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リポーター番号19 八田信江さん(伊勢崎市)のページ24
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伊勢崎市の相川考古館は、「琴を弾く埴輪(はにわ)」(国指定重要文化財)など貴重な考古・歴史・民俗資料を収蔵しています。建物は江戸時代に町役人を務めた相川家の居宅。敷地内には文久元年(1861)に建てられた茶室も、創建時のままに残されています。
この茶室では毎年、四季折々に風雅な茶会が開かれ、町の人たちに潤いの時間を提供してきました。春の宵、和ろうそくの揺れる明かりのもとで開かれる「夜会」。梶(カジ)の葉に詩歌をしたため、平安時代の七夕をしのぶ「七夕茶会」。そして「秋の茶会」や「除夜釜」。御用商人でもあった相川家には、伊勢崎藩時代をしのばせる道具類もあり、目を楽しませてくれます。この建物には江戸時代の茶人の心がうかがえるということから、平成12年には県内最古の本格的茶室として、県重要文化財の指定を受けました。
しかし、建てられてから150年近い歳月が経ち、老朽化が深刻な状況に。この秋から2年かけて解体改修されることになりました。解体前に、その趣のあるたたずまいを記録にとどめたいと、同館では四季折々の姿を10枚セットのポストカードにしました。丸い炉が切られたわびさびの風情を漂わせる床の間や、箱階段の傷みのために公開されていない2階部分の舟底天井など、貴重なカットも収められています。
また5月21日には、「おさめの茶会」が開かれました。はんなりとして老女の風情のお茶席に着けば、南側の縁先には枯山水の築山。背後の草木は、創建時の姿での最後の晴れ舞台を祝福するかのように、緑の鮮やかさを競います。
この日の掛け軸は茶室を着工した相川杪保(すえやす)翁の肖像画。「壁は京都から土を運ばせたのでしょうか。聚楽(じゅらく)壁なんですね」と席主さん。天井は床の間、わき床、茶席それぞれに意匠が異なり、風流な下地窓にも感心させられます。「四畳半なのに広々感じられるのは、段差のない踏み込み床のためでしょうね」。
こうした文化と時代の香りを後世に伝えたいと、館主は語ります。しかし、改修には膨大な費用がかかるため、支援グループがその一部にと来館者に募金を呼びかけています。地域の文化遺産を守り伝えることに心を砕くボランティアの皆さんに、頭の下がる思いがしました。
館主によれば、「解体前に、安全に配慮しながら2階部分も公開したい」とのこと。日程は未定ですが、一世紀半の時を記憶した茶室や箱階段、舟底天井に興味のある方は、同館にお問い合わせください。
【問い合わせ】 (財)相川考古館 伊勢崎市三光町6−10
TEL 0270−25−0082
【写真の説明】
上.老朽化が深刻な状況になった県指定重要文化財の茶室
中.伊勢崎藩藩主が好んだ「石州流」の茶の湯が伝えられている
下.四季折々の姿をとどめた10枚セットのポストカード
右.風流な下地窓と丸炉がある床。掛け軸は茶室を建てた相川杪保翁の図
◇ 「古馬牧の人形浄瑠璃」を観て(2006年5月14日 みなかみ町)
◇ 洋館の陽だまりでまどろむ人形たちに思わず微笑「創作人形の魅力」展(2006年3月27日 伊勢崎市)
◇ 「絹の国」を記憶する繭倉庫に、シャンソンが流れて(2005年11月6日 富岡市)
◇ のこぎり屋根のアトリエから[6] ハーブ研究家・北川やちよさんの場合(2005年10月18日 桐生市)
◇ のこぎり屋根のアトリエから[5] 服飾デザイナー・岩田一崇さん、福田康子さんの場合(2005年10月18日 桐生市)
◇ のこぎり屋根のアトリエから[4] 画家・児島新太郎さん、造形作家・守亜和由紀さんの場合(2005年10月18日 桐生市)
◇ のこぎり屋根のアトリエから[3] 版画家・難波多輝子さんの場合(2005年10月18日 桐生市)
◇ のこぎり屋根のアトリエから[2] 彫刻家・丸尾康弘さんの場合(2005年10月18日 桐生市)
◇ のこぎり屋根のアトリエから[1] 建築家・北川紘一郎さんの場合(2005年10月18日 桐生市)
◇ 夢の卵と向き合う建築家たち/女子中学生の職場体験から(2005年8月26日 伊勢崎市)
◇ 七夕茶会「梶の葉に想いをこめて」(2005年7月16日 伊勢崎市)
◇ 「世界遺産ミーティング・イン・伊勢崎」に参加して(2005年7月6日 伊勢崎市)
◇ 「女の自立 男の自立」落合恵子さんの講演より(2005年6月26日 伊勢崎市)
◇ 座して見る花菖蒲も風流/旧秋元別邸で「花菖蒲お座敷鑑賞会」(2005年6月21日 館林市)
◇ 古楽器「クラヴィコード」の音色、ご存知ですか?(2005年5月28日 太田市)
◇ 豪農屋敷で「能に親しむつどい」(2005年5月15日 伊勢崎市)
◇ 心を澄ませて香りを聞く/相川考古館で香遊び(2005年5月5日 伊勢崎市)
◇ 春の花レポート伊勢崎編(2005年4月27日 伊勢崎市)
◇ 明治の洋館、市民の集いの場に(2005年4月23日 伊勢崎市)
◇ 上州の地酒が勢ぞろい、「群馬のお酒フェスタ」(2005年4月22日 伊勢崎市)
◇ 伝統文化、次の世代へ/伊勢崎茶道会が大茶会(2005年4月3日 伊勢崎市)
◇ 揺れる明かりのなかで、夜の茶会(2005年3月26日 桐生市)
◇ 骨董市は現代人のオアシス(2004年6月5日 桐生市)