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公文書開示審査会答申第170号

更新日:2016年8月31日 印刷ページ表示

「群馬県警の警察職員(司法警察員・事務職員を含む)が平成25年に民法が改正されたこと(以下甲という)も知らずに、現状の職務を続けてよい・又は続けなくてはならない、及び甲のお蔭で一般市民に危害を正当な理由もなく加えてよい・又は加えなくてはならない、という内容。」の公文書不存在決定に対する審査請求に係る答申書

群馬県公文書開示審査会 第一部会

第1 審査会の結論

 群馬県警察本部長が行った決定は妥当であり、取り消す必要はない。

第2 諮問事案の概要

1 公文書開示請求

 審査請求人(以下「請求人」という。)は、群馬県情報公開条例(平成12年群馬県条例第83号。以下「条例」という。)第11条の規定に基づき、群馬県警察本部長(以下「実施機関」という。)に対し、平成27年5月24日付けで、「群馬県警の警察職員(司法警察員・事務職員を含む)が平成25年に民法が改正されたこと(以下甲という)も知らずに、現状の職務を続けてよい・又は続けなくてはならない、及び甲のお蔭で一般市民に危害を正当な理由もなく加えてよい・又は加えなくてはならない、という内容。」の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。

2 実施機関の決定

 実施機関は、平成27年6月2日に、本件請求に係る公文書について存在しないことを確認し、公文書不存在決定(以下「本件処分」という。)を行い、不存在の理由を次のとおり付して、請求人に通知した。
(不存在の理由)
 請求のあった公文書については、作成し、又は取得していないため

3 審査請求

 請求人は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第5条の規定に基づき、平成27年7月31日付けで本件処分を不服として群馬県公安委員会(以下「諮問庁」という。)に対し審査請求(以下「本件審査請求」という。)を行った。

4 諮問

 諮問庁は条例第26条の規定に基づき、群馬県公文書開示審査会(以下「審査会」という。)に対して平成27年11月26日、本件審査請求事案の諮問(以下「本件事案」という。)を行った。

第3 争点(本件請求に係る公文書の公文書不存在決定について)

 本件請求に係る公文書を不存在とした実施機関の決定は妥当であるか。

第4 争点に対する当事者の主張

1 請求人の主張要旨

 条例第14条2のイ違反・群馬県内務規定違反であり、原処分は群馬県条例を持ち出すまでもなく職権濫用・怠業・刑法犯である傷害罪・警察法違反・憲法違反を隠蔽するものであるため。

2 諮問庁の主張要旨

  1. すべての地方公務員は、地方公務員法の適用を受け、同法第32条には、法令等に従う義務が定められていることからしても、実施機関に限らず、その他の行政機関においても、職員が民法が改正されたことも知らずに、現状の職務を続けてよい・又は続けなくてはならないことを記載した公文書を作成し、又は取得するはずがなく、また、平成25年に民法が改正されたことにより、正当な理由もなく、一般市民に危害を加えてよい・又は加えなくてはならないことが記載されている公文書を作成し、又は取得することは、通常、想定し難いことである。実際、実施機関では、本件請求の内容に合致する公文書は、作成又は取得していない。
  2. 請求人は、本件処分が条例第14条第2号イ違反である旨を主張するが、請求人の主張は本件請求に係る公文書が存在することを前提としたものであり、そもそも、実施機関は同公文書を作成又は取得しておらず、同公文書は存在しないのであるから、同公文書が同規定にいう情報に該当するか否かを検討することができない。
  3. 請求人によるその余の主張については、本件処分を取り消し又は変更させるものではない。

第5 審査会の判断

1 争点(本件請求に係る公文書の公文書不存在決定について)

  1. 請求人は、「原処分は群馬県条例を持ち出すまでもなく職権濫用・怠業・刑法犯である傷害罪・警察法違反・憲法違反を隠蔽するものである」と主張している。一方、諮問庁は、大要、本件請求にあるような趣旨の公文書を作成又は取得することは通常想定し難く、実際に作成又は取得していないと主張する。
  2. そこで、本件請求に係る公文書が実施機関における事務処理において作成又は取得されたか否かを検討すると、「民法が改正されたこと・・も知らずに、現状の職務を続けてよい・又は続けなくてはならない」という趣旨の公文書を実施機関があえて作成又は取得する理由がなく、その必要性も認められないものである。
  3. また、「甲(平成25年に民法が改正されたこと)のお蔭で一般市民に危害を正当な理由もなく加えてよい・又は加えなくてはならない」という趣旨の公文書が実施機関における事務処理において作成又は取得されたか否かを検討すると、実施機関における一般職に属するすべての地方公務員は地方公務員法(昭和25年法律第261号)の適用を受けるが、同法第32条には法令等及び上司の職務上の命令に従う義務が定められている。実施機関は地方公共団体の一機関であるため、職員が法令に従うのは当然のことであるが、そもそも一般的に不法行為その他の信用を失墜するような行為を公的機関の職員が行うことを認める趣旨の公文書を作成及び取得することは通常想定し難いことである。そのため、本件請求に係る公文書は存在しないとする諮問庁の説明に特段の不合理な点は認められない。
  4. したがって、本件請求に係る公文書を不存在とする実施機関の判断は妥当である。

2 結論

 以上のことから、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。
 なお、請求人は審査請求書において、本件処分は条例第14条第2号イに違反すると主張する。しかし、同規定は個人情報であっても一般に公にされている情報については、あえて非開示情報として保護する必要性に乏しいものと考えられることから、ただし書により、本号の非開示情報から除くこととしたものである。そのため、本件請求に係る公文書は不存在であるという実施機関の判断が妥当である以上、本件請求に係る公文書が存在することを前提とした請求人の当該主張は是認することはできない。

第6 審査の経過

 当審査会の処理経過は、以下のとおりである。

審査会の処理経過
年月日 内容
平成27年11月26日 諮問
平成28年1月29日 諮問庁からの理由説明書を受領
平成28年6月10日
(第54回 第一部会)
審議(本件事案の概要説明)
平成28年8月17日
(第55回 第一部会)
審議
平成28年8月31日 答申

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