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公文書開示審査会答申第151号
「県立○○○○センター(以下甲という)の看護師長(以下乙という)が、既に乙自身の懲戒請求書付の異議申立(以下丙という)をされていながら、丙の決裁が未だ出ていないことをいいことに甲の患者に怠業・職権濫用・内規違反・憲法違反を繰り返してよい・又は繰り返さなければならない、及び乙は医療サービスに従事していながら十分なサービスの知識がなくてもよい・又はあってはならない、という内容」外7件の公文書不存在決定に対する異議申立てに係る答申書
群馬県公文書開示審査会第二部会
第1 審査会の結論
群馬県知事が行った決定は妥当であり、取り消す必要はない。
第2 諮問事案の概要
1 公文書開示請求
異議申立人(以下「申立人」という。)は、群馬県情報公開条例(平成12年群馬県条例第83号。以下「条例」という。)第11条の規定に基づき、群馬県知事(以下「実施機関」という。)に対し、別表の(あ)欄に記載の年月日付けで、別表の(い)欄に記載の開示請求(以下「本件各請求」という。)を行った。
2 実施機関の決定
実施機関は、別表の(う)欄に記載の年月日に、本件各請求に係る公文書について存在しないことを確認し、別表の(え)欄に記載の決定(以下「本件各処分」という。)を行い、不存在の理由を次のとおり付して、申立人に通知した。
(不存在の理由)
○当該請求に係る文書は保有していないため。
3 異議申立て
申立人は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定に基づき、平成26年9月8日付けで本件各処分を不服として実施機関に対し異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)を行った。
4 諮問
実施機関は条例第26条の規定に基づき、群馬県公文書開示審査会(以下「審査会」という。)に対して平成26年9月19日、本件異議申立事案の諮問(以下「本件事案」という。)を行った。
第3 争点(本件各請求に係る公文書の公文書不存在決定について)
本件各請求に係る公文書を不存在とした実施機関の決定は妥当であるか。
第4 争点に対する当事者の主張
1 申立人の主張要旨
- 条例第14条第2号イ違反である。
- 申立人は県立○○○○センター(以下「センター」という。)の職員らが実際に本件各請求にあるような言動があったことを見聞・体験している。申立人はセンターの外来患者であり、条例第14条第2号のイで定められたように本件各請求で特定した公文書があることが容易に推測される。
- 「電話対応」の「臨機応変の対応」の実態は、センター職員が都合が悪いときは電話に出ない・折り返し患者に電話をかけ直さない・都合が悪くなると電話を切る、等であり職権濫用・怠業・群馬県内務規定違反もいいところである。
- 陰でこうした不法行為を指揮・指示しているのがセンター職員の●●●●医師職員であることが判明した。一般市民の見本となるべき公務員が、率先して法令を遵守するどころか、本件各請求及び意見書で名指ししている職員は群馬県内務規定・群馬県情報公開条例・地方公務員法・刑法・憲法に違反している。
- このような不法行為は本件各請求及び意見書で名指ししている各職員の独断でできるわけがなく、この不法行為を行うという共同謀議した公文書があるはずである。
2 実施機関の主張要旨
地方公務員であるセンター職員は、地方公務員法その他の法令を遵守すべき義務があり、地方公務員法に定められた服務に関する規定に反する行為の他、その他具体的に「患者に対し怠業・職権濫用・内規違反・憲法違反を繰り返してよい」「医療サービスの十分な知識がなくてもよい」「ナイチンゲール誓詞に背いて患者に尽くさなくてもよい」「患者の診療治療を拒んでもよい」などを認める趣旨の公文書を作成又は取得することはない。電話対応などは業務の円滑な遂行を考慮し、臨機応変に対応することが求められるものであるため、センターでは、これらの運用についての文書は作成していない。
したがって、本件各請求に係る公文書は、作成又は取得しておらず、保有もしていないため、不存在としたものである。
第5 審査会の判断
1 争点(本件各請求に係る公文書の公文書不存在決定について)
- 申立人は、大要、「センターの職員が群馬県の内務規定違反、情報公開条例に違反する隠蔽、地方公務員法でいう職権濫用罪、怠業罪、刑法犯である詐欺罪・強要罪及び憲法違反をしたため、この不法行為を行うという共同謀議した公文書があるはずである」と主張している。一方、実施機関は、「地方公務員であるセンター職員は、地方公務員法その他の法令を遵守すべき義務があり、地方公務員法に定められた服務に関する規定に反する行為の他、その他具体的に『患者に対し怠業・職権濫用・内規違反・憲法違反を繰り返してよい』『医療サービスの十分な知識がなくてもよい』『ナイチンゲール誓詞に背いて患者に尽くさなくてよい』『患者の診療治療を拒んでもよい』などの趣旨の公文書を作成又は取得することはな」く、電話対応においても「臨機応変に対応することが求められる」として、「本件各請求に係る公文書は、作成又は取得しておらず、保有もしていない」と主張する。
- そこで、本件各請求に係る公文書が実施機関における事務処理において作成・取得されたか否かを検討する。
本件各請求のうち「勝手に時間を決めて架電を切ってよい」という内容の請求については、センターにおける個別具体的な電話対応の根拠となる公文書を請求しているものと認められる。そのため、電話対応に関してセンター職員に確認したところ、「業務の円滑な遂行を考慮したうえで対応をしており、個別具体的な電話対応について定めた公文書は作成していない」ということであったが、電話対応は臨機応変に対応することも求められるものであるため、実施機関の説明に特段の不合理な点は認められない。 - さらに、実施機関における一般職に属するすべての地方公務員は地方公務員法(昭和25年法律第261号)の適用を受けるが、同法第32条には法令等及び上司の職務上の命令に従う義務が定められている。また、医師法(昭和23年法律第201号)第19条第1項には、「診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」と規定されている。センターは地方公共団体の一機関であり医療機関でもあるため、職員がこれらの法令に従うのは当然のことであるが、そもそも一般的に公的医療機関の職員が不法行為その他の信用を失墜するような行為や、医師法第19条第1項に規定する医師の応召義務を否定するような行為を「行ってよい又は行わなければならない」という趣旨の公文書を作成又は取得することは通常想定し難いことである。そのため、本件各請求に係る公文書は存在しないとする実施機関の説明に特段の不合理な点は認められない。
その他、申立人は「各職員の独断でできるわけがなく、この不法行為を行うという共同謀議した公文書があるはずである」と主張するが、この主張は実施機関が本件各請求に係る公文書を作成又は取得したものというには根拠に乏しいものである。 - したがって、本件各請求に係る公文書を不存在とする実施機関の判断は妥当であると認められる。
2 結論
以上のことから、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。
なお、申立人は異議申立書において、本件各処分は条例第14条第2号イに違反すると主張する。しかし、同規定は個人識別情報であっても一般に公にされている情報については、あえて非開示情報として保護する必要性に乏しいものと考えられることから、ただし書により、本号の非開示情報から除くこととしたものである。そのため、本件各請求に係る公文書は不存在であるという実施機関の判断が妥当である以上、本件各請求に係る公文書が存在することを前提とした申立人の当該主張は是認することはできない。
また、申立人はその他種々主張するが、本答申の判断を左右するものではない。
第6 審査の経過
当審査会の処理経過は、以下のとおりである。
年月日 | 内容 |
---|---|
平成26年 9月19日 | 諮問 |
平成26年10月27日 | 実施機関からの理由説明書を受領 |
平成26年12月22日 | 異議申立人から意見書を受領 |
平成27年 1月20日 (第43回 第二部会) |
審議(本件事案の概要説明) |
平成27年 2月23日 (第44回 第二部会) |
審議(実施機関の口頭説明) |
平成27年 6月 3日 (第45回 第二部会) |
審議 |
平成27年 6月24日 | 答申 |
項番 | (あ) 請求年月日 |
(い) 開示を請求する公文書の内容又は件名 |
(う) 決定年月日 |
(え) 決定 |
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1 | 平成26年8月2日 | 県立○○○○センター(以下甲という)の□□□□看護師長(以下乙という)が、既に乙自身の懲戒請求書付の異議申立(以下丙という)をされていながら、丙の決裁が未だ出ていないことをいいことに甲の患者に怠業・職権濫用・内規違反・憲法違反を繰り返してよい・又は繰り返さなければならない、及び乙は医療サービスに従事していながら十分なサービスの知識がなくてもよい・又はあってはならない、という内容 | 平成26年8月14日 | 公文書不存在決定 |
2 | 平成26年8月3日 | 県立○○○○センター(以下甲という)の△△△△△看護師長(以下乙という)が、既に乙自身の懲戒請求書付の異議申立て(以下丙という)をされていながら、丙の決裁が未だ出ていないことをいいことに甲の患者に怠業・職権濫用・内規違反・憲法違反を繰り返してよい・又は繰り返さなければならない、及び乙は医療サービスに従事していながら十分なサービスの知識がなくてもよい・又はあってはならない、という内容 | 平成26年8月14日 | 公文書不存在決定 |
3 | 平成26年8月3日 | 県立○○○○センター(以下甲という)の△△△△△看護職員(以下乙という)が、甲の訪問看護室師長なのに、訪問看護を希望している一人暮らしの外来患者(以下丙という)のために、乙が誓ったナイチンゲール誓詞(以下丁という)に背いて、尽力しなくてもよい・又はしてはならない、及び丙に乙がこの件に関してなじられても、乙は丁の中の尽くすの意味が違う、と言い逃れしてもよい、又はしなければならない、という内容 | 平成26年8月14日 | 公文書不存在決定 |
4 | 平成26年8月5日 | 県立○○○○センター(以下甲という)の■■■■■看護師長(以下乙という)が、甲の▲▲▲▲▲が主治医の外来患者(以下丙という)のために、乙が誓ったナイチンゲール誓詞(以下丁という)に背いて、尽くさなくてもよい・又は尽くしてはならない、及び丙に乙がこの件に関してなじられても、乙は丁の中の尽くすの意味が違う、と言い逃れしてもよい・又はしなければならない、という内容 | 平成26年8月14日 | 公文書不存在決定 |
5 | 平成26年8月5日 | 県立○○○○センター(以下甲という)の◆◆◆◆看護職員(以下乙という)が、甲の▲▲▲▲▲が主治医の外来患者(以下丙という)のために、乙が誓ったナイチンゲール誓詞(以下丁という)に背いて、尽くさなくてもよい・又は尽くしてはならない、及び丙に乙がこの件に関してなじられても、乙は丁の中の尽くすの能力がない、と言い逃れしてもよい・又はしなければならない、という内容 | 平成26年8月14日 | 公文書不存在決定 |
6 | 平成26年8月13日 | 県立○○○○センター(以下甲という)の▼▼▼▼医師職員(以下乙という)が、甲にて勤務中、乙が医師法第19条に背いて正当な事由もなしに、▲▲▲▲▲が主治医の外来患者に診察治療を拒んでよい、又は拒まなければならない、という内容 | 平成26年8月22日 | 公文書不存在決定 |
7 | 平成26年8月14日 | 県立○○○○センター(以下甲という)の××××医師職員(以下乙という)が、甲にて勤務中、乙が医師法第19条に背いて正当な事由もなしに、▲▲▲▲▲が主治医の外来患者に診察治療を拒んでよい、又は拒まなければならない、という内容 | 平成26年8月22日 | 公文書不存在決定 |
8 | 平成26年8月27日 | 県立○○○○センター(以下甲という)の◇◇◇◇医師職員(以下乙という)が甲にて勤務中、甲の▲▲▲▲▲が主治医の外来患者(以下丙という)に最高裁判例に基づいて侮辱・罵倒・非難されると、乙は医師法第19条に背いて診察治療をしなくてよい・またはしてはならない、及び丙が乙に架電した際、乙が群馬県内規に背いて丙の架電を勝手に時間を決めて切ってよい・または切らなくてはならない、という内容 | 平成26年9月3日 | 公文書不存在決定 |