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令和5年度普及現地情報(令和6年1月)
令和5年度農業複式簿記入門講座の開催
普及指導課では経営経験の浅い新規就農者等を対象に、複式簿記の基礎を学ぶ農業複式簿記入門講座を開催しました。
ねらいと背景
普及指導課では、管内の新規就農者等を対象に、農業経営の基本である複式簿記を習得し、自身の経営管理能力を高め、経営改善に役立てることを目的とした農業複式簿記入門講座を開催しました。
取組の成果
本講座は、11月9日から12月22日にかけて全7回開催しました。農家後継者や新規就農者、就農を目指す研修生、また、経営への参画を目指す女性農業者など幅広い農業者が農業複式簿記に取り組み、計11名の農業者が複式簿記の基礎を習得しました。
例年、利根沼田管内の複式簿記入門講座の延べ参加者数は30名前後ですが、今年度はチラシでの周知やリマインドを徹底し、延べ74名の参加がありました。
講座修了後に、webフォームを活用しアンケートを回収したところ、「簿記の知識がゼロの人でも参加できる」、「決算処理が難しかった」等、様々な意見をいただけたので、来年度の改善につなげたいと思います。
今後の方向
本講座受講生を対象に、全2回のパソコン簿記入門講座を開催し、より実践的な農業複式簿記の習得を図ります。また継続的な支援を行うためにも来年度以降開催するパソコン簿記実践講座に案内します。
第1回講座の様子
長野県・群馬県昭和村レタスの意見交換会の開催~両県レタス産地の諸問題解決のために~
生産コスト高騰や人材不足などレタス産地の抱える課題を群馬県と長野県の産地間で共有し、その解決策を探るため、両県の垣根を越えた初の意見交換を行い、情報共有の場を開く端緒となりました。
ねらいと背景
昭和村の認定農業経営者協議会長を務めるレタス生産者から、資材費の高騰、生産調整、人材不足、物流問題などの課題に対し、長野県のレタス生産者との意見交換の場を設定できないかという依頼相談がありました。農閑期に開催すべく調整をすすめ、群馬県の生産者が長野県の指導農業士の集まりに参加する形で開催できました。
取組の成果
長野県農業経営者協会に連絡調整を依頼し、12月26日に佐久合同庁舎での意見交換会を設定していただきました。長野県からは指導農業士5名と普及課長、昭和村から農業経営士2名、前JA利根沼田レタス栽培部会長、役場担当者が参加しました。両レタス産地が抱える経費削減策、価格転嫁要請、生産調整問題、後継者問題、物流2024問題、技能実習生・特定技能の受け入れ等について、多岐にわたる意見交換がなされました。マルチの再利用による経費節減、市場や小売店への交渉方法など、今後の活動の参考となるような御意見をいただきました。
今後の方向
今後も意見交換を続けたいとの意向が昭和村の生産者にあり、後日その旨を長野県に連絡したところ、次回は、若手の農業者団体(長野県農業士協会)との情報交換をしたいとの回答が得られました。両産地にとって有意義な会合となるよう活動を継続します。
長野県佐久合同庁舎での意見交換
トマト養液土耕栽培意見交換会の開催~養液土耕栽培システム導入拡大及び技術向上へ~
利根沼田農業事務所普及指導課では、次世代を担う若手生産者を中心に新技術の取得と交流を目的とした「トマト若手技術交流会」を毎年開催しています。今年度は、養液土耕栽培システムの導入者及び導入予定者を対象に意見交換会を開催しました。
ねらいと背景
利根沼田地域では、トマト生産者188名のうち、45歳以下の後継者や新規栽培者が約25%を占め、その育成と技術向上が課題となっています。また、産地が5市町村にわたる広域のため、生産者同士の交流の機会が少ない状況でした。そこで、普及指導課では若手生産者の技術力向上と交流を目的に「若手生産者研修会」を毎年開催しています。今年度は、若手を中心に幅広い年代の生産者が養液土耕システムに興味を持つことが増えたため、「養液土耕栽培意見交換会」を開催しました。
取組の成果
12月22日に開催した研修会には、養液土耕システム導入者10名と導入予定者3名の参加があり、養液土耕栽培への関心の高さが感じられました。普及指導課からは、今年度の現地調査結果と肥培・かん水管理などのアンケート結果について情報提供を行いました。また、JAからは、養液土耕システムの性能や肥料の種類について説明がありました。意見交換会では、導入者からそれぞれの栽培管理方法の紹介や今後の課題について発表がありました。導入予定者から導入者に対し、養液土耕の肥培管理に関する具体的な質問が多く出されました。時には生産者が前に出てホワイトボードを使用し説明するなど、積極的な情報交換が行われ、参加者は知見を深めることができました。
今後の方向
養液土耕栽培の新規導入者に対して、定植前の土壌分析や栽培中の肥培管理等についてフォローアップを行い、導入効果が発揮されるように支援を行います。また、若手生産者だけでなく幅広い年代の生産者へもアプローチを行い、産地全体へ導入拡大を推進していきます。
研修会の様子