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佐藤美弥井さん

リポーター番号7 佐藤美弥井さん(前橋市)のページ12


◇ 湯ったり・ふれあい交流「邦楽に親しむ会」(11月29日 玉村町)

玉村町老人福祉センターでの邦楽演奏 11月29日、玉村町老人福祉センターで邦楽に親しむ会が行われた。
 この会で琴の演奏と語りを披露させていただいたので、その様子をリポートしたい。

  この催しは玉村町老人会の主催。同会では月に1回、1,000人いる65才以上のお年寄りを3度に分けてこうした会を行っている。今回は200人あまりが集まった。センターには、露天風呂もあることから「湯ったり・ふれあい交流」のタイトルをつけている。

 演奏した楽曲は、箏曲『新高砂』、『大内山』と、ふるさとの民話『お糸・から糸』、『上州の風景』。『お糸・から糸』と『上州の風景』は私が作曲したものだ。

 ふるさとの民話『お糸・から糸』では、お琴を演奏しながら民話を語る。琴の音色は哀愁があり、言葉のひとつ一つにしみいる。
 物語のあらすじを紹介してみよう。

 「お糸」と「から糸」は腹違いの姉妹。
 先妻の子、姉のお糸は、後妻の母に「薪(たきぎ)をたくさんとってこい」と言われて山の奥深く行ったまま帰ってこない。妹・から糸は、姉を心配して山に探しに出かけるがやはりもどらなくなる。
 愛する娘二人を捜しに出かけた父親も暗闇の中で目を木の枝につぶされてしまう。
 それでも父はなお、「お糸・から糸いたならば、この目は、パッチリあきまする」と言って、山を探し回るが、ついぞ、三人とも帰ってこなかった。
  

 自分の娘だけを可愛がることは、世間にはよくある話である。それを戒める教訓的な物語だが、皆さん、「人ごとのように思えないと」真剣に聴いてくださった。

 『上州の風景』は、3楽章からなる。
 第一楽章は「じゃおうじ権現」。
 六合村に伝わるじゃおうじ(ふきのとう)が、冷たい雪の中から頭を出す。こどもたちは山菜採りに取りに出かける。
 第二楽章は「風韻」。上州の空っ風をテーマに、「麦踏み」、「砂塵(じん)」、「綿入れ半纏(はんてん)」、「ほっかぶり」、「土間」、「俵(たわら)の山」を読み込んで、農村の原風景をうたう。
 第三楽章は「黒滝山物語」。下仁田の奥、山に囲まれた南牧村の黒滝山不動寺に伝わる物語。黒滝山の開祖、潮音禅師を慕って中国から来た絵師の陳玄興と、白いツツジの精「冴月姫」の恋物語だ。

 会の最後には、わらべうた「夕焼けこやけ」と「ふるさと」皆さんと合唱した。

 玉村町は、赤城山を雄大に眺められる豊かな大地に根を張った、人生の達人の住むところだった。上州の物語を熱心に聴いてくれた。
 『上州の風景』の中の「風韻」は、亡き実父を思って書いた曲だ。歳が父に近い皆さんを前に父の思い出を弾いて、演奏している自分自身、こみ上げるものがあった。
 上州に生まれ、上州で人に育まれ、上州人になって行く。多くを学んだ一日であった。


佐藤美弥井さんのこれまでのリポート

◇ 古代の祭礼儀式再現「かみつけの里はにわ祭」(2005年11月13日 群馬町)
◇ かやぶき民家で「日本の調べを聴こう」(2005年11月3日 桐生市)
◇ 住民が守り次世代に伝える「薬師様」(2005年9月7日 前橋市)
◇ 邦楽鑑賞会「雅なる糸・竹の響き」(2005年8月6日 前橋市)
◇ 子どもわくわく教室「箏(こと)を弾いてみよう」(2005年8月4日 前橋市)
◇ 2005年少林寺拳法群馬県大会が開催されました(2005年7月24日 前橋市)
◇ ドイツをもっと知ろう/ドイツフェステバルINぐんま(2005年7月14日 前橋市)
◇ 初めての交流展「加賀百万石の武装と美術」展て(2005年5月12日 高崎市)
◇ 春の山里を満喫/群馬国蝶オオムラサキの会・春のつどい(2005年4月17日 大間々町)
◇ 赤れんが写生大会(2005年4月3日 富岡市)
◇ 中国の歴史にふれる(中国歴代王朝展)(2004年6月14日 前橋市)


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