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公文書開示審査会答申第150号

更新日:2015年6月8日 印刷ページ表示

「県立○○○○センター(以下甲という)の看護師長(以下乙という)が甲にて日直・当直時間帯に勤務中、甲の主治医の外来患者(以下丙という)から架電があって、その際他の業務中で即電話対応できない際、乙の手が空いたら丙に架電し直さなくてよい・又はしてはならない、及び乙と丙が電話が繋がった際、乙が丙に群馬県内規違反となじられると乙は脅迫と取ってよい・又は取らなければならない、という内容」外5件の公文書不存在決定に対する異議申立てに係る答申書

群馬県公文書開示審査会第二部会

第1 審査会の結論

 群馬県知事が行った決定は妥当であり、取り消す必要はない。

第2 諮問事案の概要

1 公文書開示請求

 異議申立人(以下「申立人」という。)は、群馬県情報公開条例(平成12年群馬県条例第83号。以下「条例」という。)第11条の規定に基づき、群馬県知事(以下「実施機関」という。)に対し、別表の(あ)欄に記載の年月日付けで、別表の(い)欄に記載の開示請求(以下「本件各請求」という。)を行った。

2 実施機関の決定

 実施機関は、別表の(う)欄に記載の年月日に、本件各請求に係る公文書について存在しないことを確認し、別表の(え)欄に記載の決定(以下「本件各処分」という。)を行い、不存在の理由を次のとおり付して、申立人に通知した。
(不存在の理由)
○当該請求に係る文書は保有していないため。

3 異議申立て

 申立人は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定に基づき、平成26年8月4日付けで本件各処分を不服として実施機関に対し異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)を行った。

4 諮問

 実施機関は条例第26条の規定に基づき、群馬県公文書開示審査会(以下「審査会」という。)に対して平成26年8月22日、本件異議申立事案の諮問(以下「本件事案」という。)を行った。

第3 争点(本件各請求に係る公文書の公文書不存在決定について)

 本件各請求に係る公文書を不存在とした実施機関の決定は妥当であるか。

第4 争点に対する当事者の主張

1 申立人の主張要旨

  1. 条例第14条第2号イ違反である。
  2. 申立人は県立○○○○センター(以下「センター」という。)の職員らが実際に本件各請求にあるような言動があったことを見聞・体験している。申立人はセンターの外来患者であり、条例第14条第2号のイで定められたように本件各請求で特定した公文書があることが容易に推測される。
  3. 陰でこうした不法行為を指揮・指示しているのがセンター職員の●●●●医師職員であることが判明した。一般市民の見本となるべき公務員が、率先して法令を遵守するどころか、本件各請求及び意見書で名指ししている職員は群馬県内務規定・群馬県情報公開条例・地方公務員法・刑法・憲法に違反している。
  4. このような不法行為は本件各請求及び意見書で名指ししている各職員の独断でできるわけがなく、この不法行為を行うという共同謀議した公文書があるはずである。

2 実施機関の主張要旨

 地方公務員であるセンター職員は、地方公務員法その他の法令を遵守すべき義務があり、地方公務員法に定められた服務に関する規定に反する行為の他、その他具体的に「患者に折り返し電話しなくてよい」「病院の業務を一般市民にたらい回しにしてよい」「患者の緊急時の保護・援助・看護を放置してよい」「虚偽の説明をしてよい」「患者に対し怠業・職権濫用・内規違反・憲法違反を繰り返してよい」などを認める趣旨の公文書を作成又は取得することはない。
 したがって、本件各請求に係る公文書は、作成又は取得しておらず、保有もしていないため、不存在としたものである。

第5 審査会の判断

1 争点(本件各請求に係る公文書の公文書不存在決定について)

  1. 申立人は、大要、「センターの職員が群馬県の内務規定違反、地方公務員法でいう職権濫用罪、怠業罪及び憲法違反をしたため、この不法行為を行うという共同謀議した公文書があるはずである」と主張している。一方、実施機関は、「地方公務員であるセンター職員は、地方公務員法その他の法令を遵守すべき義務があり、地方公務員法に定められた服務に関する規定に反する行為の他、その他具体的に『患者に折り返し電話しなくてよい』『病院の業務を一般市民にたらい回しにしてよい』『患者の緊急時の保護・援助・看護を放置してよい』『虚偽の説明をしてよい』『患者に対し怠業・職権濫用・内規違反・憲法違反を繰り返してよい』などの趣旨の公文書を作成又は取得することはない」として、「本件各請求に係る公文書は、作成又は取得しておらず、保有もしていない」と主張する。
  2. そこで、本件各請求に係る公文書が実施機関における事務処理において作成・取得されたか否かを検討する。
     本件各請求のうち「患者に折り返し電話しなくてよい」という内容の請求については、センターにおける個別具体的な電話対応の根拠となる公文書を請求しているものと認められる。そのため、電話対応に関してセンター職員に確認したところ、「業務の円滑な遂行を考慮したうえで対応をしており、個別具体的な電話対応について定めた公文書は作成していない」ということであったが、電話対応は臨機応変に対応することも求められるものであるため、実施機関の説明に特段の不合理な点は認められない。
  3. さらに、実施機関における一般職に属するすべての地方公務員は地方公務員法(昭和25年法律第261号)の適用を受けるが、同法第32条には法令等及び上司の職務上の命令に従う義務が定められている。センターは地方公共団体の一機関であるため、職員がこれらの法令に従うのは当然のことであるが、そもそも一般的に公的機関の職員が不法行為その他の信用を失墜するような行為を「行ってよい又は行わなければならない」という趣旨の公文書を作成又は取得することは通常想定し難いことである。そのため、本件各請求に係る公文書は存在しないとする実施機関の説明に特段の不合理な点は認められない。
     その他、申立人は「各職員の独断でできるわけがなく、この不法行為を行うという共同謀議した公文書があるはずである」と主張するが、この主張は実施機関が本件各請求に係る公文書を作成又は取得したものというには根拠に乏しいものである。
  4. したがって、本件各請求に係る公文書を不存在とする実施機関の判断は妥当であると認められる。

2 結論

 以上のことから、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。
 なお、申立人は異議申立書において、本件各処分は条例第14条第2号イに違反すると主張する。しかし、同規定は個人識別情報であっても一般に公にされている情報については、あえて非開示情報として保護する必要性に乏しいものと考えられることから、ただし書により、本号の非開示情報から除くこととしたものである。そのため、本件各請求に係る公文書は不存在であるという実施機関の判断が妥当である以上、本件各請求に係る公文書が存在することを前提とした申立人の当該主張は是認することはできない。
 また、申立人はその他種々主張するが、本答申の判断を左右するものではない。

第6 審査の経過

 当審査会の処理経過は、以下のとおりである。

審査会の処理経過
年月日 内容
平成26年 8月25日 諮問
平成26年 9月19日 実施機関からの理由
平成26年10月27日 異議申立人からの意見書を受領
平成27年 1月20日
(第43回 第二部会)
審議(本件事案の概要説明)
平成27年 2月23日
(第44回 第二部会)
審議(実施機関の概要説明)
平成27年 6月 3日 審議
平成27年 6月24日 答申
別表
項番 (あ)
請求年月日
(い)
開示を請求する公文書の内容又は件名
(う)
決定年月日
(え)
決定
1 平成26年7月9日 県立○○○○センター(以下甲という)の■■■看護師長(以下乙という)が甲にて日直・当直時間帯に勤務中、甲の△△△△△が主治医の外来患者(以下丙という)から架電があって、その際他の業務中で即電話対応できない際、乙の手が空いたら丙に架電し直さなくてよい・又はしてはならない、及び乙と丙が電話が繋がった際、乙が丙に群馬県内規違反となじられると乙は脅迫と取ってよい・又は取らなければならない、という内容 平成26年7月17日 公文書不存在決定
2 平成26年7月13日 県立○○○○センター(以下甲という)の◆◆◆◆看護師長(以下乙という)が甲にて日直・当直時間帯に勤務中、甲の△△△△△が主治医の外来患者(以下丙という)に本来乙がやるべき丙へ緊急時の保護・援助・看護を、乙がしなくてよい・又はしてはならない、及び乙が、前述の業務をこれらに関して無報酬で何の義務も責任もない一般市民にたらい回しにしてよい・又はしなければならない、という内容 平成26年7月17日 公文書不存在決定
3 平成26年7月14日 県立○○○○センター(以下甲という)の▽▽▽▽▽看護部長・▼▼▼▼▼看護師長・□□□□嘱託看護職員(以下乙という)が甲にて勤務中、甲の△△△△△が主治医の外来患者(以下丙という)に本来乙がやるべき丙へ緊急時の保護・援助・看護を、乙がしなくてよい・又はしてはならない、及び乙が、前述の緊急時の事態の報告を受けても、これらを放置してよい・又はしなければならない、という内容 平成26年7月17日 公文書不存在決定
4 平成26年7月18日 県立○○○○センター(以下甲という)の××××看護師長(以下乙という)が甲にて日直・当直時間帯に勤務中、甲の△△△△△が主治医の外来患者(以下丙という)から架電があって、その際他の業務中で即電話対応できない際、乙の手が空いたら丙に架電し直さなくてよい・又はしてはならない、及び乙が丙に群馬県内規について虚偽の説明をしてよい・又はしなければならない、という内容 平成26年7月28日 公文書不存在決定
5 平成26年7月25日 県立○○○○センター(以下甲という)の▼▼▼▼▼看護師長(以下乙という)が、既に乙自身の懲戒請求書付の異議申立(以下丙という)をされていながら、丙の裁決が未だ出ていないことをいいことに甲の患者に怠業・職権濫用・内規違反・憲法違反を繰り返してよい・又は繰り返さなければならない、及び乙は医療サービスに従事していながら十分なサービスの知識がなくてもよい・又はあってはならない、という内容 平成26年7月30日 公文書不存在決定
6 平成26年7月25日 県立○○○○センター(以下甲という)の××××看護師長(以下乙という)が、既に乙自身の懲戒請求書付の異議申立(以下丙という)をされていながら、丙の裁決が未だ出ていないこと・乙が入学も叶わない一流私大を卒業している甲の患者(以下丁という)の学力のあることをいいことに、丁に怠業・職権濫用・内規違反・憲法違反を繰り返して丁に自分で何とかしろと言ってよい・又は言わなければならない、という内容 平成26年7月30日 公文書不存在決定

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