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公文書開示審査会答申第157号
「広報広聴課○○○○及びその部下が、県議会も通っていない群馬県・群馬県警の勝手な法解釈を一般県民に押し付けてよい、又は押し付けなければならない、という内容」外3件の公文書不存在決定に対する審査請求
群馬県公文書開示審査会 第一部会
第1 審査会の結論
群馬県警察本部長が行った決定は妥当であり、取り消す必要はない。
第2 諮問事案の概要
1 公文書開示請求
審査請求人(以下「請求人」という。)は、群馬県情報公開条例(平成12年群馬県条例第83号。以下「条例」という。)第11条の規定に基づき、群馬県警察本部長(以下「実施機関」という。)に対し、別表の(あ)欄に記載の年月日付けで、別表の(い)欄に記載の開示請求(以下「本件各請求」という。)を行った。
2 実施機関の決定
実施機関は、別表の(う)欄に記載の年月日に、本件各請求に係る公文書について存在しないことを確認し、別表の(え)欄に記載の決定(以下「本件各処分」という。)を行い、不存在の理由を次のとおり付して、請求人に通知した。
(不存在の理由)
請求のあった公文書については、作成又は取得していないため。
3 審査請求
請求人は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第5条の規定に基づき、平成26年11月22日付けで本件各処分を不服として群馬県公安委員会(以下「諮問庁」という。)に対し審査請求(以下「本件審査請求」という。)を行った。
4 諮問
諮問庁は条例第26条の規定に基づき、群馬県公文書開示審査会(以下「審査会」という。)に対して平成26年12月25日、本件審査請求事案の諮問(以下「本件事案」という。)を行った。
第3 争点(本件請求に係る公文書の公文書不存在決定について)
本件各請求に係る公文書を不存在とした実施機関の決定は妥当であるか。
第4 争点に対する当事者の主張
1 請求人の主張要旨
- 条例第14条2のイ違反であり、本件処分は群馬県条例を持ち出すまでもなく職権濫用・怠業・警察法違反・憲法違反を隠蔽するものであるため。
- 請求人は、情報開示請求について、どうして一般県民が記録媒体として自身のCD-Rを持ち込んではいけないのか及び記録媒体を電磁的記録にする場合にもなぜ公文書の複写代が必要なのかの点で法的根拠を具体的に示すよう求めてきたものであるが、(警察事務職員は)群馬県の法解釈を言ってくるので、法解釈だけでは法的根拠としては足りず、審査請求人はその法解釈は県議会を通っているのかと尋ねると、結局は県議会は通っていないことを認め、しかしあくまで自論を押し通そうとするので別表項番1の情報開示請求をしたところ、(警察事務職員の)自論を翻す決定が出た。
- これらの決定の意味するところは、一般県民が記録媒体として自身のCD-Rを持ち込んではいけないというのは単なる群馬県、群馬県警の勝手な法解釈で、そのCD-Rにコンピュータウィルスが入っているかもしれないという言い訳は、技術的にはウィルススキャンをすればいいだけの話で、県議会を通っていない以上、一般県民に押し付けてはならない。情報開示請求された際、一旦プリントアウトして開示しない部分を墨で塗りつぶす必要はなく、また、記録媒体を電磁的記録にする際、いつもPDF形式で記録してくる。一旦PCの画面上で見えないようにした部分は移動も復活もできないアプリケーションを使えばいいということであるにもかかわらず、公文書複写代として金3010円も請求する書面を同封した。これは職権濫用である。
- 詐欺事件に審査請求人自身が遭ったというのに、「民事でやってください。刑事二課も相手にしません」と言い放たれた。その上、詳細な話を聞いた上で文句を電話で請求人に吐いたのであるから、本件詐欺の立件を握り潰しているのは明らかである。
- ラーメン店で料理に化学調味料を使われ過ぎて味覚障害を起こした、これは傷害罪が成立すると請求人は電話でいくら訴えても何もしていない。これは怠業であり、犯罪が発生したら捜査しなくてはならないという条項も入った警察法違反である。
- これらのため、逸失利益を請求人に生じさせたものである。
- 上記不法行為は各職員の独断でできるわけがなく、条例第14条第2号イに基づいてこの公文書の作成者の職と氏名を公開すべきである。さらに、別表で特定した公文書が存在しないわけがない。
2 諮問庁の主張要旨
- 請求人は、本件各請求において、警察職員による市民との具体的なやり取りを例示し、当該対応に関して具体的に、「群馬県警察の勝手な法解釈を一般県民に押し付けてよい、又は押し付けなければならない」等といった指針を示す公文書の開示を求めたものと認められる。しかしながら、実施機関が、同指針を示す公文書を作成することは、通常、想定し難いことであり、実際、実施機関では、本件各請求の内容に合致する公文書は、作成又は取得していない。
- 請求人は、本件各処分が条例第14条第2号イ違反である旨を主張するが、請求人の主張は本件各請求に係る公文書が存在することを前提としたものであり、そもそも、実施機関は同公文書を作成又は取得しておらず、同公文書は存在しないのであるから、同公文書が同規定にいう情報に該当するか否かを検討することはできない。
- 請求人によるその余の主張については、本件各処分を取り消し又は変更させるものではない。
第5 審査会の判断
1 争点(本件各請求に係る公文書の公文書不存在決定について)
- 請求人は、大要、警察職員が「共同謀議をして集団で職権濫用及び怠業、憲法違反を行い、請求人に情報隠蔽及び請求人に対して逸失利益を生じさせた。さらに別表で特定した公文書は存在しないわけがない」と主張している。一方、実施機関は、「本件各請求にあるような指針を示す公文書を作成することは通常想定し難く、そもそも作成又は取得していない」と主張する。
- そこで、本件各請求に係る公文書が実施機関における事務処理において作成・取得されたか否かを検討する。
- 実施機関における一般職に属するすべての地方公務員は地方公務員法(昭和25年法律第261号)の適用を受けるが、同法第32条には法令等に従う義務が定められている。さらに、実施機関は、別表項番3及び別表項番4に合致する公文書について「県民の安全を守る警察において、そのような公文書を作成又は取得することは通常想定し難い」と説明する。この実施機関の説明に不合理な点は認められない。
- さらに、別表項番1及び別表項番2に合致する公文書についても、実施機関があえて作成又は取得する理由がなく、また、その必要性も認められないため、当該請求に係る公文書を実施機関が作成又は取得することは通常想定し難いことである。
- その他、請求人は「各職員の独断でできるわけがなく、別表で特定した公文書は存在しない訳がない」と主張するが、この主張は実施機関が本件各請求に係る公文書を作成又は取得したものと言うには根拠に乏しいものである。
- したがって、本件各請求に係る公文書を不存在とする実施機関の判断は妥当である。
2 結論
以上のことから、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。
なお、請求人は審査請求書において、本件各処分は条例第14条第2号イに違反すると主張する。しかし、同規定は個人識別情報であっても一般に公にされている情報については、あえて非開示情報として保護する必要性に乏しいものと考えられることから、ただし書により、本号の非開示情報から除くこととしたものである。そのため、本件各請求に係る公文書は不存在であるという実施機関の判断が妥当である以上、本件各請求に係る公文書が存在することを前提とした請求人の当該主張は是認することはできない。
また、請求人はその他種々主張するが、本答申の判断を左右するものではない。
第6 審査の経過
当審査会の処理経過は、以下のとおりである。
年月日 | 内容 |
---|---|
平成26年12月25日 | 諮問 |
平成27年1月19日 | 諮問庁からの理由説明書を受領 |
平成27年2月16日 | 審査請求人からの意見書を受領 |
平成27年4月20日 (第48回 第一部会) |
審議(本件事案の概要説明) |
平成27年5月18日 (第49回 第一部会) |
審議(実施機関の口頭説明) |
平成27年7月1日 (第50回 第一部会) |
審議 |
平成27年7月6日 | 答申 |
項番 | (あ) 請求年月日 |
(い) 開示を請求する公文書の内容又は件名 |
(う) 決定年月日 |
(え) 決定 |
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1 | 平成26年9月26日 | 広報広聴課○○○○○○○○及びその部下が、県議会も通っていない群馬県・群馬県警の勝手な法解釈を一般県民に押し付けてよい、又は押し付けなければならない、という内容 | 平成26年10月7日 | 公文書不存在決定 |
2 | 平成26年9月26日 | 広報広聴課○○○○○○○○及びその部下(以下「甲」という)が、最近の情報機器やそのアプリケーションは完全正常作動が保証できず、甲がそうしたものを使っているというのに特定のアプリケーションだけを恣意的に利用して甲の意に沿わないアプリケーションを使わなくてよい、又は使ってはならない、という内容 | 平成26年10月7日 | 公文書不存在決定 |
3 | 平成26年9月27日 | ○○○警察署(以下甲という)の管轄内のラーメン店(以下乙という)で、乙を利用した一般市民(以下丙という)が、甲に乙が化学調味料の使い過ぎで味覚障害を起こした、これは傷害罪が成立する、と甲に丙が通報しても、甲の職員は乙及び丙に何もしなくてよい・又はしてはならない、という内容。 | 平成26年10月7日 | 公文書不存在決定 |
4 | 平成26年11月6日 | ○○○警察署(以下甲という)の刑事二課の職員(以下乙という)が、一般市民(以下丙という)が詐欺の被害にあっても、丙の被害届を受理しなくてよい・又は受理してはならない、及び丙が本件詐欺の間接正犯を突き止めても、乙は丙の刑事告訴を受理しなくてよい・又は受理してはならない、及び甲の警務課の○○○○が上述の怠業・職権濫用の指揮を執っていい・又は執らなくてはならない、という内容 | 平成26年11月14日 | 公文書不存在決定 |