八田信江さんのページ27「路上のアーティストたち」/県民リポート

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リポーター番号19 八田信江さん(伊勢崎市)のページ27【最新のリポート】

◇ 路上のアーティストたち(4月29日 伊勢崎市)

所狭しと並んだ品々三島手の焼き物手作りの木製品たち電飾看板が懐かしさを感じさせる路地

 今年から「昭和の日」に制定された4月29日。伊勢崎市では、中心市街地の路地が大勢の人たちでにぎわいました。「いせさきアーティストフェスタ in 路地裏」と銘打ち、工芸作家たちの作品市が開かれたためです。

 今ほど便利ではなかったけれど、手をかけるゆとりがあった昭和のころに学びたい、と市民グループ「歩く街の会」が企画したもの。この主旨に賛同し、県内の工芸作家37人が一点物の作品を携えて集まりました。

 手に温かい木製玩具、草木染の布や手紡ぎの糸、レースのように細工された鉄の小物、昔のカキ氷の器のようなガラス食器。どれも惜しみなく手間をかけたものばかり。
 陶芸では「三島手」と呼ばれる象嵌(ぞうがん)技法の器も見られました。作家さんによれば、「あまりに手間がかかるので、取り組む人は少ない」とのこと。肌に浮かび上がった細かな印花紋と線彫り模様は、生地が生乾き状態のときに一つ一つ施すそうです。

 また、初めてお目にかかったのは、絹糸でかがったという「加賀指ぬき」。友禅を仕立てる針子さんが、布地を傷めないように紙と真綿を芯にして作ったのが始まりとか。残った絹糸を貯めておいて、正月休みになるとひと針ひと針刺し、うろこ模様や紫陽花(あじさい)模様の指ぬき作りを楽しんだそうです。「一度途絶えてしまって復活されたもの。今はアクセサリーとして使われている」と、高崎市から参加の作家さんは話していました。
 そして、夏の夜を待ち遠しくさせたのは、撫子(なでしこ)のように咲くという線香花火。吉岡町の女性花火師さんの作品です。

 このフェスタがユニークなのは、会場がホールや広場ではなく、路地であることです。「今は人通りも少なくなってしまったが、昭和のころ路地は日常生活の場。手間をかけて暮らすのが当たり前だった時代の、生活感が魅力」と、「歩く街の会」の皆さん。
 電飾看板が連なる飲食店街の小路や、板塀の続くひっそりとした細道。路地歩きに懐かしい風景を見つけ、車の通れない道は、地元民なのにその存在すら知らなかったことに気づかされました。
 そして路地がギャラリーだからこそ、気軽に触れ合えた群馬のアーティストたち。その作品の数々に、なかなかいいぞ群馬、と思った人は少なくなかったはずです。

アクセサリーになった加賀指ぬき小路に並んだ作家さんたち

八田信江さんのこれまでのリポート

◇ なつかしの正月気分を味わえた人形芝居の公演(2007年1月28日 前橋市)
◇ こころ洗われた七夕コンサート(2006年7月16日 伊勢崎市)
◇ 一世紀半の時を記憶した茶室、解体改修へ(2006年6月6日 伊勢崎市)
◇ 「古馬牧の人形浄瑠璃」を観て(2006年5月14日 みなかみ町)
◇ 洋館の陽だまりでまどろむ人形たちに思わず微笑「創作人形の魅力」展(2006年3月27日 伊勢崎市)
◇ 「絹の国」を記憶する繭倉庫に、シャンソンが流れて(2005年11月6日 富岡市)
◇ のこぎり屋根のアトリエから[6] ハーブ研究家・北川やちよさんの場合(2005年10月18日 桐生市)
◇ のこぎり屋根のアトリエから[5] 服飾デザイナー・岩田一崇さん、福田康子さんの場合(2005年10月18日 桐生市)
◇ のこぎり屋根のアトリエから[4] 画家・児島新太郎さん、造形作家・守亜和由紀さんの場合(2005年10月18日 桐生市)
◇ のこぎり屋根のアトリエから[3] 版画家・難波多輝子さんの場合(2005年10月18日 桐生市)
◇ のこぎり屋根のアトリエから[2] 彫刻家・丸尾康弘さんの場合(2005年10月18日 桐生市)
◇ のこぎり屋根のアトリエから[1] 建築家・北川紘一郎さんの場合(2005年10月18日 桐生市)
◇ 夢の卵と向き合う建築家たち/女子中学生の職場体験から(2005年8月26日 伊勢崎市)
◇ 七夕茶会「梶の葉に想いをこめて」(2005年7月16日 伊勢崎市)
◇ 「世界遺産ミーティング・イン・伊勢崎」に参加して(2005年7月6日 伊勢崎市)
◇ 「女の自立 男の自立」落合恵子さんの講演より(2005年6月26日 伊勢崎市)
◇ 座して見る花菖蒲も風流/旧秋元別邸で「花菖蒲お座敷鑑賞会」(2005年6月21日 館林市)
◇ 古楽器「クラヴィコード」の音色、ご存知ですか?(2005年5月28日 太田市)
◇ 豪農屋敷で「能に親しむつどい」(2005年5月15日 伊勢崎市)
◇ 心を澄ませて香りを聞く/相川考古館で香遊び(2005年5月5日 伊勢崎市)
◇ 春の花レポート伊勢崎編(2005年4月27日 伊勢崎市)
◇ 明治の洋館、市民の集いの場に(2005年4月23日 伊勢崎市)
◇ 上州の地酒が勢ぞろい、「群馬のお酒フェスタ」(2005年4月22日 伊勢崎市)
◇ 伝統文化、次の世代へ/伊勢崎茶道会が大茶会(2005年4月3日 伊勢崎市)
◇ 揺れる明かりのなかで、夜の茶会(2005年3月26日 桐生市)
◇ 骨董市は現代人のオアシス(2004年6月5日 桐生市)


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