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令和3年度 病害虫情報 第3号(イネいもち病・葉いもち)
更新日:2021年7月12日
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令和3年度 病害虫情報 第3号 イネいもち病(葉いもち)(PDFファイル:287KB)
イネいもち病(葉いもち)の発生に注意してください
- 現在までのいもち病(葉いもち)の発生は平年並。苗いもちが平年よりもやや多い。
- BLASTAM※注による判定(表1)では、感染好適日の出現が平年よりもやや多い。
- 今後も不順な天候が続く場合は、注意が必要。
1 葉いもち病が発生しやすい条件
- 平均気温19~25度で、降雨頻度が高く、多湿である場合。
- 夜間の風が弱く、朝露の乾きが遅い場合。
- イネが軟弱徒長気味で葉色が濃い場合。
2 防除対策
- 特に、常発地、いもち病に登録のある箱施用剤を使用していないほ場、葉色が濃いほ場、水口付近などは発生しやすいので、よく観察し、早期発見に努めてください。
- 補植用等の取り置き苗は発生源になりやすいので、すみやかに処分してください。
- 葉いもちの発生が認められた場合はただちに防除してください。特に「進展型病斑」(写真2)が認められる場合には、被害が拡大する恐れがあるため早急に薬剤散布してください。
- 病斑が大きくなっていたり、上位葉に葉いもちの発生が多いと穂いもちの発生に移行する可能性が高いので、穂ばらみ期と穂ぞろい期に薬剤散布を行ってください。
- 発生の見られるほ場や葉色の濃いほ場は、穂肥等窒素肥料の施用を控えてください。
表1 BLASTAMによるアメダス観測地点におけるいもち病感染好適日(6月14日~7月8日)
- 印が多かったり連続した場合は、特に注意が必要です。
- 印が現れた日の約1週間後に発生が多くなる可能性があります。
写真1 被害葉の様子
写真2 葉いもち進展型病斑
※注 ブラスタム(BLASTAM)とは
気象条件(アメダスデータ)のみによって、葉いもちに感染しやすい日(感染好適日)を予測するシステム。
ブラスタム(BLASTAM)情報の使用上の注意
- 実際のほ場における葉いもちの発生には、気象条件のほかに、病原菌密度、作付け品種の特性(抵抗性、草勢など)、薬剤防除条件など様々な要因が関わっています。したがって、BLASTAMは、あくまでも葉いもちが発生しやすい気象環境なのかを示すものです。
- BLASTAMは、葉いもちを対象としています。葉いもちが初発するまでには、イネが移植後、ある生育量に達するまでの一定期間が必要であること等から、BLASTAMの適用期間は、移植後21日目から35日間とされています(6月1日移植の場合、6月21日~7月25日)。ただし、箱施薬が行われたほ場で、薬剤の効果が持続している期間についてはBLASTAMは適用できないので、注意してください。
- 葉いもちは、菌が侵入してから発病するまで約1週間かかるため、BLASTAMで感染好適条件が現れた場合、その約1週間後から初発あるいは病斑数が急激に増加することが予想されます。