ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織からさがす > 生活こども部 > 県民活動支援・広聴課 > 個人情報保護審議会諮問事件第22号

本文

個人情報保護審議会諮問事件第22号

更新日:2011年3月1日 印刷ページ表示

1 件名

 「(1)『相談業務報告書(ただし受理番号が○○○○のもの)』の個人情報部分開示決定、(2)『相談業務報告書(ただし受理番号が○○○○のもの)』の個人情報部分開示決定」に対する審査請求

2 諮問庁・処分庁

 公安委員会、警察本部長

3 開示等決定内容及び理由

(1)決定内容

 平成22年8月4日 個人情報部分開示決定(2件とも)

(2)非開示理由

  • 「相談業務報告書」中の、氏名欄及び決裁部欄にある警部補以下の職にある職員の氏名及び印影
    • 条例第13条第3号
      開示することにより個人の権利利益を不当に侵害するおそれがあるとして実施機関が定める職にある職員の氏名であるため
  • 「相談報告書」中の、氏名欄の職員番号
    • 条例第13条第3号
      開示請求者以外の個人に関する情報であって、開示請求者以外の特定の個人を識別することができる情報であるため(他の情報と照合することにより、開示請求者以外の特定の個人を識別することができる情報を含む。)
  • 「相談報告書」中の、種別欄、処理結果備考欄の一部、欄外の記載事項
    • 条例第13条第7号

 開示することにより、今後の事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため

4 不服申立て

(1)申立年月日

 平成22年10月4日

(2)趣旨

 審査請求に係る処分を取り消して、全部についての開示決定を求める

(3)理由

 ア 氏名欄及び決裁部欄にある警部補(同相当職を含む)以下の職にある職員の氏名及び印影

  • 警部補以下の職にある職員の氏名等を条例第13条第3号該当の非開示情報として定めた合理的な理由が示されていないこと。
  • 警察安全相談の担当者の氏名は、相談者が開示請求したときは特例開示の対象とされていること。
  • なお、平成12年8月に国家公安委員会と警察庁が定めた警察改革要綱にには、「警察安全相談の充実」と「職務執行における責任の明確化(窓口職員の名札の着用)」について、その実現に向けて全力を尽くしていく旨が明記されており、これを受けて、処分庁においても「群馬県警察本部長通達群務第304号(平成13年5月18日)」(以下「通達」という。)に警察安全相談業務を「名札着用業務」として定めているところである。
  • したがって、警察安全相談の実施担当者の氏名は、相談者が開示請求したときは特例開示の対象である。

 イ 氏名欄の職員番号
 職員番号は、条例第13条第3号該当の非開示情報に該当しない。なぜなら当該職員番号は、公務員の職務遂行に係る情報であるから。

 ウ 種別欄及び処理結果備考欄の一部
 条例第13条第7号該当の非開示情報とした合理的な理由が示されていないこと。

 エ 欄外の記載事項
 条例第13条第7号該当の非開示情報とした合理的な理由が示されていないこと。

5 諮問年月日

 平成22年12月8日

6 本件個人情報に係る過去の審査請求事案の処理経過

 当審議会は、過去に、本件個人情報の個人情報部分開示決定に係る審査請求事案について、その判断を示しているため、この経過についてあらかじめ整理しておくこととする。

  • 請求人は、平成21年3月4日、条例第12条第1項の規定に基づき、処分庁に対し、「群馬県警察相談業務に関する訓令第7条第2項に基づいて作成された報告書のうち、平成○○年○月から平成○○年○月の日付のもので私が○○署に相談したもの」について、自己の個人情報として開示請求を行った。
  • 処分庁は、平成21年3月12日、開示請求に係る個人情報を、「群馬県警察相談業務に関する訓令第7条第2項に基づいて作成された報告書のうち、平成○○年○月から平成○○年○月の日付のもので私が○○署に相談したもの」(以下「前回個人情報」という。)として特定し、前回個人情報について条例第13条第3号及び第7号に該当することを理由に、個人情報部分開示決定(以下「前回処分」という。)を行った。
  • 請求人は、平成21年5月8日付けで、前回処分を不服として、諮問庁に対して審査請求(以下「前回審査請求」という。)を行った。
  • 当審議会は、平成21年6月17日、諮問庁から前回処分の取消しに係る審査請求事案(以下「前回事案」という。)の諮問を受けた。
  • 当審議会は、平成21年10月27付け個審第127号により、諮問庁に対し前回審査請求に対する答申(以下「諮問事件第18号答申」という。)を行った。
  • 諮問庁は、平成21年12月9日付けで、前回審査請求に対する裁決を行い、請求人に裁決書の謄本を送付した。

7 審議会の判断

(1)結論

 群馬県警察本部長の決定は、群馬県個人情報保護条例の解釈及び運用を誤ったものではなく、妥当であると認められる。

(2)判断理由

ア 本件事案を判断するに当たっての留意点

 当審議会は、諮問事件第18号答申で本件個人情報について、その判断を示したところである。
 そこで、諮問事件第18号答申の内容を踏まえつつも、本件事案においては、新たな非開示部分もあること、審議会で示される考え方は決して不変のものではなく、時の経過や社会情勢の変化等に伴い変更されることもあり得ることを念頭に置き判断を行う。

イ 諮問事件第18号答申で判断した情報について

条例第13条第3号該当性

 本件個人情報のうち、氏名欄にある警部補(同相当職を含む。)以下の職にある職員の名及び職員番号については、諮問事件第18号答申で判断を示しているが、条例第13条第3号該当性を判断するに当たり、さらに斟酌すべき事情は認められなかった。
 したがって、当該情報は、諮問事件第18号答申と同様に、条例第13条第3号に該当し、非開示が妥当である。

条例第13条第7号該当性

 本件個人情報のうち、種別欄、処理結果備考の一部及び欄外の記載事項については、諮問事件第18号答申で判断を示しているが、条例第13条第7号該当性を判断するに当たり、さらに斟酌すべき事情は認められなかった。
 したがって、当該情報は、諮問事件第18号答申と同様に、条例第13条第7号に該当し、非開示が妥当である。

ウ 諮問事件第18号答申で判断していない情報の条例第13条第3号該当性について

 処分庁は、本件個人情報のうち、氏名欄及び決裁部欄にある警部補(同相当職を含む。)以下の職にある職員の姓及び印影について、前回処分においては開示としたものの、本件処分1及び本件処分2においては、条例第13条第3号に該当するとして非開示としている。
これについて、当審議会は、処分庁に説明を求めたところ、前回処分においては、請求人が相談受理担当者の姓を知り得ていたことから開示としたが、その後、処分庁で検討したところ、警部補以下の職員の姓については、請求人が知り得ているのみでは必ずしも慣行として請求者が知り得る情報とはいえず、名札の着用の有無や請求者が知り得ていたとの事情にかかわらず非開示とすべきであるという判断から、本件処分においては非開示としたとのことである。

 一方、請求人は、通達で、警察安全相談業務を名札着用業務として定めていることから、警察安全相談の受理担当者の氏名は開示するべきと主張する。
 確かに、通達では、警察安全相談業務を名札着用業務と定めているが、これに加えて、名札着用の例外として、名札着用業務とされていても、所属長が他の警察業務上の理由により着用しないことを適当と認めた場合、名札を着用しないことができると定められていることからすると、相談受理担当者の氏名のうち姓の部分であっても、法令等の規定により又は慣行として開示請求者が知ることができ、又は知ることが予定されている情報とはいえず、同号ただし書イには該当しない。さらに、当該情報はその性質から、同号ただし書ロに該当しないことは明らかである。
 したがって、当該情報は同号ただし書のいずれにも該当せず、本件処分のとおり非開示とすることが妥当である。

8 答申年月日

 平成23年3月29日(個審第156号)