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鏑川圏域河川整備計画(変更)

更新日:2011年3月1日 印刷ページ表示

 河川法第16条の2に基づき、鏑川圏域の一級河川において今後30年間に行う整備の具体的な内容を、平成17年2月に定めました。
 本ページは、平成19年9月の台風9号により発生した被害を受けて、再度の浸水被害の防止に取り組むため、被災箇所の対策を新たに計画し、学識経験者、地域住民及び関係市町長の意見を聞いて、策定済みの上記河川整備計画の一部を変更し、平成22年3月に国の認可を受けた計画を掲載しているものです。
 なお、適宣その内容について点検を行い、必要に応じて変更するものとします。

目次

第1章 圏域の概要

第2章 河川の現況と課題
 第1節 河川の概要
 第2節 洪水による災害の発生の防止又は軽減に関する事項
 第3節 河川の利用及び流水の正常な機能の維持に関する事項
 第4節 河川環境の整備と保全に関する事項

第3章 河川整備計画の目標に関する事項
 第1節 計画対象区間及び計画対象期間に関する事項
 第2節 洪水による災害の発生の防止又は軽減に関する事項
 第3節 河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持に関する事項
 第4節 河川環境の整備と保全に関する事項

第4章 河川整備の実施に関する事項
 第1節 河川工事の目的、種類及び施行場所並びに設置される河川管理施設の機能の概要
 第2節 河川の維持管理の種類

第5章 河川情報の提供、地域や関係機関との連携等に関する事項
 第1節 河川情報の提供に関する事項
 第2節 地域や関係機関との連携等に関する事項

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第1章 圏域の概要

 鏑川は、群馬県と長野県の県境に位置する物見山付近に源を発して南東へと流下し、市野萱川、南牧川を合流しながら妙義山麓を下り東に進路を変え、雄川、高田川を合わせて富岡市街地を流下し、さらに鮎川を合流して高崎市で烏川へと流れ込む流路延長58.8km、流域面積632.4平方キロメートル、69支川を持つ本県西部地域を代表する一級河川である。このうち鮎川合流後の下流3kmが国土交通省管理区間であり、それ以外は県管理区間である。

 鏑川圏域の北西部と南側は、妙義・荒船山地と関東山地を中心に標高1,000メートルを超える山々をなし、そこから下流に向かい、丹生丘陵地や小幡丘陵地など100メートルから600メートル程度の起伏を持つ丘陵山地が分布し、鏑川の上流地域を形成している。下流地域は圏域の北東部で、下位が砂礫台地、上位がローム台地の河岸段丘が発達し、さらに下流は氾濫原性の低地となっている。

 上流地域の特徴は、妙義山や荒船山などの大岩壁からなる山々や急峻な地形に作られた段々畑などである。

 下流地域は、段丘面を利用して市街地や農耕地が形成されている。

 圏域内の地質は、上流地域の妙義山周辺は火山活動による安山岩類で覆われており、南部山間地域は変成岩類及び秩父古生層から成り、下流地域は第三紀層の頁岩や砂岩を基盤とし、その上を第四紀の関東ローム等の堆積物が覆っている。

 圏域内の気候は、内陸性の気候で積雪も少なく、年平均降水量は1,200mm前後で県内でも降水量が少ない地域であり、比較的温暖で過ごしやすい地域と言える。また、この圏域には豊かな自然が存在し、多くの動植物が生息・生育している。

 このような環境から圏域内では古くから人々の生活が営まれ、縄文・弥生期の遺跡も数多く点在しており、中でも富岡インターチェンジ附近の中高瀬観音山遺跡は弥生時代における高地性集落の可能性を示す貴重なものとなっている。また、奈良時代初期の多胡郡建郡を記念して建てられた日本三古碑の一つである多胡碑、日本名水百選の雄川堰が流れ、武家屋敷、庭園など江戸時代の面影を残す城下町小幡、明治期における我が国の近代産業の先駆的役割を果たした官営富岡製糸工場などがある。

 鏑川とその支流が流れる市町村は、下仁田町、南牧村、富岡市(旧妙義町含む)、甘楽町、吉井町、藤岡市、高崎市の7市町村であるが、特に鏑川と密接な関わりがあり、沿川に生活圏があるのは、下仁田町、南牧村、富岡市、甘楽町、吉井町の5市町村である。鏑川圏域は、これら5市町村、人口約11万人から成り、その内富岡市に約50%の人々が集中しており、富岡市を中心とした生活形態となっている。近年の人口の推移は、山間地域は過疎化により減少傾向にあり、市街地周辺地域は増加傾向であるため、圏域全体としてはほぼ横這い状態となっている。

 東京圏から身近な距離にあり、富岡市を中心とする市街地と山間地の緑豊かな自然環境を有している当圏域では、今後、都市交流型農業への取り組みや余暇活動の場としての利用等により進展が見込まれている。

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第2章 河川の現況と課題

第1節 河川の概要

 鏑川圏域には県が管理する河川が66あり、国が管理する烏川へ注いでいる。

第2節 洪水による災害の発生の防止又は軽減に関する事項

 鏑川圏域内における過去の大きな水害は、昭和22年のカスリーン台風、昭和23年のアイオン台風、昭和24年のキティ台風による洪水を始めとし、近年においては昭和49年、昭和57年、昭和58年、平成10年、平成11年、平成13年、平成19年等で洪水による床上浸水を伴う水害が発生している。

 特に昭和57年の台風10号による洪水は、床上床下合わせて156棟の家屋や17.3ヘクタールの農地が浸水するなど多くの被害が発生し、圏域内に住む人々の記憶に残るものとなっている。

 また、平成19年の台風9号では、流域内の観測所の一部では3日間500mmを超える降雨があり、鏑川本川沿いの未改修の無堤区間では局所的に床上床下浸水が発生した。圏域内全体でも、浸水被害は過去最大の戸数となっており、被害の大きさが際だっている。

 鏑川圏域における治水事業としては、昭和29年頃から洪水氾濫のあった支川を中心に事業が実施され、長根川、庭谷川、大牛川、大沢川、南牧川など河川改修事業が完了している。また、鏑川沿川の治水対策として平成4年度に道平川ダムが、大仁田川沿川の治水対策として平成13年度に大仁田ダムが完成した。さらに市街地内を流下し過去において幾度となく洪水被害が発生している高田川は、昭和63年度から改修事業に着手し平成15年度に改修が概成している。また、同様に蚊沼川においても、市街地内の浸水発生が多発する箇所が平成19年度に改修が概成したことから、被害の軽減が図れている。

 このような治水施設の整備により大きな水害は減少しているものの、鏑川本川下流部や局所的な低地部などでは、未だに浸水被害が発生しており、浸水被害軽減のための治水事業が今後とも必要である。

第3節 河川の利用及び流水の正常な機能の維持に関する事項

 鏑川圏域の河川の水利用は、古くから農業用水が主体であるが、しばしば渇水時において水不足が発生していたため、昭和33年度から国営鏑川農業水利事業により大塩、丹生、竹沼の貯水池が整備され、南牧頭首工、下仁田頭首工及び中村堰などから取水が行われている。

 水道用水の鏑川からの取水においては、給水区域の拡大や生活様式の変化に伴う水需要の増加に対応するため道平川ダムが建設され、下仁田町、富岡市、吉井町及び甘楽町の北部に供給するための水を確保している。また、支川部からの取水については、基礎岩盤が浅く井戸等地下水の利用が困難な地域特性から、水源のほとんどが不安定な沢水や湧水などであるため、大仁田ダムを建設し南牧村の水道用水を確保している。

 なお、多くの水力発電所を持つ群馬県内において、鏑川の流水は水力発電に利用されていない。

第4節 河川環境の整備と保全に関する事項

 鏑川圏域の上流地域は、妙義荒船佐久高原国定公園に指定され、豊かな自然環境が残っている。この地域を流れる河川は、山間地の渓流河川となっており、河床部には大きな石が多く、水の流れは変化に富み、イワナ、ヤマメ、ギバチなどの清流を好む魚や、貴重種であるシマドジョウやカジカ、ヨシノボリなどの底生魚が生息している。

 下流地域の鏑川本川では、一部築堤区間があるが概ね堀込河道の形態で、川幅も広く河床勾配も緩やかになり中州や大きな淵が見られ、オイカワ、モツゴ、ギンブナなど回遊魚やヨシノボリや貴重種であるカマツカなどの底生魚が生息し、アユやニジマスなどが放流されている。下流地域の支川は、都市部及び都市近郊の田園地帯を流れる河川の様相を呈しており、一部築堤河道もある。また、本川に比べ深い川もなく、地域の人々にとって近づきやすく身近に感じることのできる河川となっている。

 河川の水質については、鏑川全区間に環境基準A類型が指定されており、下流部の環境基準点である鏑川橋におけるBODの環境基準の状況は、平成12年以降達成されていたが、平成16年より未達成が続いている。

 また、吉井町、富岡市、甘楽町においては、豊かな自然と地域の歴史・文化的遺産などを結ぶ河川を中心とした水と緑のネットワーク計画が策定されるなど、川への関心も高まっている。その中でも吉井町の大沢川では地域住民の意見を生かした住民参加型の川づくりが実施された。また、ホタル等水生昆虫の保護及び復活が丹生川などの地域住民の取り組みで行われており、人と河川との結びつきを回復する努力が始まっている。

 なお、圏域内のほとんどの河川で漁業権が設定されており、上流地域ではイワナやヤマメを目的とした渓流釣り、下流地域ではアユの友釣りなどが行われ、多くの釣り人に利用されている。

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第3章 河川整備計画の目標に関する事項

第1節 計画対象区間及び計画対象期間に関する事項

  • 計画対象区間は、圏域内一級河川の県管理区間すべてとする。
  • 計画対象期間は、一連の河川事業の完成によって効果が期待できる今後概ね30年間とする。なお、社会状況、災害の発生状況等に応じて、適宜見直しを行うこととする。

第2節 洪水による災害の発生の防止又は軽減に関する事項

 鏑川圏域において、多くの支川にて洪水被害を発生させた昭和57年8月の台風10号と同じ洪水(概ね10年~20年に1回程度発生する規模の洪水)による家屋への浸水被害を防止することを目標とする。

 雄川、蚊沼川は、市街地を流下するため概ね30年に1回程度発生すると予想される洪水による家屋の浸水被害を防止することを目標とする。

 また、河川規模が大きい鏑川本川は、未改修の無堤区間で浸水被害が発生した平成19年9月の台風9号による洪水と同程度の概ね50年に1回程度発生すると予想される洪水による家屋の浸水被害を防止することを目標とする。

第3節 河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持に関する事項

 鏑川圏域の河川において水質、動植物の生息・生育を配慮した水環境の保全のため、そして河川水の利用が支障なく行われるために最低限維持する流量の具体的数値については、健全な水循環系の構築ならびに適正な水利用のあり方等について今後慎重に検討しつつ定めていくものとし、このために必要となる流量調査、水利用実態調査等を行い詳細な河川水の利用状況の把握に努める。

第4節 河川環境の整備と保全に関する事項

 鏑川圏域内の上流地域を流れる自然豊かな河川においては、現状をできる限り維持することにより動植物の生息・生育に適した環境及び景観の保全に努める。

 下流地域の河川においては、市街地を流れ河川利用が多いことから、地域の方々の意見も聞きながら親水性及び周辺との調和を考慮した、人と河川とのふれあいの場となるよう整備するとともに、生態系に配慮し、動植物の生息・生育に適した環境及び景観の保全に努める。

 特に、貴重種が生息する箇所については、学識経験者等の意見を踏まえると共に、生物にとって重要な河床や河岸等の河川全体の環境保全に努め、縦断的な連続性の確保や瀬や淵の保全など生物の生息・生育・繁殖環境の保全に努める。

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第4章 河川整備の実施に関する事項

第1節 河川工事の目的、種類及び施行場所並びに設置される河川管理施設の機能の概要

 河川整備計画の目標を達成するための方策として、次のとおり河川の整備を効果的かつ経済的に実施する。

 また、工事の実施に際しては、河川の水利用の現状を調査し支障なく適正な水利用ができるよう、水辺環境に配慮し、人と川とがふれあうことのできるよう考慮する。

 なお、計画対象期間において、整備を予定するのは次表の区間とする。

整備を予定する区間の一覧表
河川名 整備を予定する区間 延長
鏑川
  1. 吉井工区 多胡橋下流約300メートルから多胡橋上流約880メートルまで
  2. 下河原工区 東部大橋下流約810メートルから下流約200メートルまで
約1080メートル
約610メートル
丹生川 竹之下2号橋下流約350メートルから栄橋まで 約1400メートル
雄川 鏑川合流から清水橋まで 約600メートル
蚊沼川
  1. 本川区間 岩崎橋から堤橋まで
  2. 放流路区間 中沢川から塩の入川合流点下流まで
約2000メートル

 当該河川工事の施行場所以外に浸水被害が発生した箇所については、現地状況に適した治水対策を行い、当面の安全性を確保する。

〔鏑川〕吉井工区

 多胡橋上下流の鏑川では、河積(川の断面積)が小さく、河道も屈曲しており、宅地及び農耕地に浸水被害が発生している。このため、河道の拡幅と線形改良により、概ね50年に1回程度発生すると予想される洪水を安全に流下させる。
 改修に当たっては、自然石等の自然な素材を使用し植生の回復及び保全を図り自然豊かな水辺の整備に努める。
 施工区間:多胡橋下流約300メートルから多胡橋上流約880メートルまで、延長:L=約1,080メートル、整備内容:河道掘削工、護岸工、築堤工

〔鏑川〕下河原工区

 鏑川上流部の下河原地区は、無堤区間があり、宅地及び学校校庭等に浸水被害が発生している。
 このため、築堤工により、概ね50年に1回程度発生すると予想される洪水を安全に流下させる。
 改修に当たっては、貴重種の生息環境を保全するため、河床や水際の改変をできるだけ抑制するなど、自然環境の保全に努める。
 施工区間:東部大橋下流約810メートルから下流約200メートルまで、延長:L=約610メートル、整備内容:築堤工、護岸工

丹生川

 丹生川の薬師橋下流から栄橋までの区間は、河積(川の断面積)が小さいとともに河道の線形が悪く、農耕地等に浸水被害が発生しており、また下流改修済み区間のうち竹ノ下2号橋下流約350メートル区間の左岸側は無堤区間と堤防高が低い区間がある。
 このため、河道の拡幅、線形改良及び築堤を実施し、概ね10年に1回程度発生すると予想される洪水を安全に流下させる。
 改修に当たっては、親水性や植物の生育等に配慮した1:2.0勾配の土羽を基本とし、護岸は構造物付近や水衝部等必要最小限の箇所のみとするとともに、みお筋をつくるなど自然豊かな水際の整備に努める。
 施工区間:竹ノ下2号橋下流約350メートルから栄橋まで、延長:L=約1,400メートル、整備内容:河道掘削工、護岸工、築堤工、橋梁架替工

雄川

 雄川の清水橋から下流約300メートルの区間および、鏑川合流より上流約300メートルの区間は、現状では十分な河積(川の断面積)が確保されていない。
 このため、河道の拡幅、河床掘削等により、概ね30年に1回程度発生すると予想される洪水による家屋の浸水被害を防止する。
 改修に当たっては、自然石等の自然な素材や地被植物が生えやすい多孔質なブロック等を使用し、自然豊かな水際の整備に努める。
 施工区間:鏑川合流から清水橋まで、延長:L=約600メートル、整備内容:河道掘削工、護岸工、築堤工

蚊沼川

 蚊沼川下流部の神農原地区において、河積(川の断面積)が小さく、宅地、農耕地、国道254号及び上信電鉄に浸水被害が発生している。
 このため、下流部の河道拡幅と上流部の塩の入川合流部から中沢川に放水路を整備し、概ね30年に1回程度発生すると予想される洪水を安全に流下させる。
 改修に当たっては、地被植物が生えやすい多孔質なブロック等を使用し、自然豊かな水際の整備に努める。
 施工区間:

  1. 本川区間 岩崎橋から堤橋まで、延長:約1,500メートル
  2. 放水路区間 中沢川から塩の入川合流点下流まで、延長:約500メートル
    延長:L=約2,000メートル、整備内容:河道掘削工、護岸工、分水施設工、橋梁架替工

第2節 河川の維持管理の種類

(1)河川の維持管理の目的

 鏑川圏域内の維持管理は、河川のもつ特性や沿川の土地利用状況を踏まえつつ、「災害の発生の防止」、「流水の正常な機能の維持」、「河川の適正な利用と保全」、「河川環境の整備と保全」の観点から総合的に行う。

(2)河川の維持の種類及び施行の場所

ア 災害発生防止のための管理

(a)河川管理施設の維持管理

 鏑川圏域の河川において日常的に以下のとおり維持管理を行う。

(河川内の維持管理)

  • 河川内に堆積した土砂や草木の繁茂などの影響により河川管理上支障となる場合は、河川環境に配慮しつつ、堆積土の除去、立木の伐採、草刈りなどの必要な対策を行う。

(堤防・護岸の維持管理)

  • 堤防が不同沈下、法崩れ、ひび割れ等により弱体化した場合は、堤防の嵩上げや腹付けなどの必要な対策を行う。
  • 護岸の亀裂など河川管理施設の異常を早期に発見するため、定期的な河川の巡視を行うとともに、異常を発見した場合には、速やかに修繕などの必要な対策を行う。

(河川占用施設の維持管理)

  • 取水堰や橋梁などの占用施設で河道の洗掘や断面の阻害などの河川管理上支障となるものについては、施設管理者と調整し適切な処置に努める。また、施設の新築や改築にあたっては、施設管理者に対して、治水上の影響、河川環境の保全について指導する。

(地域住民等との協働による維持管理)

  • 地域住民やNPO、ボランティア団体などと協力して河川環境の保全を行うため、草刈りや河川清掃などの河川愛護活動を積極的に支援する。また、多くの方の住民参加が得られるよう広報やPR活動に努める。

(県営ダムの維持管理)

  • 道平川ダム及び大仁田ダムについては、ダム本体、貯水池及びダムに係わる施設等を常に良好に保つために必要な計測・点検を行い、その機能の維持に努める。

(b)河川情報の管理

 河川の水位・流量や流域内の降雨などの河川情報を観測・収集して、洪水時の避難や渇水時の節水などを判断する基礎情報とする。

イ 洪水管理

 平時から、水防団をはじめ地域住民に対し、浸水想定区域や洪水氾濫危険箇所を周知するとともに、災害関連情報の提供による水防意識の高揚を図るための広報活動を実施し、防災関係機関(報道機関、消防、警察、通信、電力等)との協力体制の維持強化を図る。

ウ 地震対策

 気象庁が発表する震度が所定の値以上の場合には、速やかに震度や災害の規模に応じた体制を確保し、河川管理施設等の点検を行う。また、河川管理施設等に被害が発生した場合には、速やかに応急復旧作業を実施する。

エ 水量、水質への対応

(a)水量、水質の監視

 地域住民や関係県部局との連携のもと水量、水質の監視を行う。

(b)啓発活動

 関係機関と連携を図り、節水意識の向上や生活雑排水を直接河川へ流さないよう呼びかけるなど啓発活動を行う。

(c)水質事故への対処

 有害物質が河川に流出するなどの水質事故は、生息・生育する動植物のみならず、水利用者にも多大な被害を与える。そのため、日頃から関係機関との連携に努め、事故防止への注意を喚起するとともに、事故発生時には迅速に対応し、被害の軽減に努める。

オ ゴミ、土砂、車両等の不法投棄の防止

 関係機関と連携を図り、地域と一体となった一斉清掃等の河川美化運動の実施、河川巡視の強化、警告看板の設置等により、ゴミや土砂、産業廃棄物、車両、船舶等の不法投棄の未然防止に努めるとともに、不法投棄を発見した場合は、ただちに原因者に撤去させる。

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第5章 河川情報の提供、地域や関係機関との連携等に関する事項

第1節 河川情報の提供に関する事項

(1)常時の情報提供

 インターネットの活用、パンフレットの配布、イベントの開催等により、河川に関する様々な情報の提供を行い、河川整備に関し広く理解を得られるように努める。

(2)洪水時の情報提供

 河川整備目標の実現までには、長期間を要すること、また、計画を上回る規模の降雨が発生する可能性もあるため、降雨の状況や河川水位の情報をリアルタイムで収集し、関係機関や地域の住民に提供することにより水防活動や避難行動等の対策の支援を迅速に行い浸水被害の軽減を図る。

第2節 地域や関係機関との連携等に関する事項

(1)常時の連携

 河川整備の実施にあたっては、国の河川事業、下水道事業、流域市町の排水事業等の流域内の関連事業と連携を図る。さらに、流域全体を視野に入れて適正な河川の管理を行うため、開発行為や土地利用について流域市町や関係機関と連携を図る。

 また、良好な河川環境を保全して行くために、流域の住民の理解と協力がなくてはならないことから地域住民との連携、協力体制の確立に努める。

 油等の流出による水質事故が発生した際は、事故状況の把握、関係機関への連絡、被害の拡大防止措置、河川や水質の監視、事故処理などを迅速に原因者や関係機関と協力して行う。

(2)洪水時の連携

 河川管理者と防災関係機関(報道機関、消防、警察、通信、電力等)との防災情報伝達に努める。

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表紙・目次(PDFファイル:19KB)

第1章 圏域の概要

第2章 河川の現況と課題(PDFファイル:524KB)

第3章 河川整備計画の目標に関する事項(PDFファイル:83KB)

第4章 河川整備の実施に関する事項(PDFファイル:1.06MB)

第5章 河川情報の提供、地域や関係機関との連携等に関する事項(PDFファイル:52KB)

参考資料(PDFファイル:3.58MB)