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表土流亡の現状がひとめでわかる土壌断面標本の掲示をはじめました
令和元年6月4日発
吾妻農業事務所 普及指導課
要約
嬬恋村の傾斜ほ場では、表土流亡防止対策が課題となっていますが、農家が土層の変化を視覚的に確認できる土壌断面標本を作製し、JA嬬恋村にて掲示をはじめました。
1.ねらいと背景
嬬恋村は傾斜地ほ場が多く、表土流亡が進んだ斜面では、下層の硬い火山灰の層(火山砂)が露出し、根張りや排水不良等によるキャベツの生育障害が見え始めています。普及指導課では、農業技術センターと連携し現地調査を行いながら、土層の変化を確認できる土壌断面標本(モノリス)を作製し「農家に視覚的に訴える」取り組みを進めています。
2.取り組み成果
平成30年11月に、キャベツの生育不良が確認された畑の3か所を1m以上掘って、土壌断面標本を作製しました。斜面上位部は表土流亡によって下層が露出し、作土の保肥力や養分、腐植が少なくなり、深さ約40cmには硬い火山砂層があることがわかりました。
調査協力農家は衝撃を持って受け止め、今後どのような対策を進めるか、熱心に意見交換を行いました。また、本年6月には、生産者が集まるJA嬬恋村営農畜産課に、土壌断面標本と流亡防止啓発ポスターを掲示し、営農指導員から説明してもらうこととしました。
3.今後の方向
調査協力農家に、管理作業や土づくりと施肥指導を行い、流亡ほ場の変化を継続調査します。また、表土流亡による土層の変化と流亡防止対策資料を作成して、JA広報紙に掲載し、配布を行う予定です。
写真1 土壌断面を露出し標本を作製する様子
写真2 傾斜ほ場の土壌断面標本を農家に説明