造形作家・守亜和由紀さんの場合
 「月は静かに」と題された作品と作者の児島さん
穏かな自然光の下で鑑賞できる趣向
魚類や爬虫類の造形を得意とする守亜さん
冒険心を刺激する守亜さんの世界

 洋画家児島新太郎さん(32歳)は愛知県の出身。金沢美術工芸大学から同大の大学院に進み、群馬県には7年前に大学講師として赴任してきた。これまでに数々の奨励賞を受賞し、日展にも連続入選している。彫刻家丸尾康弘さんと出会ったのは、上毛奨励賞受賞のパーティー会場だった。
 そこで無鄰館の話を知り、さっそくのこぎり屋根を訪れた。そして、その空間に、「金沢で学んでいたときと同じ空気を感じたのです」。美術工芸の街・金沢には、ものをつくりやすい空気があったという。そのころ、時間に追われて絵に集中できなかった児島さんは、一も二もなく制作の場をここに求めた。敷地内にある織物工場だったころの倉庫をリフォームして、居住の場も移すほど。

 「のこぎり屋根の上からの光は、手元がよく見えるのです」。それに、北側の明かりは変化がないので、朝から晩まで絵筆を握れるのだという。こうして週に1枚のペースで、あふれるイメージを次々に作品に。こわれそうなほど透き通っているのに、凛(りん)とした女性像をたくさん描いている。
 「いつも自分にはない高みを夢見る」という児島さん。美しいものには力があり、刹那(せつな)的ではない魅力があると、修業にも似た思いで美を追求する。

 造形作家の守亜和由紀さん(30歳)は北海道生まれだが、高校時代に群馬県に引っ越してきた。群馬大学教育学部で美術を専攻。学生時代には絵や彫刻にも心動かされた。
 現在はウェブデザインなども手がけるが、熱を入れているのはフィギュアの制作。「モデルになるのは生き物です」と言うように、とりわけ魚類や両生類、爬虫類が得意のようだ。シーラカンスをはじめ、アロワナやカサゴなどのカラフルな魚、そしてカエルやトカゲの仲間たちを限りなく本物に近い姿で作り上げる。

 アトリエには、作品を量産するための型・原型の制作に使う粘土をはじめ、樹脂、彩色するペンキや絵の具類。「いかにリアルにするか、それをいつも課題にしている」と言う守亜さんには、モデルの観察も重要な課題になっている。遥かなるアマゾンの大河や熱帯の海の底、ジャングルや砂漠に、したたかに宝石のように生息する生き物。ポツンと置かれた1体のフィギュアは、守亜さんの手から生まれた背景を饒舌に語りかけてくる。

 守亜さんには、もうひとつ得意なものがある。料理だ。なかでも、いろいろな香辛料を組み合わせて作るアジアンテイストのカレーには、定評がある。無鄰館でイベントがあると、その度に守亜製手料理が登場してきた。食を通じて結ばれる共感。それも新しいエネルギーになっていくのだろう。

【写真(上から)】
「月は静かに」と題された作品と作者の児島さん
穏かな自然光の下で鑑賞できる趣向
魚類や爬虫類の造形を得意とする守亜さん
冒険心を刺激する守亜さんの世界

八田信江さんのこれまでのリポート

◇ のこぎり屋根のアトリエから[3] 版画家・難波多輝子さんの場合(2005年10月18日 桐生市)
◇ のこぎり屋根のアトリエから[2] 彫刻家・丸尾康弘さんの場合(2005年10月18日 桐生市)
◇ のこぎり屋根のアトリエから[1] 建築家・北川紘一郎さんの場合(2005年10月18日 桐生市)
◇ 夢の卵と向き合う建築家たち/女子中学生の職場体験から(2005年8月26日 伊勢崎市)
◇ 七夕茶会「梶の葉に想いをこめて」(2005年7月16日 伊勢崎市)
◇ 「世界遺産ミーティング・イン・伊勢崎」に参加して(2005年7月6日 伊勢崎市)
◇ 「女の自立 男の自立」落合恵子さんの講演より(2005年6月26日 伊勢崎市)
◇ 座して見る花菖蒲も風流/旧秋元別邸で「花菖蒲お座敷鑑賞会」(2005年6月21日 館林市)
◇ 古楽器「クラヴィコード」の音色、ご存知ですか?(2005年5月28日 太田市)
◇ 豪農屋敷で「能に親しむつどい」(2005年5月15日 伊勢崎市)
◇ 心を澄ませて香りを聞く/相川考古館で香遊び(2005年5月5日 伊勢崎市)
◇ 春の花レポート伊勢崎編(2005年4月27日 伊勢崎市)
◇ 明治の洋館、市民の集いの場に(2005年4月23日 伊勢崎市)
◇ 上州の地酒が勢ぞろい、「群馬のお酒フェスタ」(2005年4月22日 伊勢崎市)
◇ 伝統文化、次の世代へ/伊勢崎茶道会が大茶会(2005年4月3日 伊勢崎市)
◇ 揺れる明かりのなかで、夜の茶会(2005年3月26日 桐生市)
◇ 骨董市は現代人のオアシス(2004年6月5日 桐生市)


県民リポーターのインデックスページへもどる / 県ホームページへもどる