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中之条町果樹研究会視察研修会の開催~温暖化による産地の将来を考える~
令和3年8月23日発
吾妻農業事務所普及指導課
要約
中之条町果樹研究会視察研修会を開催し、県内西部地域の果樹生産者を視察しました。今回の視察を通し、温暖化により吾妻の産地が近い将来直面するであろう状況を目の当たりに確認することができました。
1.ねらいと背景
中之条町におけるリンゴの栽培面積は14.1ヘクタールで、観光直売と贈答向けの販売を行っています。
また、吾妻地域では果樹生産者の高齢化、担い手不足が問題となっています。中之条町も生産者が減少していますが、今年4月には1名がリンゴで新規就農(参入)したように担い手の確保も始まっています。しかし、温暖化が進む中でリンゴの栽培条件は年々厳しくなっており、気候変動に対応した品種や品目の転換、栽培技術がより一層求められています。
2.取り組み内容
7月28日に中之条町果樹研究会視察研修会を開催し、高崎市及び甘楽町の果樹生産者を視察しました。
高崎市のミカン生産者の視察では、販売や管理方法を学びました。参加者の中には、ミカン栽培に興味を持つ人もいましたが、中之条町の気候で栽培できるか不明な点があり、リンゴと収穫時期が重なることから導入には、技術情報の収集と営農の見直しが必要です。
次に、甘楽町のリンゴ生産者を視察しました。中之条町よりも温暖な状況でリンゴが栽培されており、生育や品種の違い、防除体系などについて話を伺いました。視察先の園では作業省力化の工夫もされており、参加者は興味深げに話を聞いていました。
今回の視察を通し、温暖化により吾妻の産地が近い将来直面するであろう状況を目の当たりに確認することができました。
3.今後の方向
中之条町果樹研究会では、各種講習会や研修会、イベントを毎年行っています。コロナ禍で活動の制限もありますが、生産者同士のほ場が近いため、情報交換は頻繁に行われています。普及指導課では、引き続き産地への支援を行うとともに、特に担い手の技術指導と販売支援に取り組んでいきます。
ミカンほ場の様子
リンゴほ場視察の様子