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八ッ場ダム建設事業に関する1都5県知事共同声明【平成22年10月25日】

更新日:2011年3月1日 印刷ページ表示

 平成22年10月25日に、長野原町の山村開発センターにて開催した「八ッ場ダム建設推進に関わる1都5県知事と地元自治体及び住民代表による意見交換会」後の記者会見において、以下のとおり1都5県の知事が、八ッ場ダム建設事業に関する「1都5県知事共同声明」を発表しました。

八ッ場ダム建設事業に関する1都5県知事共同声明

 これまで洪水、渇水の双方において、数多くの深刻な被害を経験してきた利根川流域の一都五県にとって、八ッ場ダムは、洪水の危険性や水不足への不安を解決するために、必要不可欠な施設である。

 しかしながら、国土交通大臣は昨年、国との共同事業者である流域自治体の意見を全く聞かず、理由や根拠も明らかにしないまま、一方的にダム本体工事の建設を中止した。その後今日まで、「有識者会議での議論を踏まえ、予断を持たずに検証する」と言いつつ、一方で「中止の方針は変わらない」と矛盾した発言を繰り返している。また、有識者会議の中間とりまとめに基づく具体的な検証は進んでいない。国は、今月1日に開催された関係自治体への説明の場においても、検証の結論を出す時期について何ら明らかにせず、流域自治体や地元住民にとって、一年以上、全く無意味な時間が経過している。

 我々は本日、一日も早くこの問題の前進を図るために、改めて現地に集まり、現状をつぶさに視察した。その結果、既に代替地の造成や鉄道の移設等は8割以上進捗し、昨年は工事中であった湖面2号橋、3号橋はほぼ完成している。また、代替地相互をつなぎ地元の生活再建に不可欠な1号橋も着工され、事実上、事業はダム本体工事を残すのみであることを確認した。

 ここまで進んだ事業について、国が中止の結論を出すとすれば、莫大な投資が無駄となるばかりでなく、利根川流域の治水、利水の安全性を向上させる取組を放棄することに他ならない。近年、異常気象が頻発し、従来の想定を越えた洪水、渇水が起こりかねない状況の中で、将来に対する万全の備えをすることは政の根幹である。

 また、下流都県のためにダム建設に協力してきた水没地関係住民からは、用地補償や代替地整備など生活再建事業が遅れていることへの強い懸念が示され、一日も早い生活再建を願う切実な声を聞いた。ダム完成の見通しが持てない現状が長く続く場合、さらにはダムが中止になった場合には、ダム湖を前提とする旅館関係者の営業継続は不可能となり、地域住民は、生活再建の目途が立たず、極めて深刻な状況になることは明らかである。国は、ダム建設の中止表明以降、事業に協力してきた地域住民が2度目の正月を苦悩の中で迎えることのないよう、今後の見通しを一日も早く示す責任がある。

 国がなすべきことは、自ら法的に有効と認めている八ッ場ダムの建設に関する基本計画に基づき、予定通りダムを完成させることである。そのために、ダム本体工事の着工に向けて、有識者会議の中間とりまとめに基づく八ッ場ダムの検証を速やかに実施し、早急に結論を出すべきである。

 ここに、一都五県知事は、国に対し、下記について強く求めることを宣言する。

   1 国土交通大臣は、早急に現地を視察し、ダム本体以外はほとんど出来上がっている事業の進捗状況やダム建設の中止宣言により地元が疲弊している深刻な状況を十分理解した上で、八ッ場ダム本体工事の着工を速やかに決断すること。

 2 国は、有識者会議の中間とりまとめに基づく八ッ場ダムの検証にあたっては、速やかに工程を示し、その結果を早期に出すことを明らかにすること。

 3 国は、八ッ場ダムの建設に関する基本計画に基づき、計画どおり平成27年度までにダムを完成させること。

 4 地元で生活再建をめざしている人々が、これ以上、将来への不安や生活上の不便を来すことがないよう、国の責任において、生活再建事業を遅れることなく確実に完成すること。

 平成22年10月25日

 東京都知事 石原慎太郎

 埼玉県知事 上田 清司

 千葉県知事 森田 健作

 茨城県知事 橋本 昌

 栃木県知事 福田 富一

 群馬県知事 大澤 正明

声明文(PDFファイル:15KB)

合同記者会見の様子

合同記者会見の様子の画像
左から、群馬県知事、栃木県知事、埼玉県知事、東京都知事、茨城県知事、千葉県知事(代理:千葉県県土整備部長)