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リポーター番号19 八田信江さん(伊勢崎市)のページ20
◇ のこぎり屋根のアトリエから[6] ハーブ研究家・北川やちよさんの場合(10月18日 桐生市)
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「私の作品はこの庭なの」と、北川紘一郎さんの夫人やちよさんは、建物の北側に広がるハーブガーデンでにこやかに語った。触れるだけでいい香りがするローズマリーやスイートバジル。緑色の葉をふさふささせるアップルミントやスペアミント。そしてタイム、セージ、ルッコラ、ディル。ここには70〜80種類のハーブが植えてあり、お茶に料理にアロマセラピーにと多彩に使われ、訪れる人に清涼感と安らぎを提供している。
庭に張り出したテラスで、やちよさんがブレンドするハーブティーをいただくのは格別。季節に応じて、次々に咲く白や水色、淡紅色の控えめなハーブの花にも癒される。
このガーデンの敷地には、北川織物時代、女工さんたちの宿舎が建っていた。が、もらい火で宿舎は消失、明治時代に築かれたイギリス積みの煉瓦壁だけが残されたのだという。その赤い煉瓦に蔦が這い、ハーブの庭と調和して、なんだか英国カントリーサイドの風情。上質な憩いの時間が過ごせる、ハーブ研究家の素敵な作品だ。
やちよさんは20歳のとき米国ペンシルバニアに渡り、生化学の勉強をした。そこでの生活のなかで、日本ではまだなじみのなかった香り文化の洗礼を受ける。帰国後、ジャズに造詣の深い北川氏と出会い、アメリカ文化に対するふたりの思いが和音を奏でて結婚した。
ある日、外国製の入浴剤の香りに郷愁を覚え、夫婦そろってハーブへの関心を深めた。昭和のころで、日本ではまだ情報も少なく、留学時代の友人に種を送ってもらって栽培品種を増やしていったという。同時にハーブ教室の講師として香り文化の普及に努め、ハーブ展を開催したり、フランスから空輸したハーブを使ってディナーパーティーを開いたり。「香り文化研究会」を主宰し、健康や快適な暮しに役立つハーブの利用法をアピールしてきた。現在はNPO法人ジャパンハーブソサエティーの上級インストラクターとして、後進の育成に取り組むほか、ポプリ講師、県花トピアグリーンアドバイザーも務めている。
「自然のもっている力はすごいわね。植物を育てていると、そのありがたさが身にしみるの」と言うやちよさん。「なぜってね、手をかけすぎるとだめなのよ」。自ら育つ力こそ大切。自然の摂理ははかり知れないのだからと。無鄰館の「母なる」ミューズ。そんな言葉が思い浮かんだ。
【写真(上から)】
女工さんの宿舎だった跡地が今はハーブガーデンに
もてなしのお茶に料理にフレッシュハーブを使うやちよさん
庭に張り出したテラスではハーブティーが楽しめる
ローズ、ローズマリー、ラベンダーなど見た目も美しいハーブティー
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