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公文書開示審査会答申第134号

更新日:2012年5月14日 印刷ページ表示

「(1)平成○○年○○月○○日○○高校の補導委員会で協議し作成した『いじめに関しての生徒指導について』の原案 (2)平成○○年○○月○○日○○高校の補導委員会で協議し作成した『いじめに関しての生徒指導(生徒■名)について』の原案」の公文書不存在決定に対する審査請求に係る答申書

群馬県公文書開示審査会

第1 審査会の結論

 実施機関の決定は妥当であり、取り消す必要はない。

第2 諮問事案の概要

1 公文書開示請求

 審査請求人(以下「請求人」という。)は、群馬県情報公開条例(以下「条例」という。)第11条の規定に基づき、群馬県教育委員会教育長(以下「実施機関」という。)に対し、平成23年9月2日付けで、「(1)平成○○年○○月○○日○○高校(以下「○○」という。)の補導委員会で協議し作成した『いじめに関しての生徒指導について』の原案、(2)平成○○年○○月○○日○○の補導委員会で協議し作成した『いじめに関しての生徒指導(生徒■名)について』の原案、(3)(略)、(4)(略)」の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。

2 実施機関の決定

 実施機関は、本件請求のうち、(1)乃至(3)について、平成23年9月15日付けで公文書不存在決定(以下「本件処分」という。)を行い、不存在の理由を「(1)(2)補導委員会の直後に臨時職員会議があり、この原案は口頭での提案となったので、補導委員会で協議した原案は文書として作成していないため、(3)(略)」と付記して、請求人に通知した。
 なお、(4)については、同日付けで公文書部分開示決定を行った。

3 審査請求

 請求人は、行政不服審査法第5条の規定に基づき、平成23年9月29日、本件処分のうち、「(1)平成○○年○○月○○日○○の補導委員会で協議し作成した『いじめに関しての生徒指導について』の原案、(2)平成○○年○○月○○日○○の補導委員会で協議し作成した『いじめに関しての生徒指導(生徒■名)について』の原案」(以下「本件公文書」という。)に関する不存在決定を不服として、実施機関の上級行政庁である群馬県教育委員会委員長(以下「諮問庁」という。)に対し審査請求を行った。

4 諮問

 諮問庁は条例第26条の規定に基づき、群馬県公文書開示審査会(以下「審査会」という。)に対して、平成23年10月25日、本件審査請求事案の諮問(以下「本件事案」という。)を行った。

第3 争点

 本件公文書を不存在とした実施機関の決定は妥当であるか。

第4 争点に対する当事者の主張

1 請求人の主張要旨

 ○○は、補導委員会で協議し原案を作成、その後、原案を校長及び教頭と検討し、加害生徒■名に進路変更(自主退学、転校)させることを決定している。しかし、進路変更という加害生徒■名の今後を大きく左右する重大な決定をすべて口頭だけで行い、協議内容や決定理由・過程等を記すべき本件公文書を作成していないことは許されるべきことではないから、その取消しを求める。

2 諮問庁の主張要旨

 平成○○年○○月○○日及び○○日のいずれも、補導委員会の直後に臨時職員会議があり、補導委員会で決定した原案は、口頭で臨時職員会議に報告しているため、補導委員会の原案は文書として作成していない。
 これまでの○○の補導委員会では、検討し決定した原案を文書として作成しないで、直後に開催される職員会議にその決定事項を口頭で報告することが慣例となっており、今回のいじめ加害生徒に対して進路変更を促した件についても同様であった。

第5 審査会の判断

1 争点(本件公文書の不存在について)

 「公文書を保有していない」という類型には、(1)そもそも作成、取得していない、(2)作成又は取得したが保存期間満了により廃棄済み、及び(3)開示請求の対象となる「公文書」ではないという3つの場合があるが、諮問庁は、(1)のそもそも作成、取得していないと主張しているので、本件公文書が実施機関における事務処理において作成、取得されるものであるか否かを検討する。
 ○○の補導委員会は、○○の教員○○名を委員として構成されているところ、特定の生徒指導案件について審議するため、平成○○年○○月○○日及び○○日に開催されている。
 諮問庁は、いずれの開催においても、補導委員会で決定した原案は、直後に開催される臨時職員会議において口頭で報告しているため、補導委員会の原案は文書として作成していないと主張している。
 審査会において、上記の補導委員会を開催した直後の臨時職員会議の議事録を検分したところ、その開催日時や協議内容は、諮問庁の主張するとおりであり、当該議事録には、「原案どおりに決定」の旨が記載されているほか、決定された原案の内容があわせて記載されていた。
 補導委員会及び臨時職員会議の構成員は、すべて○○の教職員であり、補導委員会の構成員は当然に臨時職員会議の構成員であることからすれば、補導委員会の直後に実施される臨時職員会議の記録が文書化される以上、そこに記載されるであろう原案について、補導委員会として独自に文書化する必要はないと考えたとしても、理解できないことではない。
 本件においては、補導委員会の原案どおりに臨時職員会議でも決定していることを考えあわせると、補導委員会において原案を公文書として作成していないという諮問庁の説明に、不自然な点があるとまでは認められない。
 さらに、審査会は、実施機関に対して条例第30条第4項に基づく調査を実施し、本件公文書の作成、保有の有無を確認するため、○○において公文書の確認を行ったが、本件公文書として特定するべき文書の存在は認められなかった。
 以上のことから、本件公文書について、作成、取得しておらず不存在であるとする諮問庁の判断に、特段不合理な点は認められない。

2 結論

 以上のことから、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。

第6 審査の経過

 当審査会の処理経過は、以下のとおりである。

審査会の処理経過
年月日 内容
平成23年10月25日 諮問
平成23年11月28日 実施機関からの理由説明書を受領
平成23年12月16日 審査請求人からの意見書を受領
平成24年2月14日
(第138回 審査会)
審議(本件事案の概要説明)
平成24年3月19日
(第139回 審査会)
審議(実施機関の口頭説明等)
平成24年5月7日
(第140回 審査会)
審議(条例第30条第4項による調査を実施)
平成24年5月11日 答申