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地方分権とは?-人には聞けない地方分権入門-

更新日:2019年6月12日 印刷ページ表示

目次

Q(質問)地方分権って何なの?

A(回答)国がもっている地方に関する決定権や仕事をするために必要なお金を地方(市町村と県)に移して、住民に身近な行政サービスをその地域で決められるようにすることです。

Q(質問)国が色々なことを決めると、何か問題があるの?

A(回答)法律などで、全国一律の決まりを細かく定めているため、地方は、地域の実情に合わせた対応がしづらく、国の決まりに合わせるためにあまり必要のないことが求められたり、本当に必要なことがしづらかったりするなどの不都合があります。

Q(質問)何で、地方は国からお金を移してもらいたいの?

A(回答)国と地方の仕事の量(歳出)は4対6となっていますが、国の税金と地方の税金の割合は、反対に6対4となっています。このため、国からお金を補助(補助金)してもらわなければ、地方は仕事をすることができない仕組みとなっています。
 補助金の手続きのために、地方は何度も国の役所と往復しなければならず、都道府県だけでも年間530万時間もの手間と、125億円もの人件費がかかっているという試算(全国知事会)もあります。
 また、国は補助をする条件として色々と細かい注文(例えば、保育所の基準、道路の基準など)を付けるため、地域の実情にあった使い方ができない場合があります。
 国に6、地方に4の割合で納められている税金を、仕事の量と一致するように、国に4、地方に6と配分しなおすことで、地方は自分でお金の使いみちを決められるようになり、本当に必要なことに無駄なく使うことができるようになるのです。

Q(質問)地方なら無駄遣いをしないの?

A(回答)住民の皆さんに、より近い地方(市町村と県)で仕事の内容やお金の使い方を決められるようになるので、必要なことだけにお金を使うようになるほか、住民の皆さんのチェックの目が行き届きやすくなります。
 なお、群馬県では、「行政改革大綱」に基づき、全職員がスピード感とコスト意識を持ちながら、県民目線による県政の実施に努めています。経済の状況が厳しく、県の収入も伸び悩む中で、これからも県民の皆さんの生活を守り、地域の活性化を進めていくため、不断の努力をしていきます。

 参考 地方公共団体の行政改革等(総務省ホームページへ)<外部リンク>

Q(質問)地方分権が進むと、かえって地域間の格差が広がらないの?

A(回答)分権が進み、国から地方に税金の収入が移ると、人口が多くて経済が活発な都市部と、そうではない地方では今まで以上に収入に差が生じます。この収入の差を調整するため、地方交付税(注)制度があります。地方交付税は、こうした地域間の税収の差をならし、どこに住んでいても同じ水準の行政サービスが受けられるようにするための役割を持っています。地方分権が進んだ後でも、安定した行政サービスを続けていくためには、地方交付税のような仕組みは必要です。

注 地方六団体<外部リンク>では、この地方交付税を、国から恩恵的に与えられるものではなく、「自らの財源を他の自治体のために融通しあうことにより、全ての自治体が国に依存せずに、住民に対して一定水準の行政サービスを提供できるようにすべきである」との考え方に基づき、セーフティネットとしての性格をより明確にした「地方共有税」構想を提唱しています。
 地方交付税…本来地方の税収入とすべきであるが、団体間の財源の不均衡を調整し、すべての地方団体が一定の水準を維持しうるよう財源を保障する見地から、国税として国が代わって徴収し、一定の合理的な基準によって再配分する、いわば「国が地方に代わって徴収する地方税」

Q(質問)だいぶ前から地方分権と言われてるけど、進んでいないの?

A(回答)地方分権改革は平成5年に衆参両議院で決議されてから、本格的に進められてきており、その取組みは、大きく分けると2つの時期に分けられます。
 まず、第1次の地方分権改革は、国と地方の関係を上下・主従の関係から対等・協力の関係にすることに力を注ぎ、地方公共団体の首長を国の機関と位置づけ、各省庁の指揮命令のもとに仕事をする「機関委任事務」を廃止するなど、分権型社会への第一歩を踏み出したものと評価されています。しかし、それだけでは十分な改革は進まず、「未完の改革」と呼ばれています。
 平成18年の地方分権改革推進法の成立から現在までが第2次地方分権改革といわれています。この間、地方分権改革推進委員会から、4次にわたり総理大臣に勧告がなされています。第2次の地方分権改革は、生活者の視点に立った「地方政府」(地方が自ら考えて判断し、国の縛りを受けずに実施することができる体制)をつくっていくことを目指し、地方の自由度の拡大、住民に身近な市町村の強化などを進めることとしています。

Q(質問)地方分権が進むと、住民の負担がふえるの?

A(回答)地方分権は、地方自治体が、地域課題の解決や地域づくりに対して主体的に取り組めるようにするための改革です。日本国憲法には、「地方自治の本旨」という言葉がでてきます。
 この「地方自治の本旨」とは、地方自治が住民から負託を受けた地方自治体の責任において運営されるということ(団体自治)と住民の参加によって運営されるということ(住民自治)から成り立つという考え方であり、地方自治にとっては、そのどちらも欠くことのできないものです。
 住民自治の側面から見ると、現代社会では、都市化や少子高齢化などの結果、住民の地域への帰属意識が薄れ、かつては地域の人たちの手で担われていたことも行政に委ねられるなど、公共的な分野における住民自身の主体的な活動範囲が非常に狭くなり、政治や行政と住民の距離が遠ざかっている状況にあります。
 政治や行政を再び住民の手の届くところに近づけ、自己決定・自己責任の原則に基づく自治を実現していくことが、今の地方自治に課せられた最も大きな課題であり、住民のみなさんにもできる限り地域の活動や行政に参加、参画していただくことができるようにしていくことが大事であると考えます。

Q(質問)県は何か地方分権に取り組んでいるの?

A(回答)平成23年4月と8月に成立した地方分権を進めるための法改正によって、県が設置する道路や福祉施設などの基準について、地域の実情に応じて条例で定めることができるようになりました。県では、これを受けて36の条例整備を行い、特別養護老人ホーム等の居室定員を国の基準では1人のところ、4人以下とし、多床室の整備も可能にすることにより入居者の様々な条件に対応したり、特定道路における歩道端部の車道との段差を国の基準では2センチメートルのところ、0センチメートルとしたほか、公園の傾斜路の勾配を国の基準では8%のところを5%とし高齢者・障害者等に一層の配慮をしたりするなどの独自の基準を定めました。

 また、地域のことをできる限りその地域で解決できるようにするためには、住民に最も身近な市町村の役割を強化することが重要であるとの考え(※注)から、市町村への権限移譲にも積極的に取り組んでいます。
 群馬県では、昭和55年度から市町村への権限移譲に取り組んでおり、一般旅券発給申請の受理・交付、土地区画整理事業や鳥獣の捕獲許可等の事務が市町村で処理できるようになっています。現在は、「ぐんま権限移譲推進方針」に基づき権限移譲を進めています。
 一方、国が進めている地方分権改革によって、県から市町村に権限が移譲された場合も、市町村でスムーズに仕事ができるよう、連携や協力、支援などを行っています。

(※注)この考えの基本にあるもの
補完性の原理…地域の問題については、第一に住民自身が対応し、住民だけではできないものは市町村が、より広域的な問題については県が、さらには国が対応するという考え方
近接性の原理…地域における行政を、一番身近な市町村が担うべきとする考え方
市町村優先の原則…住民に一番身近な市町村の能力を強化し、住民の視点に立った行政サービスの向上や、地域のことは地域で解決するしくみを拡大していくという考え方

 さらに、平成26年から内閣府が実施している「地方分権改革に関する提案募集方式<外部リンク>」を活用し、権限移譲や義務付け・枠付けの見直し(地方に対する規制の緩和)について、国に提案を行い、地方分権改革を進めています。

Q(質問)地方分権の結果、住民にとってよくなったことはあるの?

A(回答)例えばパスポートの発給は、平成18年までは県でしかできませんでしたが、法律の改正により、旅券発給事務を市町村へ一部移譲ができるようになりました。
 その結果、群馬県では、平成25年10月からすべての市町村でパスポートの発給の手続きができるようになりました。
 この他、地方分権が行われたことで、全国でも様々な成果が生まれています。

参考 全国知事会 地方分権改革の成果の紹介のページへ<外部リンク>