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令和元年度 第1回県立美術館・博物館運営検討部会概要(通算第7回)

更新日:2020年6月12日 印刷ページ表示

1 開催日時

令和2年1月29日(水曜日) 14時30分~16時30分

2 開催場所

県庁29階 292会議室

3 出席者

委員4名、県立美術館・博物館長、副館長及び次長15名

4 議題及び主な意見等

(1)県立美術館・博物館の概要と取組の状況について

〇近代美術館
 昭和49年の開館以来、作品収集と保存管理、調査研究、コレクション展示と企画展示、解説会や講演会をはじめとした教育普及事業など、さまざまな活動を行ってきた。
 収蔵作品については、群馬県ゆかりの画家である福沢一郎、山口薫、鶴岡正男らの作品を所蔵しているが、館の設立に当たり、戦後の重要な作家の寄贈のコレクションから始まったという経緯がある。また日本と中国の古書画による「戸方庵井上コレクション」や、日本と西洋の近現代美術作品なども幅広く所蔵している。
 (平成30年度の取組内容について資料を基に説明)

〇委員
 群馬の森の中に立地しているが、入館者数等において、群馬の森との相乗効果はあるか。
 また、障害者の入場者数はどのくらいか。
〇近代美術館
 群馬の森とは月に1度、隣接する歴史博物館も併せて協議を行い、一体的な運営を行っている。群馬の森ではさまざまな集客のある催しも開催されており、今後も公園や博物館と連携を強化したい。
 障害者については、平成30年度は2,030人の利用があった。車イスを常備しているほか、事前に相談があれば適宜対応を行っている。

〇委員
 障害者の減免について、周知はしていると思うが、意外と知られていないかもしれない。周知をより徹底できると来館者もより増えると思う。現在は受付での表示やポスター・チラシ等への掲載のほか、何か行っているか。
〇近代美術館
 大々的な周知活動は行っていないが、文化施設全般に関する障害者の利用について広く訴えかけていく必要がある。いただいたご意見は今後の活動に活かしたい。

〇館林美術館
 当館は平成13年度、それまで東毛地域に美術館がなかったため、より多くの県民に美術鑑賞の機会を提供することを目的に設置された。近年の出来事としては、令和2年4月からESCO事業が開始される。また令和3年度には開館20周年を迎えることとなる。
 当館は常設展を行っておらず、年4回の企画展の間は休館している。
 (平成30年度の取組内容について資料を基に説明)

〇委員
 広い公園の中に立地し、行くたびに安らぎを覚える場所である。学校関係の事業により力を入れれば教育分野への貢献にもなるし、環境を活かせるのではないか。
〇館林美術館
 子どもの美術鑑賞の機会は大切であると認識している。いかんせん郊外に立地しているため、学校からの誘客が難しい部分もあるが、来館者を増やす努力をしたい。

〇歴史博物館
 昭和54年に開館し、今年度はちょうど開館40周年目であり、春夏秋の企画展を40周年記念として開催した。
 これまですべて順調というわけではなく、平成23年8月に、設備の老朽化により借用中の重要文化財を毀損するという水滴染み事故を発生させた。同年、文化庁から公開承認施設の承認を取り消され、平成25年度から大規模改修に着手、平成28年度にリニューアルオープン、平成29年度にグランドオープンし、重要文化財の展示を再開している。
 (平成30年度の取組内容について資料を基に説明)

〇委員
 歴史博物館に限らず、観覧料について現在は中学生以下無料、大学生・高校生は2割引きとなっているが、大学生・高校生まで無料にした方がより多くの来館者が見込めるとともに、将来ある年代の人間的成長に効果がある。予算的な負担が増加するかもしれないが、総合的に将来を考えると、経費以上の効果があると思われるので、全館で考える余地があるのではないだろうか。
〇委員
 子どものころ美術館・博物館に行く経験があっても、高校生ぐらいになると勉強や部活などの影響もあり、来場者の割合が落ち込むのはどこも同じ。その年代の来場者を確保する努力が必要である。
〇歴史博物館
 当館では、小学生まではとても来場が多く、土日の親子連れ利用が多いが、中学生から目に見えて少なくなっている。このため、中高生にターゲットを絞った講座なども企画している。また、高校生夏休みボランティアには毎年多くの応募があり、将来のために学芸員の話を聞きに来る高校生もいる。
 いろいろな形で、中学生以上の生徒・学生がどうすれば美術館・博物館に来たくなるか考え、工夫を凝らすことが大事である。

〇自然史博物館
 当館は歴史博物館と同じひとつの博物館から始まり、県立自然科学資料館を経て現在に至っている。今年度、組織改正で学芸係が地学研究係と生物研究係に細分化された。
 (平成30年度の取組内容について資料を基に説明)
 その他の話題として、平成30年度過去最高の入館者数を記録した際は、報道提供と共に増加要因の分析も行った。またイルカ類化石の発見や、入館者500万人達成など、報道提供も積極的に行っている。また、図鑑、書籍の監修を多く手掛けている。
 なお、館の事業については自己評価のほか、外部評価も行い、体系的な事業検証と館運営に努めている。

〇委員
 成果指標をみると、例えば平成28年度の実績より平成29年度の目標値が下回っている。通常、実績よりも高い目標を立てるものではないか。最初から決まった数値ということか。
〇自然史博物館
 複数年計画で目標を定めているためである。当館の場合、平成28年度は開館20周年でT-REX展を開催したので目標を高く、翌年度は平常の値、その後は目標値を上げて、というふうに設定している。委員ご指摘のとおり目標値の見直しをその都度行うべきかもしれないが、今後文化振興課とも相談しながら、目標の立て方は考えていきたい。

〇委員
 書籍監修の説明があったが、本を読む人が少なくなっている中、本を出すのは小学生などを対象に考えると良い影響がある。積極的に取り組んでもらいたい。

〇委員
 子どもの来館者が多いとのことだが、ある程度年齢が上がると足が遠のくのか。
〇自然史博物館
 来館は低学年が多く、小学3、4年生を境に、スポーツ活動なども増え忙しくなるようで、来館は少なくなるため、課題としている。

〇委員
 恐竜などは子どもの興味を引くと思うが、例えば身近な自然、動植物への愛着などをはぐくむのも大切だと思う。そのような企画展にも取り組んでもらいたい。
〇自然史博物館
 ファミリー自然観察会を開催しているほか、企画展でも今年度「同居いきもの図鑑」で身近な動物を取り上げた。また観覧無料の冬の特別展「ぐんまの自然のいまを伝える」では、学校や団体が調査研究の成果について報告会や展示を行うなど、身近な自然に親しんでもらう活動にも積極的に取り組んでいる。

〇土屋文明記念文学館
 当館は県立美術館・博物館の中で唯一、土屋文明という個人の名前を冠する施設であるが、土屋文明の功績をたたえるとともに広く文学全般を扱い、県民の文学への理解を深め、教育・学術・文化の発展に寄与することを目的としている。
 (平成30年度の取組内容について資料を基に説明)

〇委員
 テレビなどメディアの効果は大きい。上毛新聞や群馬テレビで取り上げられると、離れた地域に住んでいても、行ってみようかなという気になる。メディアで県立美術館・博物館をもっと取り扱ってもらうべき。積極的にPRしてもらいたい。
〇委員
 記者にもそれぞれ興味関心がある。美術館・博物館で専門分野の方が手掛けているものだが、もっとキャッチーに広報するとよい。記者は、どういうところを取り上げてどう広報すると多くの人に訴えかけることができるかわからないこともある。どんどん積極的に売り込んでほしい。
 自然史博物館などは上手だと思うが、企画展のタイトルのネーミングが分かりやすく興味を惹かれる。実際の展示内容とニュアンスが違うこともあるかもしれないが、入り口のハードルを下げる効果がある。名前に惹かれて行ってみたら予想に反して良かった、意外性があった、などということもあるので、各館ともタイトル名をもっと工夫してはいかがか。
 文学館に関しては、小学生の短歌を展示しているが、(もっと広報しないと)もったいない。いい作品がたくさんあるので、一つひとつピックアップして紹介することもできる。
 広報についてどうすればいいか分からなければ、直接報道機関に相談してもらいたい。

〇委員
 各館の収支はどのような状況か。今年は東京オリンピック・パラリンピックや、DCの開催など、日本、群馬がいろいろと注目される機会である。群馬県の文化についても多くの外国人が興味を持ち、来県するのではないか。そのような中、美術館・博物館もPRする絶好のチャンスである。仮に県の予算上、採算が取れなくても、積極的に取り組むべき。
〇文化振興課
 資料に各館の運営経費が記載されているが、観覧料収入の規模はその一部程度であり、運営経費を観覧料収入で賄えるような収支状況ではない。

〇委員
 文化に関しては、自治体として採算が取れなくてもいいと思う。地道な取り組みが人間形成に役立つものであり、長い目で見れば有効である。
〇文化振興課
 委員のおっしゃるとおり、収入確保の工夫も当然必要だが、県民に優れた芸術文化に触れていただくことが文化振興の面で大切であり、しっかり取り組みたい。

〇委員
 オリンピック・パラリンピックに関しては東京だけでなく、これまでの開催国の例を見ても、同時期に各地域で文化イベントを実施している。国や県でもそれなりの予算や企画を立てて取り組んでいるものと思う。
〇自然史博物館
 自然史博物館では、DC期間中は近隣の富岡製糸場と連携した取組や、企画展の会期を延ばすことなどを予定している。各館とも、個性を活かした取組を行っていくと思う。

〇委員
 各館それぞれ扱う分野や規模の違いがあるが、魅力的で充実した活動をしていると思う。各委員から出された意見は事務局で取りまとめ、今後の各館の運営に役立ててもらいたい。

5 会議資料

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