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令和5年度普及現地情報(令和5年10月)
利根沼田地区繁殖和牛共進会の開催
9月13日に第19回利根沼田地区繁殖和牛共進会がJA利根沼田新治支店駐車場で開催されました。
ねらいと背景
牛の経済能力向上と斉一化を推進し、生産農家の経営意欲の高揚を図るため、第19回利根沼田地区繁殖和牛共進会が開催されました。近年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、牛や人を集めることが難しい状況が続いていましたが、今回は4年ぶりに牛と人を集め、牛共進会が盛大に開催されました。
取組の成果
4年ぶりとなりましたが、管内の繁殖和牛農家が自慢の牛を持ち寄り、32頭という多数の出品牛が集まりました。審査員として家畜改良事業団の職員を招き、家畜保健衛生課職員とともに審査が行われました。会場には出品者とその後継者、畜産関係者が集まり、活発な情報交換が行われました。
上位に入賞した牛は利根沼田地域の代表として県の畜産共進会に出場しました。全7部のうち5つの部で利根沼田地域の牛が優等賞1席を受賞するという素晴らしい成績をおさめました。
今後の方向
共進会場は出品者や畜産関係者が集まるため、情報交換や交流を図ることができる場でもあります。今後も牛の改良増殖と牛飼養農家同士の交流が更に推進されるよう、関係機関と協力して共進会の開催を支援していきます。
審査の様子
令和5年度利根沼田地域の観光農業PRイベントin赤城高原SA~「TNしありー‘S」女衆マルシェ~
管内の女性農業者グループ「TNしありー‘S」は、本年度のプロジェクト活動として、マルシェを開催し、地場野菜を使ったおやきやオリジナルリンゴジュースを試作販売して、消費者の購買意欲を高める商品づくりを学びました。
ねらいと背景
「TNしありー‘S」は、次世代の女性リーダーの育成を目的として、平成23年に結成された利根沼田地域の若手女性農業者のグループです。例年、会員の資質向上や相互の交流、ネットワーク強化を狙いに、プロジェクト活動を行っており、本年度は、利根沼田農業事務所が開催した観光農業PRイベントとの共催で、「女衆マルシェ」出店販売を行いました。
取組の成果
会員は、マルシェの出店にあたり、日ごろの忙しい作業の合間をぬって、販売商品の試作を繰り返しました。5月から9月にかけて、計4回程度検討会を開催し、「ハーブとベリーを入れるオリジナルリンゴジュース」と「地場野菜等を使った“アツアツ”おやき」を販売することとしました。出店当日の9月17日、開催場所の関越自動車道下り線・赤城高原SAは多くの観光客で賑わいましたが、好評のうちにリンゴジュース50杯、おやき450枚を完売できました。利根沼田農業事務所の有機農産物PRともあいまって、購入客は皆笑顔で「利根沼田の味」を堪能していました。
今後の方向
「TNしありー‘S」会員からは「マルシェを出店販売することにより、消費者に受け入れられやすい商品開発の参考になった」等の意見が聞かれました。今後も女性農業者が活躍できるような場を設けて支援していきます。
オリジナルリンゴジュース販売
令和5年度女性農業者グループ交流会の開催~「あぐりぃぃな」と「TNしありー‘S」の組織交流会~
管内の女性農業者グループ「TNしありー‘S」は渋川地区女性農業者グループ「あぐりぃぃな」と交流会を実施し、「あぐりぃぃな」会員のほ場視察や昼食での情報交換会を通じて交流を深めました。
ねらいと背景
「TNしありー‘S」は前年度より「あぐりぃぃな」と交流会を実施しています。今回は「TNしありー‘S」の会員が渋川地区を訪れ、「あぐりぃぃな」会員のほ場視察とサンドイッチ作りによる交流会を行いました。
取組の成果
9月26日に「あぐりぃぃな」から6名、「TNしありー‘S」から6名の女性農業者が参加し、ほ場視察及び情報交換を実施しました。ほ場視察では「あぐりぃぃな」会員3名のほ場を訪れ、経営概要や栽培管理の説明を受けました。「TNしありー‘S」からは様々な質問が挙がり、活発な意見交換の様子がうかがえました。昼食は各自の農産物を持ち寄り、サンドイッチ作りを行いました。持ち寄った材料の情報交換を行うなどして交流を深めました。
他地域の女性農業者の活躍を見て、「TNしありー‘S」会員からは「今後の自身の経営に参考になる部分が多くあり、勉強になった」等の意見が聞かれ、刺激を受けた様子でした。
今後の方向
今後も女性農業者同士が意見交換できるような交流の場を設け、資質向上の機会にしてもらえるよう支援していきます。
ほ場視察の様子
利根沼田農村生活アドバイザー協議会巡回研修会~会員のほ場視察、4年ぶりの開催~
利根沼田農村生活アドバイザー協議会は4年ぶりに巡回研修会を実施しました。会員のほ場視察や夕食での交流会を通じて情報交換を行い、会員の経営感覚向上やネットワーク強化を図りました。
ねらいと背景
利根沼田農村生活アドバイザー協議会では例年巡回研修会を実施していましたが、新型コロナウイルスの影響で開催が見送られていました。今年は、コロナの扱い分類が5類に移行したことを受け、満を持して4年ぶりに再開し、会員のほ場視察と交流会を行いました。
取組の成果
9月27日に会員13名が参加し、夏秋トマトと乾燥芋を取り扱う会員とリンゴの観光農園を経営する会員のほ場視察を行いました。経営概要や今後の課題等、取組の紹介を受けると、加工方法やワークライフバランスに関する質問が多く、活発な意見交換の様子がうかがえました。
交流会では夕食をとりながら幅広い話題でコミュニケーションが行われました。活動制限期間中に認定された会員の中には、初めて顔を合わせる人もおり、久しぶりに会員同士の交流の場として良い機会となりました。
今後の方向
今後も巡回研修会を継続して開催し、会員同士が交流できる環境作りを行って、女性リーダーの相互の研鑽を支援していきます。
巡回視察の様子
枝物アジサイ目揃い会開催~実需者ニーズを反映した出荷規格の検討~
利根沼田農業事務所普及指導課では、アジサイの更なる品質向上を図るために、市場担当者や生産者と協議してアジサイ出荷規格表を作成しました。
ねらいと背景
片品地域は冷涼な気候を生かした切り花や枝物生産が盛んであり、特に枝物アジサイは全国有数の産地として有名です。JA利根沼田尾瀬アジサイ生産部会では、複数の品種を共販体制で出荷しており、アナベル、ミナヅキ、ライムライトが主力です。これらのアジサイは気象条件や標高によって色づき等の細かな点で品質に差が出やすいため、今年も目揃い会にて規格検討を行い、品質の平準化を図りました。
取組の成果
8月21日にアナベル、10月6日にミナヅキとライムライトの目揃い会を開催しました。前者は5名、後者は6名の市場担当者を招待し、実需者ニーズと産地の品質を踏まえた出荷規格を検討しました。生産者は持ち込んだサンプル枝を見せながら、適正な規格を担当者へ確認するなど活発な意見交換が行われました。色のばらつきに差が目立つミナヅキにおいては、担当者より色の薄い枝は安易に出荷せず、濃く色づいてから出荷するよう注意喚起してもらい、品質の底上げを目指しました。
普及指導課ではアナベルの目揃い会時に重要病害防除管理、ミナヅキ・ライムライトでは病害に加え、複数のほ場で散見された虫害と推察される症状の原因・対策について説明しました。また、それぞれの目揃い会に持ち込まれたサンプルを撮影して、2品種(アナベル、ミナヅキ)の色目の規格表を作成し、部会員へ配布しました。
今後の方向
シーズン終了後に市場担当者も同席して開催される出荷反省会を踏まえ、再度規格の振り返りを行い、来期の出荷に備えます。
ミナヅキ・ライムライトの目揃い会