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公文書開示審査会答申第195号

更新日:2018年2月19日 印刷ページ表示

「病院局総務課職員が群馬県内務規定を守らなくてよい・又は守ってはならない、という内容」の公文書不存在決定に対する審査請求に係る答申書

群馬県公文書開示審査会 第一部会

第1 審査会の結論

 群馬県知事が行った決定は妥当であり、取り消す必要はない。

第2 諮問事案の概要

1 公文書開示請求

 審査請求人(以下「請求人」という。)は、群馬県情報公開条例(平成12年群馬県条例第83号。以下「条例」という。)第11条の規定に基づき、群馬県知事(以下「実施機関」という。)に対し、平成29年8月8日付けで、「病院局総務課職員が群馬県内務規定を守らなくてよい・又は守ってはならない、という内容」の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。

2 実施機関の決定

 実施機関は、平成29年8月15日に、本件請求に係る公文書について存在しないことを確認し、公文書不存在決定(以下「本件処分」という。)を行い、不存在の理由を次のとおり付して、請求人に通知した。
(不存在の理由)
 当該請求に係る文書は保有していないため。

3 審査請求

 請求人は、実施機関に対し、本件処分を不服として平成29年8月24日付け審査請求(以下「本件審査請求」という。)を行った。

4 弁明書の送付

 実施機関は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の規定に基づき、平成29年9月13日付けで弁明書を作成し、その副本を請求人に送付した。

5 口頭意見陳述の実施

 実施機関は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第31条第1項の規定に基づき、平成29年12月21日、口頭意見陳述を実施した。

6 諮問

 実施機関は条例第26条の規定に基づき、群馬県公文書開示審査会(以下「審査会」という。)に対して平成29年12月26日、本件審査請求事案の諮問(以下「本件事案」という。)を行った。

第3 争点(本件請求に係る公文書の公文書不存在決定について)

 本件請求に係る公文書を不存在とした実施機関の決定は妥当であるか。

第4 争点に対する当事者の主張

1 請求人の主張要旨

 条例第14条(2)イ違反であり、また原処分は群馬県条例を持ち出すまでもなく職権濫用・怠業等の地方公務員法違反・憲法違反を隠蔽するものであるため。

2 実施機関の主張要旨

(1)今回の審査請求に係る開示請求の内容は、病院局総務課の職員は、群馬県の法令等を遵守するべきかについて確認を求めているものと思われるが、まず地方公務員の服務等人事行政に関する根本基準を定めたものとしては、地方公務員法(昭和25年法律第261号)(以下「法」という。)がある。法第32条には、「職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」として、法令等に従う義務が定められている。
(2)また、群馬県病院局職員の服務について定めたものとしては、群馬県病院局の処務及び文書管理等に関する規程第2条があり、同条において準用する群馬県処務規程第14条には、「職員は、県民全体の奉仕者としての職責を自覚し、法令等及び上司の職務上の命令に従うとともに、秘密を守り、誠実かつ公正な職務の執行につとめなければならない。」として、職員が法令等に従う義務が定められている。
(3)以上から、群馬県病院局総務課職員は、法令等を遵守すべき義務があり、「群馬県内務規定を守らなくてよい・又は守ってはならない」などを認める趣旨の公文書を作成又は取得することはない。
(4)したがって、当該請求に係る公文書は、作成又は取得しておらず、保有もしていないため、不存在としたものである。

3 口頭意見陳述における請求人の主張要旨について

 前記第2の5の口頭意見陳述について、実施機関から提出された口頭意見陳述聴取結果記録書には、請求人の主張として、おおむね以下のことが記されている。
(1)私がどのような内務規定を知っているかは言えないが、例えば電話に出られないのであれば架け直さないといけないが、病院局総務課の職員は一度も架け直してきたことがない。
(2)平成29年8月8日は私の電話を勝手に切電した。
(3)こういう事実がある以上請求した公文書があるはずである。
(4)直接話合いをしても解決できないから審査請求をしている。
(5)処分庁は行政不服審査法の趣旨を勘違いしている。

第5 審査会の判断

1 争点(本件請求に係る公文書の公文書不存在決定について)

(1)請求人は、「条例第14条(2)イ違反であり、また原処分は群馬県条例を持ち出すまでもなく職権濫用・怠業等の地方公務員法違反・憲法違反を隠蔽するものである」と主張している。一方、実施機関は、地方公務員法及び群馬県病院局の処務及び文書管理等に関する規程に照らして本件請求に係る公文書を作成することはないと主張する。そこで、本件請求に係る公文書が実施機関における事務処理において作成又は取得されたか否か検討する。
 なお、本審査会の判断に当たっては、本件請求の記載内容に照らして、不特定多数の県民に対しての公文書が存在するか否かの観点から判断する。
(2)請求内容にある「内務規定」についてであるが、請求人からは特定の内容及び条文を指すものであるとの主張はないため、ここでは服務規程や処務規程などを含むおよそ内務規程に該当するもの一般を指しているものとして判断する。
(3)実施機関における一般職に属するすべての地方公務員は法の適用を受けるが、法第32条には法令等及び上司の職務上の命令に従う義務が定められている。また、群馬県病院局の処務及び文書管理等に関する規程第2条においても、同様に法令等及び上司の職務上の命令に従う義務が定められている。したがって、内務規定を守らなくてよい・又は守ってはならないという趣旨の、法令や規程に反する公文書を作成又は取得することは通常想定し難い。
(4)したがって、本件請求に係る公文書を不存在とする実施機関の説明に特段の不自然な点は認められず、判断は妥当であると認められる。

2 結論

 以上のことから、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。
 なお、請求人は審査請求書において、本件処分は条例第14条第2号イに違反すると主張する。しかし、同規定は個人情報であっても一般に公にされている情報については、あえて非開示情報として保護する必要性に乏しいものと考えられることから、ただし書により、本号の非開示情報から除くこととしたものである。そのため、本件請求に係る公文書は不存在であるという実施機関の判断が妥当である以上、本件請求に係る公文書が存在することを前提とした請求人の当該主張は是認することはできない。
 また、請求人はその他種々主張するが、本答申の判断を左右するものではない。

第6 審査の経過

 当審査会の処理経過は、以下のとおりである。

審査会の処理経過
年月日 内容
平成29年12月26日 諮問
平成30年1月5日
(第65回第一部会)
審議(本件事案の概要説明)
平成30年2月14日
(第66回第一部会)
審議
平成30年2月15日 答申

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