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公文書開示審査会答申第174号

更新日:2016年11月25日 印刷ページ表示

「群馬県警伊勢崎署の司法警察員を含む警察職員(以下甲という)が、犯罪の被害者(以下乙という)が提出、提示する証拠資料(以下丙という)に注文を付け、乙が何度甲に丙を提示、提出し直しても、甲は丙に無知なくせに一々不法、不当なケチをつけて丙を証拠として採用しなくてもよい、またはしてはならない、及び乙に無茶な注文をしてよい、またはしなくてはならない、という内容」外2件の公文書不存在決定に対する審査請求に係る答申書

群馬県公文書開示審査会 第一部会

第1 審査会の結論

 群馬県警察本部長が行った決定は妥当であり、取り消す必要はない。

第2 諮問事案の概要

1 公文書開示請求

 審査請求人(以下「請求人」という。)は、群馬県情報公開条例(平成12年群馬県条例第83号。以下「条例」という。)第11条の規定に基づき、群馬県警察本部長(以下「実施機関」という。)に対し、別表の(あ)欄に記載の年月日付けで、別表の(い)欄に記載の開示請求(以下「本件各請求」という。)を行った。

2 実施機関の決定

 実施機関は、別表の(う)欄に記載の年月日に、本件各請求に係る公文書について存在しないことを確認し、別表の(え)欄に記載の決定(以下「本件各処分」という。)を行い、不存在の理由を次のとおり付して、請求人に通知した。
 (不存在の理由)
 請求のあった公文書については、作成し、又は取得していないため

3 審査請求

 請求人は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第5条の規定に基づき、平成28年1月17日付けで本件各処分を不服として群馬県公安委員会(以下「諮問庁」という。)に対し審査請求(以下「本件審査請求」という。)を行った。

4 諮問

 諮問庁は条例第26条の規定に基づき、群馬県公文書開示審査会(以下「審査会」という。)に対して平成28年5月11日、本件審査請求事案の諮問(以下「本件事案」という。)を行った。

第3 争点(本件請求に係る公文書の公文書不存在決定について)

 本件各請求に係る公文書を不存在とした実施機関の決定は妥当であるか。

第4 争点に対する当事者の主張

1 請求人の主張要旨

 条例第14条2のイ違反、群馬県内務規定違反であり、原処分は群馬県条例を持ち出すまでもなく職権濫用、怠業、警察法違反、憲法違反を隠蔽するものであるため。

2 諮問庁の主張要旨

  1. すべての地方公務員は地方公務員法(昭和25年法律第261号)の適用を受け、同法第32条には、法令等に従う義務が定められていること等からして、実施機関に限らず、その他の行政機関においても、職員が一般市民に対して、無茶な注文をしたり、一般市民が提出等する資料に不法、不当なケチをつけたり、苦情の電話をろくに話を聞かずに切電したり、かかってきた電話を片っ端から他の部署にたらいまわしにしてよい等のことが記載されている公文書を作成し、又は取得することは、通常、想定し難いことであり、実際、実施機関では、作成又は取得していない。
  2. 請求人は、本件各処分が条例第14条第2号イ違反である旨を主張するが、請求人の主張は本件各請求に係る公文書が存在することを前提としたものであり、そもそも、実施機関は同公文書を作成又は取得しておらず、同公文書は存在しないのであるから、同公文書が同規定にいう情報に該当するか否かを検討することはできない。
  3. 請求人によるその余の主張も容認できない。

第5 審査会の判断

1 争点(本件各請求に係る公文書の公文書不存在決定について)

  1. 請求人は、「条例第14条2のイ違反、群馬県内務規定違反であり、原処分は群馬県条例を持ち出すまでもなく職権濫用、怠業、警察法違反、憲法違反を隠蔽するものである」と主張している。一方、実施機関は、「本件各請求にあるような公文書を作成し又は取得することは、通常、想定し難い」とし、実際に作成又は取得していないと主張する。
  2. そこで、本件各請求に係る公文書が実施機関における事務処理において作成、取得されたか否かを検討する。請求人は「県警本部監察課の係員が、一般県民から苦情の電話が何回架ってきても、ろくに当該事案の話も聞かずに片っ端から切電してもよい」及び「県警本部監察課の職員が、一般県民から架電されても、片っ端から本部の警察安全相談室にたらいまわしにしてよい」といった、実施機関における個別具体的な電話対応の根拠となる公文書を請求しているものと認められる。この電話対応については答申第145号において示したとおり、作成又は取得していないということに特段の不合理な点は認められない。
  3. さらに、実施機関における一般職に属するすべての地方公務員は地方公務員法の適用を受けるが、同法第32条には法令等及び上司の職務上の命令に従う義務並びに同法第33条には信用失墜行為の禁止が定められている。実施機関は地方公共団体の一機関であるため、職員が法令に従うのは当然のことであるが、そもそも一般的に不法行為その他の信用を失墜するような行為を公的機関の職員が行うことを認める趣旨の公文書を作成及び取得することは通常想定し難いことである。そのため、本件各請求に係る公文書は存在しないとする諮問庁の説明に特段の不合理な点は認められない。
  4. したがって、本件各請求に係る公文書を不存在とする実施機関の判断は妥当である。

2 結論

 以上のことから、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。
 なお、請求人は審査請求書において、本件各処分は条例第14条第2号イに違反すると主張する。しかし、同規定は個人情報であっても一般に公にされている情報については、あえて非開示情報として保護する必要性に乏しいものと考えられることから、ただし書により、本号の非開示情報から除くこととしたものである。そのため、本件各請求に係る公文書は不存在であるという実施機関の判断が妥当である以上、本件各請求に係る公文書が存在することを前提とした請求人の当該主張は是認することはできない。

第6 審査の経過

 当審査会の処理経過は、以下のとおりである。

審査会の処理経過
年月日 内容
平成28年5月11日 諮問
平成28年6月6日 諮問庁からの理由説明書を受領
平成28年8月17日
(第55回 第一部会)
審議(本件事案の概要説明)
平成28年11月24日
(第56回 第一部会)
審議
平成28年11月25日 答申
別表
項番 (あ)
請求年月日
(い)
開示を請求する公文書の内容又は件名
(う)
決定年月日
(え)
決定
1 平成27年12月22日 群馬県警伊勢崎署の司法警察員を含む警察職員(以下甲という)が、犯罪の被害者(以下乙という)が提出、提示する証拠資料(以下丙という)に注文を付け、乙が何度甲に丙を提示、提出し直しても、甲は丙に無知なくせに一々不法、不当なケチをつけて丙を証拠として採用しなくてもよい、またはしてはならない、及び乙に無茶な注文をしてよい、またはしなくてはならない、という内容 平成28年1月4日 公文書不存在決定
2 平成27年12月22日 県警本部監察課の苦情係の係員が、一般県民から伊勢崎警察署の苦情の電話が何回架ってきても、ろくに当該事案の話も聞かずに片っ端から切電してもよい、又はしなければならない、という内容 平成28年1月4日 公文書不存在決定
3 平成27年12月24日 県警本部監察課(以下甲という)の職員が、甲に一般県民から架電されても、片っ端から本部の警察安全相談室にたらいまわしにしてよい、またはしなくてはならない、という内容 平成28年1月4日 公文書不存在決定

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