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公文書開示審査会答申第188号

更新日:2017年10月26日 印刷ページ表示

「群馬県警伊勢崎警察署の司法警察員を含む警察職員が、被害者に書証も証拠物件もそろっている明白な詐欺事件を、被疑者の言い訳を鵜呑みにして立件しなくてもよい・または立件してはならない、という内容」外1件の公文書不存在決定に対する審査請求に係る答申書

群馬県公文書開示審査会第一部会

第1 審査会の結論

 群馬県警察本部長が行った決定は妥当であり、取り消す必要はない。

第2 諮問事案の概要

1 公文書開示請求

 審査請求人(以下「請求人」という。)は、群馬県情報公開条例(平成12年群馬県条例第83号。以下「条例」という。)第11条の規定に基づき、群馬県警察本部長(以下「実施機関」という。)に対し、別表の(あ)欄に記載の年月日付けで、別表の(い)欄に記載の開示請求(以下「本件各請求」という。)を行った。

2 実施機関の決定

 実施機関は、別表の(う)欄に記載の年月日に、本件各請求に係る公文書について存在しないことを確認し、別表の(え)欄に記載の決定(以下「本件各処分」という。)を行い、不存在の理由を次のとおり付して、請求人に通知した。
 (不存在の理由)
 請求のあった公文書については、作成し、又は取得していないため。

3 審査請求

 請求人は、実施機関に対し、本件処分を不服として平成28年5月12日付け審査請求(以下「本件審査請求」という。)を行った。

4 弁明書の送付

 実施機関は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の規定に基づき、弁明書を作成し、その副本を請求人に送付した。

5 口頭意見陳述の実施

 実施機関は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第31条第1項の規定に基づき、平成29年1月13日、口頭意見陳述を実施した。

6 諮問

 実施機関は条例第26条の規定に基づき、群馬県公文書開示審査会(以下「審査会」という。)に対して平成29年6月7日、本件審査請求事案(以下「本件事案」という。)の諮問を行った。

第3 争点(本件各請求に係る公文書の公文書不存在決定について)

 本件各請求に係る公文書を不存在とした実施機関の決定は妥当であるか。

第4 争点に対する当事者の主張

1 請求人の主張要旨

 条例第14条2のイ違反であり、原処分は群馬県条例を持ち出すまでもなく職権濫用・怠業・警察法違反・憲法違反を隠蔽するものであるため。

2 実施機関の主張要旨

(1)別表項番1に係る公文書について
犯罪捜査等をその責務とする実施機関(警察法(昭和29年法律第162号)第2条第1項等参照)において別表項番1に係る公文書を作成し、又は取得することは通常想定し難いことであって、実際に実施機関では同内容に合致する公文書は、作成又は取得していない。
(2)別表項番2に係る公文書について
別表項番2に係る公文書についても、作成し又は取得することは通常想定し難いことであり、実際に実施機関では、同内容に合致する公文書は、作成又は取得していない。
(3)請求人の条例第14条第2号イ違反の主張について
請求人は、本件審査請求において条例第14条第2号イ違反である旨を主張するが、請求人の主張は本件請求に係る公文書が存在することを前提としたものであり、そもそも、実施機関は同公文書を作成又は取得しておらず、同公文書は存在しないのであるから、同公文書が同規定にいう情報に該当するか否かを検討することはできない。
(4)その余の主張について
請求人によるその余の主張については、本件決定を取り消し又は変更させるものではない。

3 口頭意見陳述における請求人の主張要旨について

 前記第2の5の口頭意見陳述について、実施機関から提出された口頭意見陳述審理録には、請求人の主張として、おおむね以下のことが記されている。
(1)高崎署と伊勢崎署はグルであると言いたい。
伊勢崎署の捜査担当警部補に書証、領収書等を見せたのに立件しない。今日の文書閲覧で、この書証が閲覧文書として明らかにされていないのは、処分庁の手落ちであり、情報隠ぺいである。
したがって、開示請求を求めた文書が存在するはずである。
(2)「管轄外」と言って逃げるのは不法行為もいいところである。
 憲法95条の特別法が成立したことがないということを処分庁の職員は知っているのか。知らないとしたら、処分庁の職員として能力不足である。一番大事な憲法を「知らない」とは公務員としておかしい。このことを知らないのに不存在決定を出したのはおかしい。
 したがって、開示請求を求めた文書が存在するはずである。

第5 審査会の判断

1 争点(本件各請求に係る公文書の公文書不存在決定について)

(1)請求人は、「原処分は群馬県条例を持ち出すまでもなく職権濫用・怠業・警察法違反・憲法違反を隠蔽するものであるため。」と主張している。一方、実施機関は警察法の規定に照らし、本件各請求を内容とする公文書を作成し、又は取得することは通常想定し難いことであって、実際に実施機関では同内容に合致する公文書は、作成又は取得していないと主張する。そこで、本件各請求に係る公文書が実施機関における事務処理において作成又は取得されたか否か検討する。
 なお、本審査会の判断に当たっては、本件各請求の記載内容に照らして、不特定多数の県民に対しての公文書が存在するか否かの観点から判断する。
(2)別表項番1に係る公文書について
すべての地方公務員は、地方公務員法(昭和25年法律第261号)の適用を受け、同法第32条には、法令等に従う義務が定められており、また、警察法2条で規定するとおり、犯罪捜査等をその責務とする実施機関は、犯罪を認知すれば、法令等に基づき検挙等に向けた捜査を行う機関である。したがって、証拠のそろっている明白な詐欺事件を、被疑者の言い訳を鵜呑みにして立件しなくてもよい、又はしてはならないという趣旨の公文書を、作成又は取得することは通常想定し難いことである
 したがって、別表項番1に係る公文書を作成又は取得していないという実施機関の説明に不自然な点はない。
(3)別表項番2に係る公文書について
また、一般県民から被害の申し出があっても、特別法だから自身の管轄外だと逃げてよい、又は逃げなくてはならないという趣旨の公文書をあえて作成又は取得する理由がなく、その必要性も認められない。
したがって、別表項番2に係る公文書を作成又は取得していないという実施機関の説明に不自然な点はない。
(4)以上より、本件各請求に係る公文書を不存在とする実施機関の説明に特段不自然な点は認められず、判断は妥当であると認められる。

2 結論

 以上のことから、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。
 なお、請求人は審査請求書において、本件各処分は条例第14条第2号イに違反すると主張する。しかし、同規定は個人情報であっても一般に公にされている情報については、あえて非開示情報として保護する必要性に乏しいものと考えられることから、ただし書により、本号の非開示情報から除くこととしたものである。そのため、本件各請求に係る公文書は不存在であるという実施機関の判断が妥当である以上、本件各請求に係る公文書が存在することを前提とした請求人の当該主張は是認することはできない。
 また、請求人はその他種々主張するが、本答申の判断を左右するものではない。

第6 審査の経過

当審査会の処理経過は、以下のとおりである。

審査会の処理経過
年月日 内容
平成29年6月7日 諮問
平成29年8月9日
(第62回第一部会)
審議(本件事案の概要説明)
平成29年10月4日
(第63回第一部会)
審議
平成29年10月16日 答申
別表
項番 (あ)
請求年月日
(い)
開示を請求する公文書の内容又は件名
(う)
決定年月日
(え)
決定
1 平成28年4月29日 群馬県警伊勢崎警察署の司法警察員を含む警察職員が、被害者に書証も証拠部件もそろっている明白な詐欺事件を、被疑者の言い訳を鵜呑みにして立件しなくてもよい・または立件してはならない、という内容 平成28年5月9日 不存在
2 平成28年4月29日 群馬県警伊勢崎警察署の司法警察員を含む警察職員が、一般県民から被害の申し出があっても、憲法95条で規定がある特別法など成立した前例がないのに、製造物責任法(例)は特別法だから自身の管轄外だと逃げてよい・または逃げなくてはならない、という内容 平成28年5月9日 不存在

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