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タラの芽の出荷が始まります~新品種を活用した産地化~
令和3年1月20日発
吾妻農業事務所普及指導課
吾妻地域ではタラノキ新品種「ぐんま春王」の導入を契機に、タラの芽産地の育成を進めています。栽培者は45名になり、年々出荷量を向上させています。今年も新春から季節を先取りし、山菜の王様「タラの芽」の出荷が始まります。
1.ねらいと背景
吾妻地域では平成21年に農業技術センターで育成された、タラノキ新品種「ぐんま春王」の導入を契機に、タラの芽産地の育成に取り組んでいます。また、普及指導課では平成27年度から導入した新品種「ぐんま春王NT」の普及、冷涼な気象条件対策としてマルチ栽培、施肥量の最適化、芽出し苗の利用等を試験ほで検討し、栽培面積の拡大に向けた取り組みを行っています。
2.取り組み内容
タラノキの新規栽培者募集をJAあがつまの広報誌により呼びかけ、今年も新たに7名がタラノキ栽培者に加わりました。
4月6日に「ぐんま春王NT」の種根配布に併せて栽培講習会を実施し、生育期には新規栽培者を重点的に巡回して種根定植・穂木の仕立て方法等の支援を行いました。
12月25日には経験の浅い栽培者を対象に、ベテラン栽培者の施設でふかし栽培の現地研修会を行いました。研修会ではタラノキほ場の管理と生育状況、ふかし栽培の手順、温湿度管理、出荷方法のポイントを説明し、情報交換を行いました。研修会では参加者から多くの質問が寄せられ、熱意の高さが感じられました。
本年も12月上旬から穂木の伏せ込みが開始され、平年並みの1月上旬から出荷が始まりました。
3.今後の方向
吾妻地域のタラの芽出荷量は甘楽富岡地区、利根沼田地区に次いで県内3位に位置しています。高標高地の吾妻西部地区(長野原町・嬬恋村)においても導入の動きがあり、新品種「ぐんま春王NT」を核に生産安定技術を確立するとともに、生産拡大により市場での存在感を強めて行きたいと考えています。
タラノキほ場の管理と生育確認の様子
ハウス内でのふかし栽培の様子