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リポーター番号19 八田信江さん(伊勢崎市)のページ7


◇ 心を澄ませて香りを聞く/相川考古館で香遊び(5月5日 伊勢崎市)

香遊びの様子
香をたく安藤家御家流の住谷百合子さん
名乗紙(なのりがみ)に答を書く参加者

 香遊び。平安の雅な世界を連想させ、好奇心を誘われます。
 新緑まぶしい5月5日、伊勢崎市の相川考古館で、その「香遊び」が催されました。

 テーマとなる季節の和歌に合わせて、選んだ数種の香木の香りを鑑賞するという趣向です。この日は、端午の節句にちなんで、主題は「菖蒲香」(あやめこう)。
「五月雨に(一) 池のまこもの(二) 水まして(三) いずれあやめと(四) 引きぞわずらふ(五)」という源頼政の歌になぞらえ、5種の香りを聞き当てる組香(くみこう)が行われました。香道では、繊細な香木の香りに心の耳を傾けるので、香りを「聞く」と表現するそうです。
 香のお点前をする香元、答を記録する筆者が席入りして、香席はスタート。
 初めに試香(ためしこう)として4種の香が順次たかれ、その香りを記憶します。和歌の「五月雨に」にあてた香りが一の香、「池のまこもの」が二の香・・・・・・という次第で、ここでは「いずれあやめと」にあてる四の香が伏せられています。
香りを「聞く」
 続く本香(ほんこう)では、その四の香を加えて5種の香りが再度たき出されます。ただし今度は順不同。先にテイスティングした香りがどの順番で回ってきたか、そして主題の「あやめ」の香がどれであるかを、聞き分けるわけです。聞香炉(ききこうろ)を扱う優雅な仕草、五感を澄まして香りの記憶をたどる緊張感。初めて参加した香席に、すっかり魅了されました。
 すべてを聞き終えたら、各自が名乗紙(なのりがみ)と呼ばれる答案用紙に記入し、筆者がそれを記録紙に写します。そして正解を発表して香席は終了となりました。

 香道は茶道、華道とともに、日本の三大芸道に数えられています。平安時代から貴族の間で愛好された香遊びが、室町期に東山文化が花開くなかで香道として確立されたといわれます。現在は「御家流」「志野流」などの流派がありますが、いずれも香りで表現された古典文学の主題を鑑賞するもの。香りを芸術にまで高めた世界に例を見ない文化です。
 使われる香木は伽羅(きゃら)など、数千年前の埋もれ木。悠久の時を経て目覚め、ほのかにたち香る香気に満たされて、心洗われるひとときでした。


八田信江さんのこれまでのリポート

◇ 春の花レポート伊勢崎編(2005年4月27日 伊勢崎市)
◇ 明治の洋館、市民の集いの場に(2005年4月23日 伊勢崎市)
◇ 上州の地酒が勢ぞろい、「群馬のお酒フェスタ」(2005年4月22日 伊勢崎市)
◇ 伝統文化、次の世代へ/伊勢崎茶道会が大茶会(2005年4月3日 伊勢崎市)
◇ 揺れる明かりのなかで、夜の茶会(2005年3月26日 桐生市)
◇ 骨董市は現代人のオアシス(2004年6月5日 桐生市)


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