ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織からさがす > 農政部 > 蚕糸技術センター > 群馬生まれの桑品種

本文

群馬生まれの桑品種

更新日:2019年11月18日 印刷ページ表示

 桑は、接木で繁殖させるため、昔から各地域で独自に品種の選抜、育成が行われてきました。現在確認されていない品種を入れれば、県内の地域ごとに特有の品種があったといってもいいかも知れません。

 大正12年(1923年)3月31日に国の農商務省農務局から発行の『桑の種類に関する調査』に記載されている原産地が群馬県の品種は37種で、当センターで保存され、品種の特性などがはっきりしている品種は次のとおりです。

群馬生まれの桑品種一覧

1 采女桑(うねめそう)

1.采女桑の葉(左)の写真
1.采女桑の葉

 明治20年(1887年)頃、旧佐波郡采女村の長沼市郎平氏が、魯桑の実生苗より選出し、明治40年頃、時の村長が地名から命名しました。

2 多胡早生(たごわせ)

2.多胡早生の葉(右)の写真
2.多胡早生の葉

 文政年間(1818~1830年)頃に旧多胡郡多胡村において盛んに栽培され、昭和のはじめまで県内第1位の栽培面積でした。現在では、桑の実のよくなる品種として注目されています。

3 群馬赤城(ぐんまあかぎ)

3.群馬赤城の葉の写真
3.群馬赤城の葉

 享保年間(1716~1736年)、旧群馬郡元総社村の小野澤甚三郎氏が発見し、神座、総社桑と呼ばれ、昭和のはじめまでは県内第2位の栽培面積でした。

4 大島桑(おおしまそう)

4.大島桑の葉の写真
4.大島桑の葉

 明治26年(1893年)、旧佐波郡三郷村の板垣軍蔵氏が魯桑の実生中より選出し、その後、同地方の大島喜蔵氏が苗木を育成したので、育成者の姓をとって命名されました。発芽が早いので、春の稚蚕用桑に適し、広く栽培されました。

5 富栄桑(とみえいそう)

5.富栄桑の葉の写真
5.富栄桑の葉

 明治20年(1887年)頃、旧佐波郡剛志村の富岡栄蔵氏が、「市平」の桑園中から葉肉の厚いものを発見しました。

6 露国野桑(ろこくやそう)

6.露国野桑の葉の写真
6.露国野桑の葉

 本県農事試験場が当時(明治後期)、中国原産の本種を露国の野桑と名札を取り違え、そのまま呼ぶこととなりました。

7 板東(ばんどう)

7.板東の葉の写真
7.板東の葉

 口碑に文政年間(1818~1830年)に旧利根郡新治村において栽培されていたとあり、昭和のはじめには利根沼田地区で第1位の栽培面積でした。現在では、木工品の材料として再評価されています。

8 甘楽桑(かんらそう)

8.甘楽桑の葉の写真
8.甘楽桑の葉

 明治24年(1891年)頃、旧北甘楽郡小野村の松井重蔵氏が魯桑の実生中より発見しました。

9 叶屋(かのうや)

9.叶屋の葉の写真
9.叶屋の葉

 明治初年(1868年)、吾妻郡中之条町の鹿野某氏が、奥州より移入し、昭和のはじめには吾妻地区で第1位の栽培面積でした。叶屋は選抜者の屋号から命名されました。

10 陣場(じんば)

10.陣場の葉の写真
10.陣場の葉

 元禄年間(1688~1704年)、旧群馬郡明治村の馬場重久氏(1663~1735年)が桑園中から選出し、地名にちなみ「陣場」と命名されました。本県で最初に発見された品種です。

11 萬年(おもと)

11.萬年の葉の写真
11.萬年の葉

 安政年間(1854~1860年)には、既に碓氷郡付近で栽培され、杉名桑、原市桑とも呼ばれ、他品種に比べて樹齢が長く、永年葉を収穫できることから、「萬年」と改名されました。

12 青木魯桑(あおきろそう)

12.青木魯桑の葉の写真
12.青木魯桑の葉

 明治30年(1897年)頃、旧北甘楽郡福島町の斉藤亀松氏が、魯桑の実生中より選出しました。

13 清十郎(せいじゅうろう)

13.清十郎の葉の写真
13.清十郎の葉

 明治33年(1900年)、旧佐波郡剛志村の井上清十郎氏が、魯桑の実生中より伸長良好で葉の大きなものを選出しました。

14 栄治(えいじ)

14.栄治の葉の写真
14.栄治の葉

 寛延元年(1748年)、旧北甘楽郡小幡村の田口榮次郎氏が、晩秋に落葉の遅い桑株から曲取法で繁殖させました。

15 馬山大葉(まやまおおは)

15.馬山大葉の葉の写真
15.馬山大葉の葉

 安政年間(1854~1860年)に、旧北甘楽郡馬山村の山田廣右衛門氏が、奥州より移入し、栽植しました。

16 久兵衛(きゅうべい)

16.久兵衛の葉の写真
16.久兵衛の葉

 文政年間(1818~1830年)頃、旧利根郡川田村の宮塚久兵衛氏が発見した。

17 権七(ごんしち)

17.権七の葉の写真
17.権七の葉

 天明4年(1783年)、旧群馬郡古巻村の権七という人が、浅間の噴火による荒廃地から自生した桑を発見しました。

18 大類桑(おおるいそう)

18.大類桑の葉の写真
18.大類桑の葉

 明治31年(1898年)頃、旧群馬郡大類村の木村熊太郎氏が、魯桑の実生中より選出しました。

19 長沼桑(ながぬまそう)

19.長沼桑の葉の写真
19.長沼桑の葉

 明治20年(1887年)頃、旧佐波郡豊受村の高橋伴蔵氏が自然交雑実生苗から選出しました。

20 島村(しまむら)

20.島村の葉の写真
20.島村の葉

 別名を島村早生といい、明治13年(1880)頃、旧佐波郡島村の田島彌平氏(1822~1898)が実生苗より選出し、地名から命名しました。

21 佐一(さいち)

21.佐一の葉の写真
21.佐一の葉

 旧佐波郡剛志村の石原佐一氏(1786~1871年)が、再発芽の早いものを発見しました。

22 深山木(みやまぎ)

22.深山木の葉の写真
22.深山木の葉

 別名を深山といい、旧勢多郡敷島村大字深山の山桑から選出されました。