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【3月11日】登録有形文化財(建造物)の登録について(文化財保護課)

 国の文化審議会(会長 宮田亮平(みやたりょうへい))は、平成28年3月11日(金)に開催された同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、新たに199件の建造物を登録するよう文部科学大臣に答申を行いました。
 この199件の中には、本県所在の下記の建造物9件(3箇所)が含まれています。
 この結果、近日中に行われる官報告示を経て、全国の登録有形文化財(建造物)は、10,691件、本県の登録有形文化財(建造物)は333件となる予定です。

1 答申が行われる予定の本県所在の登録有形文化財(建造物)


  1. 旧大竹酒造煉瓦蔵(きゅうおおたけしゅぞうれんがぐら) 1件(前橋市三河町)
  2. 横手館本館東棟(よこてかんほんかんひがしとう)ほか 2件(渋川市伊香保町)
  3. 今井酒造店店舗兼主屋(いまいしゅぞうてんてんぽけんしゅおく)ほか 6件(太田市鳥山中町)

2 登録有形文化財(建造物)登録基準

(平成8年8月30日文部省告示第152号、改正 平成17年3月28日文部科学省告示第44号)
 建築物、土木構造物及びその他の工作物(重要文化財及び文化財保護法第182条第2項に規定する指定を地方公共団体が行っているものを除く。)のうち、原則として建設後50年を経過し、かつ、次の各号の一に該当するもの。

 (1)国土の歴史的景観に寄与しているもの
 (2)造形の規範となっているもの
 (3)再現することが容易でないもの

3 「旧大竹酒造煉瓦蔵 1件(前橋市)」の概要

(1)名称

旧大竹酒造煉瓦蔵 1件
No. 名勝 員数 構造、形式及び大きさ 建築年代 登録基準
1 旧大竹酒造煉瓦蔵
(きゅうおおたけしゅぞうれんがぐら)
1棟 煉瓦造2階建 切妻造桟瓦葺
建築面積:236平方メートル
大正後期 (1)

(2)所有者及び所在地

 前橋市(群馬県前橋市三河町1丁目28-23)

(3)特徴等

 合資会社大竹酒造は、「寿々川」の銘柄の酒で昭和47年(1972)まで醸造を行い、「オタケサン」の愛称で市民に親しまれていた。当建物は創業にあたり昭和8年(1933)に購入したもので、和小屋組で南北を桁行とし南側を正面とする。規模は、桁行25.786メートル、梁間9.160メートル、桁高5.577メートルであり、かつて酒造施設の仕込み蔵として使われていた。外壁は赤煉瓦のイギリス積みで、内部は1階が間仕切りの無い一室空間で、4面に開口部を設けている。往事は1階に酒造桶を並べ仕込みを行い、2階で酵母造り等の作業を行ったと考えられる。
 煉瓦積みは、軒蛇腹・破風(ハフ)・開口部周り(一部)・柱型(一部)・外巾木等に焼過煉瓦(ヤキスギレンガ)を使用し、持送り積みで立体感のある装飾が施され、開口部上部は弓形アーチで粗迫り持ちとなっている。出入り口の巻厚は4枚巻で焼過煉瓦を使い要石を模し、窓は2枚巻としており、意匠を凝らしたデザイン性の高い建築である。
当建物は平成25年に前橋市の所有となり、その後多目的イベントホールとして多くの市民に利用されている。

(4)写真(提供:前橋市教育委員会)

外観東面(南東から)の画像

外観東面(南東から)

1階内部(北から)の画像

1階内部(北から)

2階の小屋組(南から)の画像

2階の小屋組(南から)

正面出入口(南から)の画像

正面出入口(南から)


4 「横手館本館東棟ほか 2件(渋川市)」の概要

(1)名称

横手館本館東棟ほか 2件
No. 名称 員数 構造、形式及び大きさ 建築年代 登録基準
2-1 横手館本館東棟
(よこてかんほんかんひがしとう)
1棟 木造3階建 入母屋造・亜鉛鉄板葺
建築面積:519平方メートル
大正9年頃
昭和後期、平成22年改修
(1)
2-2 横手館本館西棟
(よこてかんほんかんにしとう)
1棟 木造4階建 入母屋造・亜鉛鉄板葺
建築面積:369平方メートル
大正10年頃
昭和前・後期改修
(3)

(2)所有者及び所在地

 株式会社 横手館(群馬県渋川市伊香保町伊香保12番地1)

(3)特徴等

 伊香保温泉石段街の上方東に位置し、木造旅館建築の外観を残す数少ない建造物。伊香保温泉はたびたび大火にみまわれ、大正9年(1920)の大火で横手館も焼失。東棟は同年、西棟は翌10年に建築されたと伝わる。
東棟、西棟とも各階の庇の間には木製建具が上下にそなえられ、内部広縁には手すりがあり、往時の外廊下を思わせる造りである。東棟は丸太の付柱が特徴的である。西棟の2階より4階まですべて船枻造り(セガイヅクリ)、庇と船枻の奥行が東棟とは異なる趣きとなる。

(4)写真(提供:株式会社 横手館)

東棟(左)及び西棟(右)の画像

東棟(左)及び西棟(右)

東棟(手前)及び西棟(奥)の画像

東棟(手前)及び西棟(奥)

東棟ダイニングルームの画像

東棟ダイニングルーム

西棟客室の画像

西棟客室


5 「今井酒造店店舗兼主屋ほか 6件(太田市)」の概要

(1) 名称

今井酒造店店舗兼主屋ほか 6件
No. 名称 員数 構造、形式及び大きさ 建築年代 登録基準
3-1 今井酒造店店舗兼主屋
(いまいしゅぞうてんてんぽけんしゅおく)
1棟 木造2階建 切妻造桟瓦葺(昭和51年頃瓦を葺替)
建築面積:223平方メートル
明治前期建築
明治33年移築
平成15年改修
(1)
3-2 今井酒造店本蔵
(いまいしゅぞうてんほんぐら)
1棟 土蔵造2階建 切妻造桟瓦葺
建築面積:254平方メートル
明治41年 (1)
3-3 今井酒造店新蔵
(いまいしゅぞうてんしんぐら)
1棟 土蔵造2階建 切妻造桟瓦葺
建築面積:308平方メートル
明治42年建築
昭和40年頃改修
(1)
3-4 今井酒造店釜場及び瓶詰め場
(いまいしゅぞうてんかまばおよびびんづめば)
1棟 木造2階建 切妻屋根スレート瓦葺
建築面積:155平方メートル
明治41年 (1)
3-5 今井酒造店文庫蔵
(いまいしゅぞうてんぶんこぐら)
1棟 土蔵造2階建 切妻造置屋根桟瓦葺
建築面積:21平方メートル
明治41年 (1)
3-6 今井酒造店煙突
(いまいしゅぞうてんえんとつ)
1棟 基部寸法1.3メートル四方、高さ約13.8メートル(残存煉瓦積の高さ約7.5メートル)
上部は昭和中頃に撤去し鋼製に改修
明治41年
昭和40年頃改修
(1)

(2)所有者及び所在地

 個人(群馬県太田市鳥山中町)

(3)特徴等

 今井酒造店は、慶応2年(1866)に創業した酒造店で、赤城山の南東部の麓、渡良瀬川により形成された大間々扇状地扇端湧水帯の豊富な水を利用して平成20年まで酒造業を営んでいた。敷地の中ほどに店舗兼主屋があり、その西に接して文庫蔵、北に本蔵・釜場及び瓶詰場、本蔵の南に新蔵、そして店舗兼主屋と釜場との間に煙突が配置されている。
 店舗兼主屋は、外壁は杉の下見板横張りに改修されているが、一部漆喰壁仕上げ。当初、東寄りに店舗として利用した広い土間があり、西半は座敷を田字型に配置している。現在は住宅として使用されているが、農家を基本とする大規模住宅の佇まいがのこされている。
 本蔵は、桁行12間・梁間5間大規模な土蔵で、外壁が漆喰仕上げ一部杉の下見板横張り。基礎石は藪塚石を使用する東西に長い建物で、蒸し米の放冷、酒母・もろみ造り、貯蔵など清酒醸造工程の主要機能を担っていた施設である。
 新蔵は、桁行10間梁間9.5間の南北に長い建物で、1階床は土間、2階床は板張りとしている。本蔵と同様、酒造の中核をなす施設である。
 釜場及び瓶詰場は、酒造りの最初の作業である洗米、蒸米と、最終工程の瓶詰めの作業を行った建物で、内部に窯場がある。また蔵人の休憩、生活の場でもあった。妻面に梁組を見せるなど意匠を凝らす。
 文庫蔵は、酒造業に関する多くの記録や、申請及び報告の書類を収納する建物とし建てられたと考えられる。現在も酒造業に関する史料が多数残されており、明治後期以降の当地域の酒造業を研究するうえで貴重な史料である。
 煙突の煉瓦は、イギリス積で積まれている。昭和初期の写真で上部まで煉瓦造りの美しい姿であったことが確認できる。煙突は酒造業に欠かせない施設であり、現在も地域のシンボルとなっている。

(4)写真(提供:太田市教育委員会)

店舗兼主屋(南東から)の画像

店舗兼主屋(南東から)

本蔵(手前の建物は釜場・瓶詰場)(北東から)の画像

本蔵(手前の建物は釜場・瓶詰場)(北東から)

新蔵(西から)の画像

新蔵(西から)

釜場・瓶詰場(東から)の画像

釜場・瓶詰場(東から)

文庫蔵全景(南から)の画像

文庫蔵全景(南から)


煙突(西から)の画像

煙突(西から)


このページについてのお問い合わせ

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〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-4684
FAX 027-243-7785
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