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嬬恋村キャベツ畑の表土流亡軽減対策の啓発成果
令和2年2月17日発
吾妻農業事務所 普及指導課
要約
嬬恋村のキャベツ農家を対象に「後作に緑肥をまいて表土流亡を防ぎましょう」という呼びかけをしていますが、昨年10月の台風19号被害を切っ掛けに農家の関心は大いに高まっています。
1.ねらいと背景
嬬恋村の畑地は、傾斜度が大きく、斜面長も長いのが特徴です。短時間に強い降雨があった場合、作物を育てる表土(作土)はえぐられるように流亡します。特にキャベツの作付けがない期間の流亡が激しいため、できるだけ裸地期間を短くするために、7~8月はエン麦、9~10月はライ麦を緑肥として作付けることを推進しています。
2.取り組み成果
農業事務所では、畑から土壌を流れ出ることを防ぐグリーンベルトや牧草帯の設置、流出してしまった場合に土壌を受け止める沈砂池の設置などの対策を進めています。普及指導課では、関係機関と連携し、キャベツの作付けがない時期に、エン麦やライ麦の根を張らし、土壌が畑の内外に流れないようにすることを指導しています。
しかしながら、7~10月の嬬恋村のキャベツ農家は、収穫や管理作業で忙しく、緑肥の作付けまでできないことがあります。昨年10月の台風19号では、幸い農作物被害は軽微でしたが、長梅雨の影響で、条件が悪く緑肥の作付けができなかった畑と緑肥のある畑では表土流亡に大きな差が見られる結果となりました。
年明け、村内6カ所で開催した栽培講習会では、合計140名の出席があり、緑肥の種類、品種、播種量、播種方法などの質問が多く、参加者の意識の変化が感じ取れました。
3.今後の方向
緑肥による連作障害軽減効果等を検証しながら、地域に定着するよう真摯に活動を継続していきます。
写真1 緑肥による表土流亡軽減効果(赤部分で表土流亡発生)
写真2 JA広報に掲載した緑肥推奨記事の抜粋