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森林環境税導入に関する特別委員会(平成25年3月13日)

1.開催日時

 平成25年3月13日(水曜日)10時00分~11時10分

2.開催場所

 403委員会室

3.出席委員

 委員長:関根圀男、副委員長:狩野浩志
 委員:織田沢俊幸、委員:井田泉、委員:あべともよ、委員:後藤克己、委員:臂泰雄、委員:高田勝浩、委員:金井康夫、委員:清水真人、委員:藥丸潔

4.欠席委員

 なし

5.主な質疑

(1)森林環境の保全に係る県民税の特例に関する条例の名称について

あべ委員
 特別委員会からの提言による「ぐんま緑の県民税」という名称を、条例案で使わなかった理由は何か。

福田税務課長
 ぐんま緑の県民税という名称は分かりやすい名称である。一方、県税に係る条例制定に当たっては、既存の条例との整合性を図る必要がある。本県では法人の県民税法人税割の超過課税を実施しており、その条例の名称は、法人の県民税の特例に関する条例としている。ぐんま緑の県民税も税制上の仕組みは、県民税の超過課税であり、整合性を図る観点から今回の名称とした。ただし、ぐんま緑の県民税は県民に分かりやすい名称であり、今後、通称として広報等において使用していきたい。

(2)導入に当たっての経済状況等の考慮について

あべ委員
 提言に「導入に当たっては本県の経済状況等を十分考慮すること」という記載があったが、これについても条例で触れられていないが理由は何か。

福田税務課長
 提言の内容は重く受け止めている。条例は、現時点での経済状況を踏まえ提案を判断した。ただし、施行まで1年間あることから経済状況については注視していきたい。

あべ委員
 施行までの間、景気についての判断を行うのか。リーマンショックのような景気の悪化があれば、施行についての見直しもあり得るか。

福田税務課長
 仮にリーマンショックのような経済状況になれば、施行について延期や停止も含めて検討していきたい。

(3)賦課徴収を行う市町村に対する対応について

あべ委員
 市町村が賦課徴収を行うが、その事務費はどうなるのか。

福田税務課長
 条例案が可決された場合、市町村にぐんま緑の県民税に関して納税者対応、システム改修等の新たな負担が生じることとなるため、現在交付している徴収取扱費に相当するものを、交付する方向で検討している。今後、各市町村の意向も踏まえ、具体的な内容を決めていきたい。

あべ委員
 委員会での議論も踏まえ、市町村の負担が少なくなるよう検討するということでよいか。

福田税務課長
 そのように考えている。

あべ委員
 市町村に対して交付する徴収費相当額は、基金から出すのか。

福田税務課長
 基金の中から支出する。

臂委員
 市町村は、税の賦課徴収にあたり、システムの改修を行わなければならないと思われるが、いつまでにシステム改修を行う必要があるか。

福田税務課長
 各市町村によって使用しているシステムや委託業者の状況が異なるため、各市町村の状況を確認しながら進めていきたい。

臂委員
 景気の状況に配慮して施行の判断を行うということだが、市町村のシステム変更の段取りが終わった段階で施行を停止すると、それまで導入に向けた準備を行ってきた市町村は困るのではないか。

福田税務課長
 システム変更と税の施行判断のタイミングについては、課題があると認識している。しかし、最終的には、納税者の立場に立って判断しなければならないことであり、仮にリーマンショックのような急激な景気の悪化があった場合には、延期や停止を検討しなければならないと考えている。

臂委員
 市によってはシステム改修に数千万円や、数億円と費用がかかるのではないか。

福田税務課長
 数千万円はかからないと考えている。

臂委員
 基金の経費の項目に記載されている1千万円で十分足りるという判断か。

福田税務課長
 状況によっては、徴収取扱費も含めると1千万円を超える可能性もあると考えている。

(4)市町村の理解について

井田委員
 一般質問で岩井均議員から、「全市町村長からは森林環境税の導入について理解が得られていない」との発言があったが、現在の状況はどうか。

石井林政課長
 1人の市町村長の理解が得られていない。引き続き、住民、関係団体等にも協力してもらいながら理解に努めたい。

井田委員
 理由は何か。

石井林政課長
 環境森林部長、総務部長、副知事が訪問し説明したが、その都度発言が異なり「順序として、まず市長会に説明すべき」、「千年に一度の国難の時に、新税の導入はいかがなものか」などである。

井田委員
 最後まで理解が得られなかった場合、県はどのように対応するのか。

石井林政課長
 導入まで1年あるので、理解を得られるように鋭意努力したい。

井田委員
 1市町村だけが賦課徴収しないということはあってはならない。その場合、森林環境税は廃止することもやむを得ないのではないか。必ず説得することを真剣に考えてほしいがどうか。

山口環境森林部長
 理解をいただけるように全力を尽くしたい。また、林政推進協議会、市長会及び、関係団体等とも協力し、理解をいただけるよう努めていきたい。

(5)課税対象の法人について

高田委員
 課税対象法人の規模別の数、割合はどうなっているか。

福田税務課長
 23年度決算では、法人の県民税均等割が課税されている法人数は、約47,400社ある。
 資本金等の区分ごとでは、1千万円以下は約37,600社で79.3%、1千万円を超え1億円以下は約7,000社で14.7%、1億円を超え10億円以下は約1,400社で3.0%、10億円を超え50億円以下は約600社で1.2%、50億円を超えるものは約800社で1.8%となっている。

(6)県民理解について

狩野副委員長
 特別委員会を設置した経緯は、委員会報告書にもあるとおり、水も空気もただという風潮があるなか、恵まれた自然環境を子々孫々に引き継いでいかなければならないということである。森林環境税の導入は、県民意識を覚醒させる狙いもあり、森林の重要性を県民に理解していただく手段でもある。森林環境税を導入するに当たり、その点も加味して県民に理解を深めてもらうことに力点を置いてほしいがどうか。

石井林政課長
 昨年11月に特別委員会の提言をいただいたあと、制度案を取りまとめ、パブリック・コメントを実施し、県民公聴会を開催した。その後、200団体ほど説明に行き、概ね理解を得たと考えている。4月以降も引き続き、これまで以上に積極的に説明に出向き理解を広げていきたいと考えている。

(7)ぐんま緑の県民基金条例について

あべ委員
 基金事業を運営するうえで設置する第三者機関の委員の選考、検討内容及び運営の方法をどのように考えているのか。

石井林政課長
 今後検討する予定であるが、委員は有識者、市町村、事業者等から10名程度を選び、事業内容は委員と協議しながら年内に詰める予定である。

あべ委員
 基金の使途について、本特別委員会での議論はどのように活かされるのか。

石井林政課長
 税率の積算根拠となっている奥山など条件不利地の森林、里山などを整備するため、既存事業にない事業、かつてはあったが制度が変わってなくなった事業を実施する予定である。

(8)市町村提案型事業について

臂委員
 いつ市町村から提案を募り、いつから実施するのか。

石井林政課長
 本年の秋ぐらいを目途に詳細を詰め、市町村に照会したい。当面は前払い等の支払はできないかもしれないが、事業自体は平成26年度の早い時期から実施できるようにしたい。

臂委員
 市町村が提案しても、税収がない場合はどうするのか。

石井林政課長
 法人は決算期がそれぞれ異なるほか徴収率の問題もあるので、初年度は見込んでいる税収の全額は入ってこないと考えている。どれくらい事業が執行できるか検討しながら進めたい。

臂委員
 仮に景気が悪くなり導入が延期された場合、事業も先延ばしするのか。それとも、寄附金があるので動き出すのか。

石井林政課長
 税の徴収をやめるとなれば寄附金の財源のみでの事業の実施は難しい。延期や中止と決まった時点で関係者とよく相談したい。

臂委員
 景気が悪化したからといって施行を延期すると、いろいろな事業を中止しなければならない。
 これから施行の判断を行う秋にかけてリーマンショックのような大幅な景気の悪化は起こらないのではないか。

福田税務課長
 条例の提案は、足許の経済状況、先行きの経済見通しをもとに判断した。具体的には、昨年の年末から円安・株高が進行し、2月の月例経済報告では2カ月連続で基調判断を上方修正した。政府経済見通しでは、平成25年度の実質経済成長率を2.5%増と見込んでいる。現時点で、平成26年度以降の経済情勢を予測することは困難であるが、足許の景気判断や政府経済見通し等からは、大幅な景気後退リスクは薄れていると判断している。ただし、景気は海外経済等の外的要因にも大きく左右されることもあることから、リーマンショックのような大幅な景気の悪化が絶対に起こらないとは言い切れないので、万が一そのような事態が生じた場合には「経済状況等を考慮し判断する」と申し上げたものである。


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