管理職学校運営調査報告書(概要版)続き

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群馬県内公立小中学校管理職学校運営調査報告書(概要版)の続き

<バラツキ具合を表す図表=小学校の結果>
(中学校の結果分析は、ほぼ同様の傾向であるので概要版では省略)

  それぞれの指標について、校長に対する教職員の他者評価の得点(偏差値)を最低値から最高値までの幅で表し、平均値を菱形(◆)で示している。また、偏差値に含まれる人数を%で表示している。

指標1から9までのそれぞれの指標のバラツキ度合いを示した図。指標ごとに度合いは異なるがバラツキが見られる。 

指標10から14までのそれぞれの指標のバラツキ度合いを示した図。指標ごとに度合いは異なるがバラツキが見られる。
 

 (2) 学校組織に対し、管理職が手を打てる3つのマネジメント行動

    OJD活性度診断結果のうち、特に、管理職が組織に対して、直接的に手が打てるマネジメント行動に関する3つの指標、「管理構想」、「リーダー行動」「しくみづくり」について、詳細に分析する。

  ア 管理構想について

     小学校・中学校それぞれにおいて、校長についての評価と教頭についての評価をまとめたのが、下の表である。自己評価は管理職による評価、他者評価は教職員による評価を、それぞれOJD活性度診断の偏差値で示してある。

  <管理構想>

指標

学校区分

校長についての評価

教頭についての評価

自己評価

他者評価

得点差

自己評価

他者評価

得点差

管理構想

小学校

56.1

53.6

2.5

53.8

51.8

2.0

中学校

56.4

53.9

2.5

53.9

52.6

1.3

 ※太字は、検定の結果、自己評価と他者評価との得点差に、統計的に有意な差があるもの

    校長に比べ、教頭の得点が相対的に低いが、これは学校組織における役割の違いが反映された結果である。また、他者評価との間に得点差は見られるが、他者評価の得点も他の指標に比べて相対的に高く、また、学校運営の状況についての質問においても、管理職同士のコミュニケーションの充足度や計画・方針・目標の共有化に関する項目でほとんどが肯定的な評価をしていたことから、全体としてはあまり問題のない状況と言える。
  ただし、管理構想が教職員の中でしっかりと具体的な行動として現れることが必要であり、それを実現させられるかどうかは、「リーダー行動」、「しくみづくり」といったマネジメント行動にかかっている。

  イ リーダー行動について

指標

学校区分

校長についての評価

教頭についての評価

自己評価

他者評価

得点差

自己評価

他者評価

得点差

リーダー行動

小学校

56.1

52.2

3.9

55.6

51.9

3.7

中学校

56.1

52.9

3.2

55.8

52.7

3.1

     OJD活性度診断結果では、リーダー行動についての管理職の自己評価は偏差値で55を超え、やや高い結果となっているが、教職員からの他者評価は52前後となっている。この差は統計的にも有意な差であり、管理者自身は十分できていると認識しているが、教職員はそこまでできているとは見ていない。
  リーダー行動に関連したOJD活性度診断の指標として「メンバーへの直接介入」も参考にすることができる。

  <メンバーへの直接介入>

指標

学校区分

校長についての評価

教頭についての評価

自己評価

他者評価

得点差

自己評価

他者評価

得点差

メンバーへの直接介入

小学校

53.2

51.1

2.1

52.0

50.3

1.7

中学校

54.4

51.7

2.7

51.4

51.1

0.3

     この指標についても、得点差が見られ、他者評価の偏差値は51程度となっている。教職員の自由回答結果なども加味して考えると、教職員に対する育成や働きかけが手薄になっている現状がうかがえる。

     これに関連して、学校運営の状況についての質問において、管理職に対し、教職員とのコミュニケーションの充足度について尋ねている。過半数は「足りている」としているが、「不足している」とする割合も4割前後と多い。

  <コミュニケーションの充足度>

指標

学校区分

足りている

不足している

校長

教頭

校長

教頭

教職員と話したりやり取りする時間は十分足りていますか

小学校

56.5%

60.6%

43.5%

39.4%

中学校

59.3%

66.9%

40.7%

33.1%

 

  ウ しくみづくりについて

指標

学校区分

校長についての評価

教頭についての評価

自己評価

他者評価

得点差

自己評価

他者評価

得点差

しくみづくり

小学校

52.0

51.0

1.0

52.1

51.3

0.8

中学校

52.4

51.9

0.5

51.2

52.4

-1.2

     しくみづくりに関するOJD活性度診断の結果は、自己評価・他者評価とも他の指標に比べると低めであり、双方とも、不十分であると認識している。


  さらに、しくみづくりに関連したOJD活性度診断の指標である「職場における革新の程度」についても見てみる。

  <職場における革新の程度>

指標

学校区分

校長についての評価

教頭についての評価

自己評価

他者評価

得点差

自己評価

他者評価

得点差

集団の革新度

小学校

55.4

52.0

3.4

54.4

52.0

2.4

中学校

55.4

51.7

3.7

53.8

51.5

2.3

革新への影響

小学校

56.1

53.0

3.1

55.8

53.2

2.6

中学校

56.8

53.7

3.1

55.9

53.5

2.4

革新をつくるしくみ

小学校

54.6

52.4

2.2

54.7

52.4

2.3

中学校

53.8

50.9

2.9

53.8

50.8

3.0

革新の受容

小学校

55.5

53.6

1.9

55.3

53.6

1.7

中学校

55.3

52.7

2.6

54.5

52.6

1.9

     全体的には教職員からの他者評価も平均(偏差値50)を上回っていることから、大きな問題はないと言えるが、得点差はあり、管理職が思っているほどには、教職員の巻き込みが十分ではなく、結果として非効率なルールを見直し、新しいやり方を積極的に試そうとする職場環境にはなっていない。新しいことを試す場はあるが、教職員がその場を活かしきれていない。教職員を巻き込むための管理職の働きかけが不足しており、改革の実行者である教職員の意識をいかに高めるかが課題となる。また、教職員の多忙という現状も多分に影響していると思われる。

 (3) その他、調査結果から浮かび上がってきた課題

  ア キーパーソンについて

     学校においては、主要な主任・主事やベテラン・中堅教職員がキーパーソンに該当すると思われるが、OJD活性度診断の結果では、キーパーソンについて課題が見られた。キーパーソンに関連した指標に関する診断結果は次の表のとおりである。

  <キーパーソンに関連した指標>

指標

学校区分

校長についての評価

教頭についての評価

自己評価

他者評価

得点差

自己評価

他者評価

得点差

キーパーソン

小学校

54.0

52.2

1.8

53.8

52.2

1.6

中学校

53.9

51.9

2.0

54.4

51.8

2.6

キーパーソンとの関係

小学校

53.7

50.8

2.9

52.5

50.7

1.8

中学校

54.6

50.7

3.9

52.2

50.4

1.8

キーパーソンの影響

小学校

51.5

50.6

0.9

51.7

50.6

1.1

中学校

50.4

50.0

0.4

52.1

49.9

2.2

     この結果から、キーパーソンは存在するものの、キーパーソンの影響力はあまり強くはみられず、その活躍度合いが相対的に低いと言える。一方で、管理職からは、キーパーソンに学校経営に参画してもらい、メンバーをリードしてほしいといった期待が聞かれた。また、別の質問で、既存の定数内での教頭複数配置について意見を尋ねているが、そこでも既存の主任・主事の役割拡大を望む意見が多数であった。課題として、いかにキーパーソンを育成し、職場の中で活躍してもらうかということが挙げられる。
  なお、教頭複数配置については、学校規模が大きくなるにしたがって、既存の定数内であっても教頭複数配置を希望する意見が増加した。

  <教頭複数配置についての意見>

 

私の学校では、学校経営の充実につながるので教頭複数配置が望ましい

私の学校では、既存の主任・主事の役割を拡げて校長や教頭の補佐をしてもらう方が有効である

私の学校では、教頭複数配置、主任・主事の役割の拡大は必要ない

学校区分・学校規模

校長

教頭

校長

教頭

校長

教頭

小学校

19.6

17.6

40.9

48.2

39.5

34.2

中学校

32.2

20.7

34.5

50.8

33.3

28.5

小学校100名以下

0.0

6.1

38.8

32.7

61.2

61.2

101~300名

12.8

11.1

32.1

51.9

55.0

37.0

301~500名

30.1

19.4

47.3

49.5

22.6

31.2

501名以上

27.9

30.2

46.5

51.2

25.6

18.6

中学校

100名以下

5.9

17.6

23.5

23.5

70.6

58.8

101~300名

20.6

11.3

30.2

43.5

49.2

45.2

301~500名

36.2

14.0

46.6

71.9

17.2

14.0

501名以上

58.3

44.2

27.8

44.2

13.9

11.6

※ 学校区分・学校規模ごとに、3つの選択肢のうちもっとも多かった意見を太字にしている。

  イ 校長における出張・会議について

     教職員に対する指導・育成やコミュニケーションがやや不十分になっている理由の一つとして、自身の業務の忙しさを挙げる意見も多かった。特に校長は、出張や会議へ出席している時間が多い。この点に関する調査結果は下の表のとおりである。

  <月当たりの出張・会議により不在にすることがある日数>

学校区分

単位

1位

2位

3位

4位

5位

小学校

日数

5~6日

7~8日

3~4日

9~10日

11~12日

31.7%

30.2%

14.4%

12.9%

3.9%

中学校

日数

9~10日

7~8日

5~6日

11~12日

3~4日

27.2%

24.9%

16.2%

12.7%

9.8%

     小学校では6割の校長が、平均すると月に5~8日は、中学校では5割の校長が、平均すると月に7~10日は、出張や校外での会議に出席している。終日学校を不在にすることのない出張・会議も含まれているが、小学校の校長は月の勤務日のうち4分の1~3分の1、中学校の校長は3分の1~半分の割合で、出張や会議に出かけていることになる。
  さらに、主催団体別の頻度と重要度を尋ねている。頻度と重要度を得点化して整理したものが以下の図である。

   <出張・会議の主催団体別の頻度と重要度>

出張・会議の主催団体別の頻度と重要度の指数をグラフ化した図。頻度は高いが重要でないものも見受けられる。

     自由回答意見では、「方針や動向を理解するため必要」、「学校経営に必要」、「資質向上のために有益」であるとの意見が挙げられた反面、「内容を精選すべき」、「進行に工夫が必要」、「合理化・効率化の視点が必要」、「充て職でやむを得ず出席」などの意見もあった。また、各主催団体について、すべてが「重要」であるというわけではなく、「中には重要でないものもある」という回答も目立った。
  出張や会議については重要であるとする意見が多数であるが、整理・改善する必要がある。

  ウ 教頭における資料や調査回答の作成について

      校長は外出が多いのに対し、教頭は校内での校務が多く、その意味では校内での時間の使い方が問題となる。教頭に対し、最も時間を費やす業務について尋ねた自由回答では、「事務処理・書類処理」や「調査への回答・報告」を挙げた者が大半を占めた。さらに、それら資料や調査回答の作成に平均して一日にどの程度時間を費やしているか、またその負担感はどうか尋ねた。
  小学校では、過半数が「1~3時間」と回答し、7割半ばが「負担がある」と回答している。中学校では、過半数が「1.5~3時間」と回答し、7割が「負担がある」と回答している。

  <一日のうちで資料や調査回答に費やす時間>

学校区分

単位

1位

2位

3位

4位

5位

小学校

時間

1.5~2時間2~2.5時間1~1.5時間2.5~3時間3~3.5時間

18.6%

16.6%

13.6%

12.7%

11.5%

中学校

時間

1.5~2時間2~2.5時間2.5~3時間1~1.5時間3~3.5時間

20.7%

16.8%

15.6%

14.0%

12.3%

 

  <資料や回答の負担感>

学校区分

負担である

やや負担である

あまり負担でない

負担ではない

小学校

24.9%

53.0%

21.0%

1.2%

中学校

23.9%

45.0%

27.2%

3.3%

 

  <負担感の理由>

順位

小学校

中学校

1位

内容の類似・重複

数が多い

2位

事前調査・調整が必要

内容の類似・重複

3位

数が多い

事前調査・調整が必要

4位

時間をとられる

調査目的が不明瞭、調査結果が学校・子どもに役立たない

5位

調査目的が不明瞭、調査結果が学校・子どもに役立たない

回答期限が短い

      以上の結果から、資料や調査回答の作成に費やす時間も多いが、その負担感が大きいことが見て取れる。教頭からは、学校経営上の問題や困っていることとして、「自身の業務に忙殺され、教職員に指導したり、コミュニケーションをとる時間がない」といった声が多く聞かれた。その意味でも、資料や調査回答の作成において、物理的・精神的な負担の軽減が求められるが、一学校で解決するには難しい問題を含んでおり、調査主体や教育委員会などの取組も必要である。

 

4 課題と改善の方向性

 (1) 問題点を改善していくための5つの課題

    調査結果から、問題点を改善していくための課題を次の5つに整理することができる。

  <管理職のマネジメント力の向上>

    1 管理職による教職員に対するリーダー行動と育成的指導

    2 マネジメントを効果的に進めるためのしくみづくり

    3 キーパーソンが活躍する場の創出と育成

  <管理職のマネジメントを促進させる取組>

    4 校長における出張・会議の負担軽減

    5 教頭における資料作成・調査回答の負担軽減

課題と改善の方向性の概念図。教育委員会などによるバックアップにより、管理職のマネジメントを促進させる取組を促進させることで、管理職のマネジメント力を向上し、教職員の多忙及び多忙感の解消に寄与することが期待できる。

    管理職のマネジメントが有効に機能することで、最終的には教職員における多忙感の解消に寄与することが期待できる。管理職による組織運営上のしくみづくり、直接的な働きかけ、キーパーソンの活用は、教職員の実労働時間の短縮に結びつく。また、教職員は業務の偏り・不公平感による不満を感じており、それらに対応することで、教職員の不満解消及び業務に対する動機付けにもつながると思われる。
  そのためにも、校長に関しては、現在、多くの時間を取られている出張・会議を少なくすることで、物理的な時間を確保し、学校運営に時間と労力を使う時間的余裕を持てるようにして、さらなるマネジメント活動を実践しやすくすることが必要である。また、教頭に関しては、資料作成等にかかっている時間を短縮することで、校長の学校運営をサポートする余裕を得られるようにすることが必要である。校長が自分の物理的な時間を確保し、さらに教頭のサポートを得ることによって、より充実したマネジメントが実践される。
  そのためには、教育委員会などが、関係機関への働きかけによるサポートや、教職員に対する研修や学習の機会の提供といった環境の整備を行い、学校の管理職をバックアップすることが必要である。これにより、管理職のマネジメント力の向上や、その取組全体を支えることができる。

 (2) 改善のための取組施策

    次に具体的な改善のための取組施策を提案する。問題点を改善していくための課題と具体的な改善のための取組施策の関係は以下のとおり整理できる。

  <問題点を改善していくための課題と具体的な改善のための取組施策の関係の整理>

問題点課題取組施策
1. リーダー行動

・ 管理職の教職員に対するリーダー行動及び育成的な働きかけが不十分

・ 管理職と教職員の日常的なコミュニケーションが不十分

1 管理職のマネジメントの向上

 

 

 

 

1. 管理職による教職員に対するリーダー行動と育成的指導

 

(1) 介入と状況把握

業務量の調整
状況把握のための働きかけ

(2) 教職員の指導・育成

成長を促す意図的な仕事の与え方
効果的な結果のフィードバック

(3) メンターとしての役割

メンターとしての役割の発揮

2. しくみづくり

・ 校務分掌や業務における割り当ての偏りが生じている

・ 校務分掌などのしくみやルールが固定化したまま弾力性が失われている

2. マネジメントを効果的に進めるためのしくみづくり

 

 

(1) 校務分掌・業務の偏りの是正

教職員側の意見の吸い上げ
年度の途中での見直し

(2) 教員の成長を促すしくみづくり

教職員が経験を通じて学習し成長できる体系など
ベテラン教員に後輩・若手教員の指導育成の役割付与

(3) 権限委譲

権限委譲の範囲の明確化
問題発生時の情報ルートの明確化

(4) 業務の精選における基準の明確化

優先順位付け・精選の際の基準の明確化

3. キーパーソン

・ 学校組織において、キーパーソンの役割は重要であるが、現状では十分に影響力を発揮できていない

3. キーパーソンが活躍する場の創出と育成

 

 

(1) キーパーソンが活躍する場の創出

役割・期待の伝達
活躍の場の設定

(2) キーパーソンの育成

発問と積極的傾聴
外部機関などの研修を活用する
メンターの役割を担わせる

4. 校長における出張・会議

・ 出張・会議により学校を不在することが多い結果、管理職としての業務の量・質の確保に支障が出ている

2 管理職のマネジメントを促進させる取組

 

 

4. 校長における出張・会議の負担軽減

 

(1) 既存の会議を精選する

実施頻度が高いが重要度が低い出張・会議の短縮・削減
集約できる出張・会議の集約

(2) 教育委員会等から各主催団体に向けて会議の集約を促す

教育委員会等から主催団体へ働きかける

5. 教頭における資料や調査回答の作成

・ 資料作成・調査回答等の負担感が大きく、管理職としての業務の量・質の確保に支障が出ている

5. 教頭における資料作成・調査回答の負担軽減

 

 

(1) 資料作成・調査回答の負担軽減に向けた、教育委員会等による取組

調査内容の事前調整・フィルタリング
提出期限の延長
回答のルール・方針の明確化

(2) 資料作成・調査回答の効率化に向けた、各学校での取組

過去の提出文書のフォーマットの整理
作成マニュアルの作成
データの一元管理及びアクセシビリティの確保

  ア 管理職による教職員に対するリーダー行動と育成的指導

   (ア) 介入と状況把握

    a 業務量の調整

     ・  管理職は現場に目を配り、定期的に各教職員の業務の棚卸し(各個人が担当している業務の全体的な量や種類、進捗状況を把握するための点検作業)をする。

     ・  業務量が偏っているようであれば、比較的手の空いている教職員を副担当につけるなどの調整を行う。

    b 状況把握のための働きかけ

     ・  声かけを通じて、教職員一人一人の状況把握に努める。その際、働きかけが特定の教職員に偏らないように注意する。

   (イ) 教職員の指導・育成

    a 成長を促す目的を持った仕事の与え方

     ・  教職員に仕事の意味を説明する。「その仕事は、学校組織においてどれだけ重要性なのか。」「その仕事を習得することがメンバーにとってどんなメリットがあるのか。」

     ・  仕事の中に、教職員自身に考える余地を持たせておく。

    b 効果的な結果のフィードバック

     ・  褒めるべきときには褒め、叱るべきときには叱る。

   (ウ) メンターとしての役割

     ・  管理職が、知識・経験ともに豊富なベテランの教職員として、自らの体験をもとに公私にわたる適切な助言と指導を行いながら、教職員が抱えるさまざまな課題の克服を支援する役割も果たす。

  イ マネジメントを効果的に進めるためのしくみづくり

   (ア) 校務分掌・業務の偏りの是正

    ○ 教職員により偏りのある校務分掌や業務の調整

     ・  年度末に1年を振り返る際、教職員側の意見を十分吸い上げ、来年度の見直しに生かす。

     ・  場合によっては、年度の途中で見直す。

   (イ) 教職員の成長を促すしくみづくり

    ○ 教職員が仕事を通じて成長できるような職場環境の整備

     ・  「教職員が経験を通じて学習し成長できる体系」「教職員が長期的・大局的な視点に基づいた問題発見・課題形成ができる機会(仕事)」「教職員が自己理解(仕事に対する価値観や能力など)と環境分析(学校を取り巻く環境や周囲からの期待)をもとに自分なりの目指す姿を描き、その実現のために行動をとっていくことができるしくみ」などを設計する。

     ・  主任・主事を含め、ベテラン教職員に後輩・若手教職員の指導育成を委ねる。その際、育成を評価項目として取り入れるなどインセンティブ(動機付け)を考慮する。

   (ウ) 権限委譲

    ○ 現場におけるすばやい判断・対応を可能にするための教職員への権限委譲

     ・  教職員に権限を委譲するとともに、どこまでが教職員で、どこからが管理職で判断すべきなのか、その範囲を明確に決める。

     ・  何か問題が起こったときに、校長にすばやく情報を上げるためのルールや情報ルートを決める。

   (エ) 業務の精選における基準の明確化

    ○ 既存の業務のうち、精選できるものを洗い出し、精選するための基準の明確化

     ・  管理職は、学校経営のビジョンを練り上げ、方針や達成すべき課題は何なのかを明らかにし、優先順位付けや精選の際の基準を明確にする。

  ウ キーパーソンが活躍する場の創出と育成

   (ア) キーパーソンが活躍する場の創出

    a 役割・期待の伝達

     ・  キーパーソンの指名を、各委員会の場などでする。(リーダーの役割を与え、他の教職員にキーパーソンとなる教職員から指導・助言をもらうよう伝えるなど。)

     ・  キーパーソンとなる教職員に、キーパーソンとしての役割を明示し、期待していることを伝える。

    b 活躍の場の設定

     ・  学校経営上の課題について、キーパーソンに意見を求めたり、考えさせたりする。

     ・  教職員の巻き込みを必要とする場合などは、管理職から教職員側への情報伝達に際し、キーパーソンを通す。

   (イ) キーパーソンの育成

    a 発問と積極的傾聴

     ・  キーパーソンの育成に当たっては、まず管理職が、キーパーソンとしての役割を当該教職員に説明し、その役割を担うことを依頼する。

     ・  育成においては、発問と積極的傾聴のスキルを活用する。(「発問」とは、問う方は答えがわかっているが、教育効果を目的として、組織の構成員に考えさせ、自ら問題解決のヒントを発見させるためにあえて問う方法。「積極的傾聴」とは、聴いたことの中から事実や感情を積極的に理解する努力をして、さらに組織の構成員が自分自身で問題解決できるように援助するための方法。)

    b 外部機関などの研修の活用

     ・  外部機関などの研修機会を積極的に活用する。

     ・  キーパーソンとしての役割が期待される教員に対し、その役割について学習する機会を設定する。

    c メンターの役割を担わせること

     ・  キーパーソンに育ってほしい教職員に、他の教職員の先輩として、メンターとしての役割を担わせる。

  エ 校長における出張・会議の負担軽減

   (ア) 既存の会議を精選する

    ○ 実施頻度と重要度の指標を用いた精選する会議の洗い出し及びそれぞれに適したやり方の検討

     ・  短縮・削減の対象として、実施頻度の高い「市町村教育委員会」「郡市校長会・教頭会」「PTA」の「出張・会議」、比較的重要度が低いものもあるという結果となった「市町村」「郡市教育関係団体」「地域団体」の「出張・会議」について、検討を要する。それぞれの主催団体が、一つ一つの会議について精選することが必要である。

     ・  伝達や報告を主に行う会議の場合は、郡市レベルでばらばらに行っていたものを一回にまとめる。ただし、少人数のほうがより適しているような場合(地域での情報交換・意見交換など)には、あまり大規模にならないような配慮が必要である。

   (イ) 教育委員会等から各主催団体に向けて会議の集約を促す

    ○ 教育委員会等が主体となった会議の精選についての各主催団体への働きかけ

     ・  立場上、出席が義務づけられていたり、充て職として参加したりする各種出張・会議については、学校の管理職が出席の適否を判断できる領域を超えているものもあるため、教育委員会等から主催団体への働きかけが必要になる。

  オ 教頭における資料作成・調査回答の負担軽減

   (ア) 資料作成・調査回答の負担軽減に向けた、教育委員会等による取組

    a 調査内容の事前調整・フィルタリング

     ・  調査内容が重複しないよう、できる範囲で事前に調査内容を調整する。またそのための“横”の連絡を行う体制を整える。

     ・  調査依頼を各学校に行う前に、重複するものについては、フィルタリングをかけ、むやみに依頼しない。

     ・  各学校のデータや調査結果についてのデータベースを整備し、データの活用を図る。

    b 提出期限の延長

     ・  依頼から提出までの期限をより長めに設定する。

    c 回答のルール・方針の明確化

     ・  教育委員会が主体となって、回答の必要度を優先順位づけする基準などのルール・方針を明確にする。(例えば、学校に直接依頼された調査などで、教育委員会からの指示がないような場合、調査主体が公的機関でなければ、回答は行わなくてもよいなど)

   (イ) 資料作成・調査回答の効率化に向けた、各学校での取組

     ・  過去の提出文書のフォーマットを整理

     ・  作成マニュアルの作成

     ・  データの一元管理及びアクセシビリティ(利用しやすさ)の確保


(参考) アンケート調査対象者の属性

1 学校規模(児童生徒数)

区分

100名以下

101~300名

301~500名

501名以上

小学校

14.6%

32.4%

27.7%

25.3%

中学校

9.6%

35.6%

32.2%

22.5%


2 学校規模別人数

学校区分

学校規模(児童生徒数)

合計(名)

100名以下

101~300名

301~500名

500名以上

小学校校長

50

110

94

86

340

教頭

49

109

94

86

338

教職員

247

547

467

428

1,689

中学校

校長

17

63

58

36

174

教頭

17

63

57

43

180

教職員

85

314

283

184

866


3 校長(経験年数)

区分

1年未満

1年以上
~2年未満

2年以上
~3年未満

3年以上
~4年未満

4年以上
~5年未満

5年以上
~6年未満

6年以上
~7年未満

7年以上
~8年未満

8年以上

小学校

10.7%

12.1%

11.2%

10.9%

10.9%

10.7%

7.4%

7.1%

16.9%

中学校

8.1%

11.0%

9.8%

9.8%

9.8%

9.2%

7.5%

8.7%

26.0%


4 教頭(経験年数)

区分

1年未満

1年以上
~2年未満

2年以上
~3年未満

3年以上
~4年未満

4年以上
~5年未満

5年以上
~6年未満

6年以上
~7年未満

7年以上
~8年未満

8年以上

小学校

12.2%

13.7%

10.1%

6.0%

9.0%

8.4%

7.5%

8.7%

24.5%

中学校

13.4%

16.2%

8.4%

10.1%

10.1%

11.7%

8.9%

3.4%

17.9%


5 教職員(職種)

区分

教諭

事務職員

小学校

78.8%

21.2%

中学校

81.2%

18.8%


6 教職員(年齢)

区分25歳未満25歳以上
~30歳未満

30歳以上
~35歳未満

35歳以上
~40歳未満

40歳以上
~45歳未満

45歳以上
~50歳未満

50歳以上
~55歳未満

55歳以上

小学校2.4%8.6%

10.9%

12.4%

16.0%

21.4%

20.8%

7.6%

中学校1.4%11.5%

10.0%

14.4%

13.7%

23.8%

18.3%

6.9%


調査報告書本文(PDF形式)

 ・ 第1章 調査概要(73KB)

 ・ 第2章 調査結果(分割ファイル1-135KB)(分割ファイル2-157KB)(分割ファイル3-228KB)(分割ファイル4-128KB)(分割ファイル5-94KB)

 ・ 第3章 まとめ(分割ファイル1-157KB)(分割ファイル2-114KB)(分割ファイル3-114KB)(分割ファイル4-139KB)

 ・ 付録1 OJD活性度診断について(112KB)

 ・ 付録2 回答者の属性について(188KB)

 ・ 別冊 定性調査報告書(104KB)



<連絡先>
教育委員会学校人事課
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-4606
FAX 027-243-7759
kijinji@pref.gunma.jp

群馬県庁

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