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第10回情報公開審議会資料

更新日:2011年3月1日 印刷ページ表示

資料4 県民意見提出制度(パブリック・コメント)について

1 県民意見提出制度改正までの沿革

(1)県民意見提出制度運営要綱の制定(平成12年12月12日)

 この時の対象は、

  • 規制の設定又は改廃に係る条例及び規則の制定又は改廃で、広く一般県民に適用されるもの
  • 県の行政計画のうち、各部局等の業務に関する基本的な計画及びその上位計画であった。

(2)行政手続法の改正(平成17年6月29日公布、平成18年4月1日施行)

 行政手続法の改正(平成18年4月1日施行)により、国の行政機関が命令等を定めるに当たっては、原則として意見公募手続をとることとなった。

命令等の定義

「法律に基づく命令又は規則(政令、府省令等)、審査基準、処分基準、行政指導指針」

意見公募手続(第39条)

 命令等を定める機関に意見公募手続として次の内容を義務付け

  • 命令等の案や関連資料を事前に公示する。
  • 30日以上の意見提出期間を置き、広く一般の意見や情報の公募を行う。
  • 意見や情報を考慮する。
  • 意見や情報の内容、これらの考慮の結果などを公示する。
地方公共団体の措置(第46条)

 地方公共団体は、(中略)この法律の規定の趣旨にのっとり、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

2 県民意見提出制度の見直し

 行政改革の一環として、より実効性のある制度とするための見直しを行った。

(1)情報公開審議会での検討

 第6回審議会(平成17年7月開催)から第9回審議会(平成18年5月開催)まで計4回の審議会で、問題点の把握、改善すべき事項及び改善案について検討。

(2)パブリック・コメントの実施(2回)

  • 平成17年11月18日~12月19日にかけて、パブリック・コメント制度の論点について意見募集を行った。(意見提出数:5通28件)
  • さらに、平成18年3月24日から4月24日にかけて、運営要綱改正案について意見を募集を行った。(意見提出数:1通3件)

3 「県民意見提出制度運営要綱」の全部改正

 平成18年6月26日に要綱を全部改正し、同年7月1日から施行した。

(1)主な改正点

ア.対象(適用除外)の見直し・明確化
  • 旧要綱で対象としていた「条例」、「規則」及び「計画」等に加え、行政手続法の改正で意見公募手続を実施することとされた「審査基準」、「処分基準」及び「行政指導指針」を対象とするなど、本制度の対象を拡大した。
  • 「適用除外」及び「手続の例外」となるものを明確化するとともに、後者については、手続を経ないで政策等を定めた場合は、その旨や理由等を公表する。
イ.原案等の公表及び公表時期
  • 公表する政策等の原案等は、原則として具体的かつ明確な内容のものとする。
  • 対象となるもののうち、特に政策的要素が強いものについては、その方向性を見出すことを目的として、具体的になる前の段階においても本手続を実施することができる。そして、この段階で手続を実施した場合は、その内容が具体的かつ明確なものになった段階で再度本手続を実施する。
ウ.意見等の提出者の見直し
  • 従来の「原則として、県内に在住、在勤又は在学する者」に、「県内に事業所又は事務所を有する法人等」を加えるとともに、所管所属の判断により、意見を求める者の範囲を広げることができる。
エ.予告制度の創設
  • 原則として原案等を公表するおよそ60日前までに、政策等の題名、意見募集の予定時期、原案や資料等の入手方法を明らかにする。
オ.意見の募集期間の見直し
  • 原案等の公表の日から原則30日以上とし、やむを得ない理由により30日を下回る募集期間とする場合には、原案等の公表の際、その理由を明らかにする。
カ.その他の見直し事項
  • 各行政事務所において、原案等を配布するとともに、手続の実施状況を取りまとめた一覧表についても備え付ける。
  • 結果の公表は、政策等の公布(公布しないものにあっては、公にする行為)までに行う。
  • 手続を実施したにもかかわらず政策等を定めないこととした場合には、その旨(別の政策等の原案等で改めて本手続を実施しようとする場合にあっては、その旨を含む。)等を公表する。

(2)県民意見提出制度(全部改正後)と行政手続法の意見公募手続の差異

ア.目的
  • 「県民意見提出制度」:政策形成の過程の公正性及び透明性を確保する。民意を反映した県政の推進に資する。
  • 「意見公募手続」:行政運営における公正の確保と透明性の向上を図る。国民の権利利益の保護に資する。
イ.対象
  • 条例案(議案の素案)や計画を対象としている県民意見提出制度の方が対象が広い。
ウ.予告制度
  • 県民意見提出制度は、原案等公表の2カ月前を目途に、予定時期や原案等の入手方法等を公表することとしているが、意見公募手続ではこのような制度はない。

4 「県民意見提出制度」の条例化の検討

(1)主な選択肢

ア.県民意見提出制度のみを定めた条例を新設する。
イ.行政手続条例を改正し、県民意見提出制度を取り込む。
ウ.条例化しない(要綱に基づく制度のまま)。

(2)条例化するメリット

ア.要綱行政の解消
  • 要綱行政は、行政の恣意的運用、恣意的裁量を象徴するものとして挙げられることが多い。行政を民主的に統制するものとしては、条例制定が望ましい。
イ.改正行政手続法の要請
  • 行政手続法では上記のとおり「地方公共団体は…必要な措置を講ずるよう努め」ることとしており、条例化することが行政手続法の趣旨にかなう。

(3)条例化した場合に想定される問題

ア.条例の規定に反して政策等を定めた場合の当該政策等の効力
  • 最終的には裁判所の判断によるが、無効となることも考えられなくはない。(通常は、違法無効とまではいえないと考えられる。)
イ.意見提出することは住民の権利として認められるか
  • 県の義務の反射的利益であり、権利ではないのではないか。

(4)全国の動向

ア.都道府県レベル
  • パブリック・コメント条例を定めているところはないが、福岡県及び千葉県は行政手続条例を改正し、改正行政手続法の意見公募手続と同様の規定を設けた(福岡県は平成19年4月1日施行。千葉県は平成20年4月1日施行)。
  • また、鳥取県は行政手続条例の中で、「審査基準、処分基準等を定め、又は変更・廃止しようとするときは、あらかじめ、県民の意見を聴くよう努める」ものとしている(第38条)。
イ.市レベル
  • 川崎市、神戸市、横須賀市、三鷹市、四日市市等がパブリック・コメント条例を定めており、神戸市は改正行政手続法に合わせた行政手続条例の改正も行った。

資料5 群馬県情報公開条例の見直しについて

1 検討事項

(1)開示請求対象の拡大

 情報公開条例施行前の文書を開示請求の対象とするか。

(2)実施機関の拡大

 地方公社(本県で設立されているのは土地開発公社及び住宅供給公社)を実施機関に加えるか。

(3)開示請求方法の見直し

 Faxや電子メールによる開示請求を認めるか。

(4)開示方法の見直し

 開示場所の拡大(インターネットを利用した開示、Fax又は電子メールによる送付)や写しの作成方法を拡大するか。

2 開示請求対象の拡大

(1)現状

ア.知事、公安委員会を除く各種委員(会)、企業管理者及び病院管理者
a.県庁(本庁)所属、各種委員(会)
  • 昭和61年4月1日以降平成12年12月31日までの決裁・供覧終了文書
  • 平成13年1月1日以降に作成・取得した公文書(組織共用・組織保有文書)
b.地域機関等(出先機関)
  • 昭和62年4月1日以降平成12年12月31日までの決裁・供覧終了文書
  • 平成13年1月1日以降に作成・取得した公文書(組織共用・組織保有文書)
c.県立学校
  • 昭和63年4月1日以降平成12年12月31日までの決裁・供覧終了文書
  • 平成13年1月1日以降に作成・取得した公文書(組織共用・組織保有文書)
イ.議会
  • 平成13年1月1日以降に作成・取得した公文書(組織共用・組織保有文書)
ウ.公安委員会及び警察本部長
a.公安委員会及び警察本部
  • 平成14年4月1日以降に作成・取得した公文書(組織共用・組織保有文書)
b.警察署
  • 平成15年4月1日以降に作成・取得した公文書(組織共用・組織保有文書)

(2)他県の状況(情報公開条例施行前の文書が開示請求の対象となるか)

他県の状況一覧
  知事部局等 議会 公安委員会・警察本部長

対象となる

24都道府県

9都道府県

13都道府県

永年保存等一定の文書は対象

9都道府県

8都道府県

6都道府県

旧条例適用文書のみ対象

13都道府県

3都道府県

1都道府県

対象とならない

1都道府県

27都道府県

27都道府県

(3)改正の方向・考え方

  • 旧条例施行(昭和61年10月1日)から21年以上経過し、「整理及び検索等の管理体制が整った公文書から本条例を適用しようとする趣旨」という理由が説得力を持たない状況になっている。
  • 実施機関からは文書の検索・特定作業に多大な労力を要することが予想されるなどの意見があるが、これについては決定期間延長により対応すべきものである。
今後検討しなければならない点は、
  • 昭和61年4月1日から平成12年12月31日までの公文書については当該公文書が決裁・供覧済みであることを要件としているが、これを組織共用・組織保有であればよいとするか否か。
  • 旧条例施行前の文書について、組織共用・組織保有を要件とするか、それとも決裁・供覧済みを要件とするかであるが、古い文書については保管されているものはほとんどが決裁・供覧済み文書であること、いわゆるメモの類は新条例でも旧条例でも公文書ではないこと、から現実には両者には大きな差はない。
条例・規則の改正の要否
  • 条例附則の改正が必要である。

3 実施機関の拡大

(1)現状

  • 現在、県の執行機関については、議会を含めすべての機関が実施機関となっているが、地方公社(本県で設立されているのは土地開発公社及び住宅供給公社)は実施機関となっていない。
  • また、地方独立行政法人についても本県では設立されていないため、当然のことながら実施機関となっていない。

(2)他県等の状況

  • 国は、独立行政法人について、行政機関とは別に情報公開法を制定している。
  • 都道府県においては西日本を中心に、地方三公社を実施機関とする傾向にある(17府県)。
  • また、地方独立行政法人を設立している都道府県は同法人を実施機関としている(別個の条例を設けている都道府県はない)。

(3)改正の方向・考え方

ア.土地開発公社
  • 公社・事業団改革により、平成19年度末に事務局を住宅供給公社と統合し、その後清算事務に入り、平成22年度末に解散する予定であり、実施機関となっている期間は、最長でも平成20年度から22年度までの3年間ということになる。
  • 解散後の文書保管は未定であるが、県(用地課)又は住宅供給公社が保管することになると予想される。
  • 現在は、情報公開条例第41条に基づいて公社が制定した規程に基づき、文書開示を行うことになっている
イ.住宅供給公社
  • 公社・事業団改革により、平成19年度末に事務局を土地開発公社と統合する予定である。
  • 現在は、情報公開条例第41条に基づいて公社が制定した規程に基づき、文書開示を行うことになっている
ウ.各公社における手続
  • 両公社とも県とは別の法人格を持つ団体であり、県が一方的に条例を改正して実施機関とすることはできない。
  • 理事会議決事項であり(群馬県土地開発公社定款第17条第1項第4号又は第6号、群馬県住宅供給公社定款第16条第1項第5号又は第7号)、条例改正に係るパブリックコメントなど対外的な行為は、理事会議決後となる。
エ.条例・規則改正の要否
  • 条例第2条第1項の「定義」の部分を改正するほか、公社に対する異議申立てについての規定を新設する必要がある。

4 開示請求方法の見直し

(1)現状

ア.窓口での請求
  • 県庁:各実施機関とも、県庁内にある所属については、県民センターが窓口。
  • 地域機関等:原則として各所属が窓口。
イ.郵送等による請求
  • 請求する公文書を保有している(あるいは請求内容に関する事務を所掌する)所属または、県民センターへの送付。
  • 県民センターに送付された場合、県民センターの収受印を押し、本書を担当所属に送付。
  • なお、地域機関等への請求である場合、県民センターの収受印押印後、請求書をスキャナで読み取る等してPDF化し、電子メールで送付。
ウ.ぐんま電子申請等受付システムによる請求
  • 申請があった旨は電子メールにより県民センター情報公開グループに送信される。
  • 県民センターでは、申請書をプリントアウトした後、収受印を押印し(収受日は県庁サーバ到達日となる。)、担当所属に送付

(2)他県等の状況

ア.知事マニフェスト

「情報公開の制度は、請求手続を簡素化し、知事交際費等の透明化を図ります。」

イ.各都道府県等
  • Fax:認める(36)、認めない(11)、国(認めない)
  • 電子メール:認める(5)、認めない(42)、国(認めない)

(3)改正の方向・考え方

ア.Faxによる請求

 a.全国的にFaxによる請求を認める方向にある。

 b.Faxによる請求を認めていなかった理由・各所属の意見

  • 着信が不確実であること
  • 着信しても受信機トラブルにより印字されないことがある
  • 受信機の性能によっては、文字が鮮明でないことがある
  • 紙、トナーの費用を県が負担することになる
  • 文書特定が難しい場合が出てくる
  • 事前相談のない一方的な請求が予想され、職員負担が増える

 c.県民センターとしての考えは、

  • 原則として事前に県民センターに連絡してもらう
  • 明瞭な文字で着信があったもののみを受け付ける
  • 県民センターを唯一の受付窓口とする(各所属では受け付けない)
  • 印字された紙を条例第12条の「書面」として扱う
  • 県民センター到達後は、郵送等の場合と同様に扱う、であればFaxによる請求を認めるというものである。
イ.電子メールによる請求

 a.全国的には電子メールによる請求を認めている都道府県は少ない。
 b.電子メールによる請求を認めていなかった最大の理由は、

  • 条例第12条の「書面による請求」に該当せず、運用として認めることは妥当でない。
  • 県庁のセキュリティポリシーに抵触し、職員端末に到達しないメールも多いことから、Fax以上に確実性がない。
  • 電子メールによる請求を認めると、インターネットによる請求件数が伸びない可能性が高い。
  • しかし、Faxによる請求を認めるとすれば、電子メールによる請求を認めない理由はないのではないかという意見もある。

c.県民センターとしての考えは、

  • 受け付けるメールアドレスは、県民センター(所属としてのもの)のみとする
  • 原則として事前に県民センターに連絡してもらう
  • メール本文ではなく、添付ファイルとして請求してもらう
  • 職員端末に到着したのみを受け付ける
  • 条例第12条を改正するなどして、「書面」以外(電磁的データ)による請求が可能なようにする
  • 県民センター到達後は、郵送等の場合と同様に扱う、であれば電子メールによる請求を認めるというものである。
ウ.条例・規則の改正の要否
a.Faxによる請求
  • 受信した結果は紙にプリントアウトされることから、条例第12条の「書面」を提出したものと考えることができ、条例改正の必要はない。規則についても同様。
b.電子メールによる請求
  • 現在、「書面」とは紙等の物質に記載・印字されたものと考えているため、条例改正が必要ではないかと考えている。

5 開示方法の見直し

(1)現状

ア.閲覧方法

a.「文書又は図画」…原則として原本を閲覧。部分開示や原本の保管上問題がある場合は写しによることができる。

b.「電磁的記録」

  • 用紙に出力したものの又はその写しの閲覧
  • 専用機器により再生したものの閲覧又は視聴若しくは聴取
イ.写しの交付方法

a.「文書又は図画」…乾式コピー機による写しの交付(白黒又はカラー)

b.「電磁的記録」

  • 用紙に出力したもの又はその写しの交付(白黒のみ)
  • FD、CD-R、録音カセットテープ又はビデオカセットテープに複写したものの交付
ウ.開示場所

a.「窓口」…原則は、閲覧、写しの交付とも、文書を保有している実施機関の担当所属となる(県庁の場合は県民センター)。

b.「郵送等送付」…請求者が希望すれば写しを送付する。

(2)他県等の状況

ア.開示場所の拡大
a.インターネットを利用した開示

【大阪府】次の条件をすべて満たす場合にインターネットの利用により行政文書(公文書)を閲覧できるとしている。

  • インターネットの利用による公開請求が行われていること
  • 請求者がインターネットの利用による閲覧を希望していること
  • 公開請求に係る行政文書が電磁的記録であり、行政文書管理システム(本県の総務事務システムに相当)の添付ファイルにできる形式であること
  • 公開請求に係る行政文書に個人情報が含まれていないこと
  • 実施機関が適当と認めるものであること(対象行政文書の非公開部分が電子的に確実にマスキングできるものであり、当該事務が困難でないなど

【山梨県】

  • やまなし申請・予約ポータルサイト(汎用受付システム)を利用した開示請求があった場合、電子情報処理組織を使用して開示を受ける側のコンピュータの備えられたファイルに電磁的記録を複写させる方法により開示することができるとする。紙情報についてもPDF化したものをオンライン交付可能としている。

【国】

  • オンラインでの開示を行っている(情報公開法施行令)。電磁的記録のみならず文書又は図画についても、スキャナで電子化したもののオンライン交付を行っている。
b.Fax又は電子メールによる送付

【佐賀県】ファクシミリ又は電子メールによる公文書の写し等の交付することができるとしている。そのための条件は次のとおり。

ファクシミリによる写しの交付

 請求者が当該方法によることを希望する場合で、次の各号のすべてに該当する場合に行う。

  • 公文書の原本が製本されていないこと
  • 公文書の原本がファクシミリ可能な大きさであること(概ねA4判以下を目安とする。)
  • 公文書の原本の量が概ね10枚以下であること
  • 公文書の原本の印字の大きさがファクシミリ可能な大きさであること
電子メールによる写しの交付

 電子データとして保存しているものを全部開示する場合で、請求者が当該方法によることを希望する場合に行う。ただし、電子データとして保存していないものであっても、次の各号のすべてに該当する場合は、スキャナによる画像読み取りを行い、電子メールによる写しの交付を行うものとする。

  • 公文書の原本が製本されていないこと
  • 公文書の原本が画像読み取り可能な大きさであること(概ねA4判以下を目安とする。)
  • 公文書の原本の量が概ね10枚以下であること
イ.写しの作成方法の拡大

【国】…文書又は図画の写しとして、スキャナで読み取ってできた電磁的記録をFD、CD-R又はDVD-Rに複写したものを交付している。

(3)改正の方向・考え方

ア.インターネットを利用した開示の実施

 インターネットによる請求に限りインターネットでの開示実施を認める方向で検討する。後述のように、開示請求方法の拡大として電子メールによる請求を認めるとすると、現在インターネットによる請求を利用している者を含めて、電子メールでの請求等に流れてしまうおそれがある。インターネットでの開示をする場合、次のような問題について検討する必要がある。

a.閲覧か写しの交付か

【大阪府】…インターネットによる開示を「閲覧」であるとしている。

【山梨県】…「ファイルに複写」と表現していることから、写しの交付と考えているものと思われる。

【国】…施行令改正案の概要において「オンラインによる方法」を「新たな開示の実施の方法として追加」と説明しているが、情報公開法14条は、文書又は図画の開示実施方法を「閲覧又は写しの交付」と規定していることから、少なくとも文書又は図画については「写しの交付」であると考えているものと思われる。

b.文書又は図画についてはスキャナで読み取ったものを開示対象とするか

 スキャナが各所属に行き渡っているかどうか調査が必要であるが、相当程度行き渡っているようであれば、開示対象とする方向で検討する。

c.実費徴収をどうするか 閲覧か写しの交付か

【大阪府】…インターネットによる開示は閲覧であること、閲覧に要する費用は無料であることから、実費徴収を行っていない。

【山梨県】…条例施行規則においてオンラインによる開示実施の費用を規定しておらず、無料としている。

【国】…施行令においてスキャナで読み込んだ文書等1枚につき10円、電磁的記録1ファイルにつき210円としている。

イ.Fax又は電子メールによる送付
  • 佐賀県のみこの方法での開示を実施。相手方への到達に不確実性が残ること、佐賀県においても当該方法によることができる場合は限定されており、開示請求時には当該方法が採れるか否かわからないことから、実施までには検討が必要である。
  • なお、佐賀県では、Fax又は電子メールにより写しの交付を受けた請求者は、同一の公文書について、改めて原本の閲覧若しくは用紙又は記録媒体による写しの交付を求めることができる、としている。
ウ.写しの作成方法の拡大
  • スキャナによる読み取り情報を「写し」としている府県は山梨県、大阪府、佐賀県のみである。上記ア-bのとおり、各所属でのスキャナの普及状況を調査する必要がある。
エ.条例・規則の改正の要否
a.インターネットによる開示
  • 閲覧か写しの交付かの議論はあるが、いずれにしても「閲覧」又は「写しの交付」であり、条例改正の必要はない。
  • しかし、規則改正は必要である。(電磁的記録の開示方法 規則第8条)、(費用負担に係る額 規則第10条)
b.Fax又は電子メールによる送付
  • 「閲覧」又は「写しの交付」であり、条例改正の必要はない。
  • しかし、規則改正をするかどうかは検討する必要がある。(文書等の閲覧(写しの交付)方法の追加)
c.写しの作成方法の拡大(スキャナによる読み取り)
  • 「閲覧」又は「写しの交付」であり、条例改正の必要はない。
  • しかし、規則改正は必要である。(電磁的記録の開示方法 規則第8条)、(費用負担に係る額 規則第10条)

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