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令和5年度普及現地情報(令和5年11月)

更新日:2023年11月28日 印刷ページ表示

利根沼田地域シクラメン産地見学会~実需者への産地PRで逆境を乗り越える~

 利根沼田農業事務所普及指導課ではJA利根沼田と協力して市場担当者を対象としたシクラメン産地見学会を開催しました。

ねらいと背景

 利根沼田地域のシクラメン作付面積は2.4ヘクタール(令和4年度蚕糸園芸課調べ)で、県内では東部地域に次ぐ主要産地となっています。栄養診断等の技術普及により品質が安定した一方、花きの需要動向は厳しい状況が続いています。昨年末は、コロナ禍収束や物価高の影響と思われる販売不振もありました。そこで、安定した価格で取引が行われる予約相対取引の割合増加を目指し、コロナ禍で中止となっていた産地見学会を4年ぶりに開催しました。

取組の成果

 10月25日に管内の生産ほ場6カ所を視察する産地見学会を開催しました。県内外の花き市場5社が参加し、ほ場主から出荷規格や希望単価、品種の説明を受け、出荷間近になったシクラメンの品質を入念に確認していました。配布したアンケートには「良かった」「大変良かった」と回答があり、仕入れの参考になったとのコメントもありました。また、前回より少ない視察数でしたが、参加者の8割がゆっくりほ場を見られて良かったと答えており、今後の参考になりました。見学会終了後は情報交換会を開催し、生産者と参加者が懇親を深め、最近の花き需要動向を把握する良い機会となりました。

今後の方向

 生産コストの増大や物流の2024年問題など生産者の抱える不安は大きくなっています。普及指導課では技術普及に加え、産地と市場・実需者を結びつけるコーディネート役として関係農協とも連携しながら販売対策の取り組みを強化していきます。

生産者のほ場を視察する出席者の写真
ほ場視察

片品村生まれのリンゴ「OZEGOLD」の産地化始まる~育成者以外でも村内で初結実~

 片品村では、村内のリンゴ生産者が育成した新品種「OZEGOLD」の産地化をすすめています。本年は、苗木等が配布された村内の園地で結実が始まり、試食会やイベントを開催して、片品オリジナル品種による産地振興について意志統一をはかり、結束を強めました。

ねらいと背景

 片品村の永井三蔵氏が育成した黄色品種「OZEGOLD」(品種登録:令和4年7月)の村内での産地化が進められています。令和3年度には、穂木の配布と苗木の育成が始まり、令和4年度には、苗木の植え付けが行われました。本年は、育成者以外の園地でも初結実となりましたが、今回、育成者と各園主が果実を持ち寄り、試食検討会を開催しました。また、リンゴのPRイベントでは、「OZEGOLD」の試食販売を初めて行いました。

取組の成果

 10月25日の「OZEGOLD」試食検討会では、各園の果実の外観、大きさ、糖度を調査し、試食を行いました。試食では、独特の甘味を再確認し、現在の消費トレンドに適合するとの意見が出ました。また、10月28日には今年で4年目になる「片品リンゴPRイベント」を開催し、県内外から多くの観光客が集まり、大盛況でした。イベント初となる「OZEGOLD」の試食販売を行いましたが、生産者は、試食をした観光客から、直接「甘味が強い」、「美味しい」といった感想を聞くことができ、今後の栽培に対するモチベーション向上につながったと思われます。

今後の方向

 片品村での「OZEGOLD」の産地化を支援し、同時にリンゴの産地としての活性化を促進します。

リンゴPRイベントの写真
リンゴPRイベント

みなかみ町における酒米「五百万石」の取り組み

 今年度からみなかみ町で酒米「五百万石」の生産を開始しました。生産者や関係機関で現地講習会や情報交換などを行い、高品質・安定生産を目指しています。

ねらいと背景

 利根沼田地域の水田では、中山間地の特徴を活かし良食味米の生産がされています。近年、高齢化による耕作放棄地の増加や米価の下落などが問題となっている中、地元の永井酒造(株)からの要望もあり、対策として今年度から新たにみなかみ町で酒米「五百万石」の生産を開始しました。

取組の成果

 昨年度に作付希望者に向けた説明会を開催し、4名の希望者が集まりました。関係機関と協議を進め、育苗方法や価格、保管方法など詳細を詰めていき、5月上旬から植え付けを開始しました。生育中は7月の出穂期、8月の収穫期前に現地講習会を行い、一般米と酒米での栽培方法の違いや今後の管理などについて説明し、生産者や関係機関と情報交換を行いました。
 今年度は高温が続いたことから生育が前進化し、一番早く植え付けしたほ場では8月下旬に刈り取りが始まりました。品質は1~2等、収量は約6.5俵/10アールとなり、計画していた6俵/10アールを上回る結果となりました。11月2日には検討会を開催し、今年度の振り返りと次年度作付希望者に向けた説明を行いました。

今後の方向

 酒米としての品質の確認や次年度の取り組みについて関係機関と協議を進め、作付面積増と高品質安定生産を目指します。

酒米講習会に参加する生産者の写真
酒米講習会の様子