ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織からさがす > 総務部 > 総務課 > 令和5年度答申第6号

本文

令和5年度答申第6号

更新日:2023年8月4日 印刷ページ表示

第1 審査会の結論

 本件審査請求には、理由がないので、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第45条第2項の規定により審査請求を棄却すべきである。

第2 審査関係人の主張の要旨

1 審査請求人

 審査請求人は、令和4年9月9日付け特例給付支給事由消滅処分(以下「本件処分」という。)の取消しを求める理由として、次のとおり主張している。
(1) 消滅した日が令和4年5月31日であったが、同年9月15日に通知が審査請求人に到達した。審査請求人に通達もないまま消滅され、通知が3か月半も遅れている。
(2) 制度開始時に処分庁から高校卒業の年齢まで支給されるものだと説明を受けている。特例給付を中途で消滅させるという勝手な制度に理解が出来ない。支給の継続または見合った対価の税金控除等を求める。

2 審査庁

 審理員意見書のとおり、本件審査請求を棄却すべきである。

第3 審理員意見書の要旨

 児童手当は、児童手当法(昭和46年法律第73号。以下「法」という。)第5条第1項の規定により、父母等の前年の所得が児童手当法施行令(昭和46年政令第281号。以下「施行令」という。)第1条に規定する所得制限限度額(以下「所得制限限度額」という。)以上であるときは支給されないが、法附則第2条第1項の規定により、当分の間、当該所得が施行令第7条に規定する所得上限限度額(以下「所得上限限度額」という。)未満であるときは、同項の規定による給付(以下「特例給付」という。)を行うこととされている。
 処分庁は、審査請求人について、児童手当法施行規則(昭和46年厚生省令第33号。以下「規則」という。)第4条第3項の規定により、法第26条第1項及び規則第4条第1項で定める届出を省略し、公簿において前年の特例給付対象所得を確認している。当該公募によると、審査請求人の総所得額は○○○○円であり、当該総所得額から控除額を差し引いた所得額は○○○○円である。審査請求人の扶養親族の人数は○人であるため、所得制限限度額は○○○○円、所得上限限度額は○○○○円である。したがって、審査請求人の所得額はいずれの額も超過しており、特例給付の支給要件に該当しない。
 また、令和4年5月31日付けで受給資格が消滅した旨の通知が令和4年9月15日に到達したことについて、令和4年6月分からの特例給付支給要件を満たすかどうかの判定については、施行令第3条において、その所得が生じた年の翌年の4月1日の属する年度分の市町村民税に係る地方税法(昭和25年法律第226号)第313条第1項に規定する総所得金額と規定され、前年所得の申告に基づき市町村民税の税額が確定した後の6月以降に所得に係る審査を行うことが通常である。よって、特例給付の支給事由消滅通知を送付できる時期は、処分庁が公簿上において受給者の所得情報を把握し、特例給付の所得上限限度額との比較を行った後となる。これは、児童手当の事務処理の中で、通常想定されているものである。また、対象者の特定及び所得額の審査から市内部の意思決定期間を鑑みると、行政手続上の遅延までとは認められず、支給事由消滅通知が消滅日から3か月半遅れて審査請求人へ到達したことについて、不当な点は認められない。
 さらに、児童手当法制度に対する不服について、審査請求人は、特例給付支給を中途で消滅させる法制度に理解ができない旨主張しており、これは児童手当・特例給付制度そのものに対する違法又は不当性を主張しているものと解される。
 児童手当・特例給付の支給は、法第29条の2に規定されているとおり、市町村が処理することとされる事務のうち、国が本来果たすべき役割に係るものであって、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとされる第一号法定受託事務(地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第9項第1号)であって、処分庁に裁量権を行使する余地はなく、法令による事務処理を義務付けられているものである。今回の処分は、児童手当法及び関係法令の規定に基づいて適切に行われたものであると認められるため、審査請求人の主張は、本件処分の取消しの根拠となる理由とは認められない。
 以上のとおり、本件審査請求には理由がないから、行政不服審査法第45条第2項の規定により、棄却されるべきである。

第4 調査審議の経過

 当審査会は、本件諮問事件について、次のとおり、調査審議を行った。
 令和5年6月16日 審査庁から諮問書及び諮問説明書を収受
 令和5年6月30日 調査・審議
 令和5年7月21日 調査・審議​

第5 審査会の判断の理由

1 審理手続の適正について

 本件審査請求について、審理員による適正な審理手続が行われたものと認められる。

2 本件処分に係る法令等の規定について

(1) 児童手当等の支給要件について
 ア 法第4条第1項第1号において、児童手当は、支給要件児童を監護し、かつこれと生計を同じくするその父母等であって、日本国内に住所を有するものに支給するとされており、ここでいう支給要件児童とは、中学校修了前の児童及び中学校修了前の児童を含む2人以上の児童とされている。
 イ 児童手当は、法第5条第1項の規定により、児童手当受給者の前年所得が所得制限限度額以上であるときは支給しないとされているが、法附則第2条第1項により、当分の間、所得制限限度額以上であっても、所得上限限度額未満であるものに限り特例給付を行うとされている。
 ウ 所得制限限度額は、施行令第1条において、法第5条第1項に規定された扶養親族等がないときは622万円、扶養親族等があるときは622万円に扶養親族等1人につき38万円を加算した額とされている。また、所得上限限度額は、施行令第7条において、法第5条第1項に規定された扶養親族等がないときは858万円、扶養親族等があるときは858万円に扶養親族等1人につき38万円を加算した額と規定されている。この場合の扶養親族等の有無は、法第5条第1項及び所得税法(昭和40年法律第33号)第85条第3項により、前年12月31日時点での所得税法上の現況によって判定される。
(2) 現況届の提出省略について
 法第26条第1項(法附則第2条第4項において準用する場合を含む。以下同じ。)において、児童手当又は特例給付の支給を受けている者は市町村長に対し、前年の所得の状況及びその年の6月1日における被用者又は被用者等でない者の別を届け出なければならないと規定されている。
 また、規則第4条第1項(規則第15条において準用する場合を含む。以下同じ。)では、毎年6月1日から同月30日までの間に、その年の6月1日における状況を記載した届書を市町村長に提出しなければならないとされているが、同条第3項(規則第15条において準用する場合を含む。以下同じ。)では、届け出られるべき書類の内容を公簿等によって確認することができるときは、当該届出を省略させることができると定めている。
(3) 職権による児童手当の支給事由消滅の処理について
 「市町村における児童関係事務処理について」(平成27年12月18日付け府子本第430号)別添児童手当市町村事務処理ガイドライン(以下「ガイドライン」という。)第22条第7号で、法第5条第1項の所得の額が、児童手当の所得制限限度額(所得上限限度額を含む。)を超過した場合、当該職権に基づく処理ができると規定されている。
(4) 特例給付の支給判定に用いる所得の区分について
 特例給付の支給要件となる所得額の判定に際して、いずれの月分の給付について前年又は前々年の所得を用いるかの区分については、施行令第9条第2号に規定されており、6月から12月までの月分の給付については、前年の所得を用いることとなっている。
(5) 特例給付の受給資格消滅日について
 子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律等の施行について(令和3年9月1日府子本第882号内閣府子ども・子育て本部統括官名通知)によると、令和4年10月支給分から、児童手当が支給されない者のうち、その所得が一定の額未満のものに限り特例給付を支給する措置を講じ、令和4年6月1日から施行することとされている。なお、一定の額とは、前述した所得上限限度額である。
 また、所得上限限度額を超え、特例給付の対象外となった受給者は特例給付の受給資格を喪失することとなるとされているため、当該資格消滅日については、令和4年6月1日の前日である令和4年5月31日である。

3 本件処分の妥当性について

(1) 審査請求人の所得及び扶養する親族の状況について
 処分庁は、審査請求人について、規則第4条第3項の規定により、法第26条第1項及び規則第4条第1項で定める届出を省略し、公簿において前年の特例給付対象所得を確認している。当該公募によると、審査請求人の総所得額は○○○○円である。また、当該総所得額から控除される控除額は、一律控除額の80,000円及び医療費控除額の○○○○円の計○○○○円である。所得制限限度額及び所得上限限度額と比較をする所得額は、総所得額から控除額を差し引いた○○○○円となる。
 審査請求人の所得税法に規定する扶養親族の人数は○人であるため、所得制限限度額は○○○○円、所得上限限度額は○○○○円となる。
 したがって、審査請求人の所得額はいずれの額も超過しており、特例給付の支給要件に該当しない。
 以上により、処分庁が、法附則第2条及び施行令第7条の規定に基づき審査請求人が特例給付の支給要件に該当しないものと判断し、ガイドライン第22条第1項の規定により職権による支給事由消滅処理を行ったことについては、法令やガイドラインに基づく手続に従い行われたもので、違法又は不当な点は認められない。
(2) 令和4年5月31日付けで受給資格が消滅した旨の通知が令和4年9月15日に到達したことについて
 令和4年6月分からの特例給付支給要件を満たすかどうかの判定については、施行令第3条において、その所得が生じた年の翌年の4月1日の属する年度分の市町村民税に係る地方税法第313条第1項に規定する総所得金額と規定され、前年所得の申告に基づき市町村民税の税額が確定した後の6月以降に所得に係る審査を行うことが通常である。よって、特例給付の支給事由消滅通知を送付できる時期は、処分庁が公簿上において受給者の所得情報を把握し、特例給付の所得上限限度額との比較を行った後となる。これは、児童手当の事務処理の中で、通常想定されているものである。処分庁において、児童手当又は特例給付の受給資格の認定に係る標準処理期間は定められていなかったが、処分庁と同程度の受給者数の他自治体の状況を確認したところ、9月上旬頃までに継続や消滅の通知を送付していることが多い。6月以降の税額の確定後、処分庁が受給者の所得情報を確認する公簿への情報の反映にある程度の時間を要するとともに、全受給者数は相当程度おり、その全ての所得情報の把握、支給条件及び額の確認等並行して事務処理を行わなければならないことが想定され、一般的に考えても、処理にある程度の時間を要することはやむを得ないものと思われる。
 以上のことから、支給事由消滅通知が消滅日から3か月半遅れて審査請求人へ到達したことについて、看過できないほどに長期間に及んだとまではいえず、また、不当な点も認められない。
(3) 児童手当法制度について
  児童手当・特例給付の支給は、法第29条の2に規定されているとおり、市町村が処理することとされる事務のうち、国が本来果たすべき役割に係るものであって、においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとされる第一号法定受託事務であって、処分庁に裁量権を行使する余地はなく、法令による事務処理を義務付けられているものである。本件処分は、法及び関係法令の規定に基づいて適切に行われたものであると認められる。
(4) 結論
 以上のことから、本件処分には、これを取り消すべき違法又は不当な点はないものと認められる。

第6 結論

 以上のとおり、本件審査請求には理由がないから、「第1 審査会の結論」のとおり、答申する。

群馬県行政不服審査会答申集ページへ戻る群馬県行政不服審査会ページへ